本日は、髙橋 嗣明さん著作「学校に行けない子供 仕事に行けない大人」を紹介します。
この本は、知人が掛かった「起立性調節障害」に関する原因と治療について、オーソモレキュラー栄養療法を取り入れるあるクリニックの栄養士の方から「是非読んで実践して欲しい」と推薦された本です。
一言で言うと、起立性調節障害の殆どの原因は、食生活習慣に伴う
➀副腎疲労症候群、
②脳内伝達物質のバランス不具合
が原因であり、医者にかからなくても、丁寧に原因を考えて自身で取組、家族の支えがあれば乗り越えられる可能性が高い病態といえるそうです。
以下が目次となります。
第1章マンガで分かる「起立性調節障害」
第2章症例&理論で分かる病態と治療
第3章新たな症例とその原因
➀起立性調整障害に掛かる人の性質
起立性調整障害に掛かりやすい人の特徴と過程は、
➀まじめで頑張り屋で疲れが取れなくなる人が、
②糖質が過剰な食のスタイルを取り、
③食後に眠くなり集中できなくなり、
④好きなことは行えるが、その後何もしたくなくなり、そのうち人と会うのが煩わしくなり、
⑤結果として不登校になっていくという流れのようです。
この過程を医学的に解説すると、
➀のような真面目な人は、自分でストレスを抱え込んでしまうタイプで、ビタミンB群がとても消費されやすい状況になっているそうです。
また、②食生活は炭水化物がメインで、清涼飲料水、お菓子を間食するため、成長期に必要なたんぱく質量が不足。身体作りにタンパク質、ビタミン、ミネラルが利用されるため、脳内の神経伝達に必要な栄養が不足します。
更に、③炭水化物過多で食後高血糖になることで、血糖値を低下させるインスリン、そしてその反応で低血糖になった状態から血糖値を上げるホルモン分泌により、膵臓、甲状腺、副腎に負担が掛かることにより、集中力が落ちます。
④必要なホルモンと脳内神経伝達物質の不足が生じているため、ストレス回避の為の行動は維持されるが、疲労感は残り、人にも会えなくなる。
⑥最後に、副腎疲労と脳内神経伝達物質の不足により、不登校となるという流れだそうです。
②副腎疲労症候群と脳内神経伝達物質のバランス不具合の関係
副腎という臓器は、左右の腎臓の上に乗っかっているクルミ程の大きさの臓器で、生きるために必要なホルモンを分泌するとても重要な働きをしているそうです。
この臓器の表面の「副腎皮質」、中央部の「副腎髄質」は主にストレスに対応する臓器で、常に疲労している臓器ともいえるそうです。
また、食生活において糖質過剰な現状では更なる疲労を副腎に与えること、また最もビタミンCに依存している臓器であるそうです。
この副腎皮質からコレステロールを原料にして多種のステロイドホルモンが分泌され、そのホルモンを纏めて副腎皮質ホルモンと総称します。また、副腎髄質ホルモンの材料はアミノ酸の一種であるチロシンで、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンを合成するそうです。
この副腎の働きにより、血糖値の上下が激しい炭水化物、糖質の過剰摂取により、睡眠時の「低血糖症」に対するアドレナリン分泌などによる睡眠の質の低下、更に血糖値を上げやすい食材を好む人は高血糖後にインスリンの作用で低血糖になりやすく、この低血糖を直ちに改善しようと副腎から多くのホルモンを合成しようと頑張る、その結果、「副腎疲労」になるそうです。
次に脳内神経伝達物質ですが、これは主にアミノ酸、神経ペプチド類、モノアミン類、その他に分類されるそうです。
この脳内神経伝達物質の材料は、タンパク質であり、タンパク質が分解、吸収されるためには、胃酸、カルシウム、ビタミンCが必須だそうです。
更にその補酵素として、鉄、ビタミンB群、その他ミネラル(MG、銅、亜鉛)が上げられるそうです。
したがって、主にタンパク質、ビタミンB、C、ミネラルが不足すると脳内神経伝達物質の不足に繋がるそうです。
③改善のためにまずすること
大別すると二つに分かれるようです。
(1)自律神経を乱す物質や生活習慣を避ける
➀夜、食事の間は糖質を取らない。夜の炭水化物を制限する。
②22時までにベッド、布団に入る
③朝はできるだけ朝日を浴びる
(2)神経伝達物質の材料(アミノ酸)と補酵素(ビタミン、ミネラル)を適量まで十分補う
➀タンパク質を食べる量をいつもより増やしてみる
②ビタミンCを1時間おきに200㎎-400㎎サプリメントで補充
③ビタミンB群を取る
④冷え性、立ち眩みがある人は、鉄分を十分とる
④新型コロナウイルス感染及び新型コロナウイルスワクチン接種後遺症による起立性障害
なんと、上で上げた➀「副腎疲労症候群」による低血糖症、②脳内神経伝達物質の合成のに関わる「たんぱく質、ビタミンB群や鉄の欠乏」以外に、新型コロナウイルス感染及び新型コロナウイルスワクチン接種による後遺症として、起立性調整障害が出てきたそうです。
特に抜け出せない疲労感と頭痛で朝が起きづらいという症状が出るそうです。
新型コロナウイルス感染若しくはワクチン接種が原因と考えられる場合、たかはしクリニックでは、血液検査による栄養分析をもとにした食事や生活習慣の指導に加え、MATRIX(フルボ酸、ヨウ素、ケイ素、ミネラル)というサプリメントを処方して対処しているそうです。
⑤頑張らないこと
特に副腎疲労になりやすい患者の多くは、生活態度も人との関係も「いい加減になれない人」が多いようです。
多くの不登校のアドバイスは、「無理をさせない」「自分に自信を持てる何かを身につけさせる」「学校に行くことを強制しない」と記載されています。
これらは全て「ストレスを抱えさせず、逃げることも時に大切です。
そのようにしないと肉体的にも精神的にも改善出来ない」という意味だそうです。
⑥自分の所感
身近な人間が起立性調整障害に掛かり、なかなか体調が戻らないことから、オーソモレキュラー栄養療法を扱っている医院を受診し、その栄養士の方からの紹介で、この本にたどり着きました。
世の中で「起立性調整障害」に掛かり、苦しんでいる人も多いのでは?と思い、今回紹介しました。
ご自身や周りで苦しんでいる人がいたら、是非読んで、実践してみてください。以下の本と一緒に読むとより、具体的な栄養素の取り方がわかります。「すべての不調は自分で治せる」を読んで – アイアンマンブログ (ironman1977.com)