「定年ひとり企業」生き方編を読んで

今日は、大杉 潤さん著作「定年ひとり起業 生き方編」を紹介します。

大杉さんは、日本興業銀行にて22年 勤めた後、新銀行東京創立メンバーになる等の転職をし、57歳で独立。年間300冊以上のビジネス書を読み、2,500冊の書評をブログに公開しています。

そんな大杉さんはこの本で、会社員(+副業)、定年ひとり起業、そして75歳以降のライフワークという3段階にステージを分けて、人生の最後まで貢献する生涯現役という生き方を提唱しています。

また、この本の中では、大杉さんがこれまで読んできたビジネス書の中で、例えば終身現役という働き方、副業の始め方、健康法、フリーランスとしての働き方で参考になった本にも沢山触れています

私自身、70歳どころか60歳にも到底到達しないながらも、その様々な知見を披露しているこの本を紹介したくなりました。

目次

第1章 働き方を3つに分ける「トリプルキャリア」

第2章 幸せな定年後に必須の「ICT活用」

第3章 定年後の「健康法」は、これが結論!

第4章 定年後ライフスタイルを考える「珠玉の15選」

第5章 夢に向かう構想が描けるデユアルライフの 醍醐味

①人生の幸福度は「70歳からの生き方」で決まる

著者は、57歳で起業、60代は収入を複線化し、現在は楽しい仕事ばかりする幸せな状態だそうですが、更に「70歳からのキャリア」で幸福度が決まるといいます。

具体的には、75歳からをサードキャリアとすると、体力面・健康面での制約が出てくるタイミングで、仕事をライフワーク(人生のミッション)1本に絞り込み、ずっと現役として活動して社会と繋がり続けるのが「理想の働き方」だそうです。

世の中では、「健康寿命」が大切だと提唱されているが、著者は更に「貢献寿命」が大切だと提唱しています。

そして長く働くための武器は3つの専門性を持つことで、オンリーワンになることが大切で、また生涯現役でいるための最大のポイントは、会社員であるファーストキャリアから、いかにして雇われない働き方となるセカンドキャリアへ移行するかが最大のポイントだそうです。

そのためにも、50代のどこかのタイミングで会社での出世ではなく、その先にある「定年後のライフスタイル」について考える時間を持つことがとても大切だといいます。

また、人生のミッション=IKIGAI(生きがい)を分解すると、①好きなこと、②得意なこと、③世の中の役に立つこと、④収入が得られることになる

その重なった部分 ①と②の重なったところが「情熱」、②と③が重なるのが「専門性」、③と④が重なるのが「天職」、更に①と③が重なるのが「使命」となる

そして情熱、専門性、天職、使命が重なる部分がIKIGAIだそうです。

(この考え方は、前野隆司さん、星渉さん共著「99.9%は幸せの素人」に紹介されているそうです。)

このIKIGAIを見出す中で、長く働き続けるためのライフワークを発見していくそうです。

②トリプルキャリアという生涯現役の働き方を実現するための戦略的準備、1.時間術、2.コミュニケーション術、3.情報リテラシー、4.健康術

セカンドキャリアに移行すべき60代の定年の壁、サードキャリアに移行すべき70代の「体力・健康の壁」を予め予測して働き方を組み立て直す時間術を作ることが第一に大事であること。

また二つ目に自宅、職場以外に自分が気持ちよく所属・活動するコミュニテイーを持つことが大事であること

更に自身の働く環境をICTツールによるワークシェアリング、そして、著者ご本人が実践されているTwiter,ブログ、Facebook, YouTubeなどを通じたICT活用による多彩な発信力も重要な要素として挙げています。

更に、年齢を重ねて更に大切になる健康術については、食事、運動、仕事を通じた社会とのつながり、金儲け、体温、足、口腔ケアなど、様々な観点から、論拠となる様々な本と共に紹介されています。

③定年後のライフスタイルを考えるときに取り入れたビジネス書の紹介

最後は、著者がブログ書評家として、これまで読んだ1万2千冊以上のビジネス書の中から、今回の定年後ライフスタイルを考える際に、最も参考にして取り入れた1.キャリア、2.お金、3.ICT活用・情報発信、4.健康、5.人生設計・ライフスタイルの分野で15冊取り上げ、紹介しています。

その中には、例えば元リクルートの藤原 和博さんや精神科医の和田 秀樹さんなど幅広く活躍されている方が含まれています。

④自分の所感

著者は、自分自身が体験してきた社会人からフリーランスへの独立、そして更に70台に向けて、ご自身が心掛け、実践している方法を紹介するとともに、他の著者の本も紹介しながら、参考にした考え方や知見を、沢山披露しています。

私はこの本一冊を読んだだけで、著者が紹介する本を何冊か追加で購入することになりました。

私個人は著者自身が自らの体験談だけではなく、書籍から様々な知見を取り入れ、自分のものにしていく、更に紹介していく考え方が極めて新鮮で、この方法であれば、3つの専門性を極めるどころか、何種類もの専門性を身に着けることができるのではないかと想像しています。

ということで、元々は、立花 岳志さんの「企業メンタル大全」からこの本に行きつきましたが、特に今会社員の方に、読むすることをお勧めします。