本日は和仁達也さん著作「独立系コンサルタントの成功戦略」を紹介します。
和仁さんは、27歳で独立し、経営コンサルタントとなり、今では月額30万円以上の顧問先を複数、あっかえ、年間報酬3000万円を軽く超える人気コンサルタントだそうです。
また、コンサルタント養成塾や教材を通じて、そのノウハウを数千人の方に伝えてきたそうです。
先日紹介した五藤さんと主張は違えど、コンサルタントとしての成功方法を和仁さん独自の視点で語られており、この本も是非紹介したいと思いました。
目次
第1章独立系コンサルタントは見込み客とどうやって出会うのか
第2章独立系コンサルタントはプロフィールをどう描くか
第3章これからの独立系コンサルタントの「あり方」とは
第4章独立系コンサルタントの戦略的情報発信
第5章独立系コンサルタントの勉強法
第6章10年スパンで考える独立系コンサルタントのキャリア戦略
①成約につながる人脈の作り方・使い方
人脈というものは見えない資産のようなもので、1日では作れるものではなく、独立を考えている人は日頃からつくっておくべきですし、すでに独立していて人脈があまりない人はすぐに作り始める必要があるといいます。
少なくとも3人以上の見込み客を見つけてから独立すると、やっていけるだろうかという不安が少なくなるそうです。
ちなみに、筆者が独立してまず会いに行ったのは、サラリーマン時代に出会った人たちで「いつかまたお会いしたい」と思っていた方だそうです。
その中でも、クライアントになりそうな人をきちんと選ぶこと。
①信頼できる人、②誠意のある人、③仕事に対する理念や哲学などの柱がある人、④向上心がある人、⑤ビジョンに共感でき、応援したい人、⑥自分と相性のいい人を考えると良いそうです。
自分なりに「こういう人と仕事をしていきたい」と決めてから、それに合致する相手をリストアップして、優先順位をつけて営業をかけるのが、質の高い人脈を築くための最善策だそうです。
なお、商談の機会を得たとしても、相手が興味があるのは、自分のやりたいことを実現すること、もしくはお困りごとの解決なので、こちらの事業には全く関心が持てないため、まずはひたすら聞き役でいるぐらいがちょうどいいそうです。
相手が自分の話をしっかり聞いてくれた人に対して、自然と人のことを知りたくなることから、聞かれた場合、著者は事業計画プレゼン法というのを説明していたそうです。
これは自分の事業についてのプランを文書化してあるのがポイントで、「自分がこれからコンサルタントとしてやっていくにあたって、こういうミッションやビジョンを考えている。
それに基づいて、1年間で何をやっていくのかの行動計画も考え、3年後と10年後にこうなっていたいというプランも書いてみて、更に収支もこうやって考えている。
と説明することで、ミッション、ビジョンの策定、「数字て見える化」していることをコンサルタント自身が実践していることを示すことで、契約を結ぶところまでとんとん拍子に進む確率が高いそうです。
②見込み客づくり―身近なところからニーズを掴む
今までどこかで会ったことがある人の中で、「この人にアプローチしたい」という人を10人選んで、1か月以内に困りごとを聞いてくるプロジェクトをすると、色々な人から話を聞くだけで十分勉強になるそうです。
更に、筆者は、気になる経営者の方々に声をかけて「気持ちが若い経営者の会」という飲み会を定期的に開催していたそうです。
その際、著者の目利きで集めた、気持ちの若い経営者という共通があったことが、盛り上がるきっかけとなり、参加する人に面白そうだと思ってもらえる場の設定に繋がったそうです。
また、リアルに会う前にオンライン上での交流会を先につくり、お互いにどんなことをしているのか紹介しあい、交流を始めたそうです。
そのうえで、何がお困りごとか突き止めて、著者が関われないか見極めることにフォーカスされたそうです。
更に、自分のことを積極的に紹介してくれそうなこれはというキーパーソンがいたら、そういう人たちを集めて数か月や半年に1回ぐらい情報交換をする買いをつくり、最近の活動を報告するそうです。
それによってキーパーソンの中での著者の情報がアップデートされるので、紹介先を思い出してもらえる確率が高くなるそうです。
他にも、金融機関や商工会議所など中小企業の社長にネットワークを持つ拠点にメリットを提供することで、紹介をどんどん増やすやり方もあるそうです。
また、セミナーで人が集まらない場合は、1on 1セミナーにすれば、興味を示す人が現れるそうです。
つまり、10名集めるのが苦しいなら、1対1のセミナーを10回やった方が断然効果的だそうです。
更にセミナーのタイトルも相手のお困りごとを起点にし、具体性、利益がありそう感をタイトルにするのがポイントだそうです。
③すべてにおいて「相手起点」で考える
著者は、自己紹介の場は、自分を覚えてもらう場とは考えていないそうで、「この人は私に必要だ!」と聞き手に思ってもらう場だと考えているそうです。
その為に「相手起点」で話内容を考える必要があるといいます。
それには、まず相手をよく分析し、例えば中小企業の社長が参加される場合、「社長のお困りごとトップ3(著者は①会社のお金の流れが漠然としていて、先の見通しが立たない、②社長と社員の立場の違いが生む危機感のずれ、③次のビジョンが見えない)が聞きたいことと想定し、自己紹介文を考えるそうです。
更にコンサルタントが自分から「僕をこう活用してください」とトリセツをつくって、社員に配ることで、簡単なプロフィールと活用法を社長や会社のお困りごとの解決につなげていくと「なるほど」と思ってもらいやすくなるそうです。
④自分の「あり方」を決めて4本の柱を立てる
著者がコンサルタントを20年超やってこれた理由に、自身のミッション、セルフイメージ、カンパニースピリッツ、ビジョンの4つの柱を定めたことが成功した秘訣であると分析しています。
①ミッション:使命感を持って何をするか。
筆者のミッションは「自分のビジョンを実現しながら、人のビジョンの実現を応援し、その影響力の範囲を最大化する」だそうです。
②セルフイメージ:自分を何者だと思っているか。
著者は「ビジョナリーパートナー」だそう。
③カンパニースピリッツ:どのようにやるかを言語化したもの。
「著者は「ワクワク感動できるコンサルテイング」ガツガツとストイックにコンサルテイングをするのではなく、クライアントと一緒にワクワクするのが著者の目指すスタイルだそう
④ビジョン:ミッションを実践した結果、どういうところに行くのか。どんな風景が見えるのか。
「社長と社員が夢や人生観を語り合える世界を作る」が著者のビジョン。
尚、4つの柱のうち、もっとも肝になるのはセルフイメージだそうで、「自分は何者か」を表す肩書を起点に行動するうちに、自分が何者かがおのずと定まるそうです。
尚、このセルフイメージを固めるために
1.あなたはどの土俵で勝負するのか(パートナー型、先生型、御用聞き型、専門型、お困りごと解決型など)
2.顧客はあなたの同業者に対してどんな違和感があるか
3.あなたのコンサルテイングのどこがユニークなのか
4.その報酬を支払ってクライアントが得られるリターンは何か
5.「誰に」「何を」「どのように」サービス提供するのか
を言語化するそうです。
なお、ビジョンは抽象度を高めに1文で表現する場合もあれば、1年後、3年後、10年後の理想の姿を「業績」「サービス内容「活動エリア」「スタッフや仲間」「営業方法」などの視点で、具体的に書き出す場合もあるそうです。
⑤専門医ではなく、ホームドクターを目指す
読者の多くは、今まで培ってきたスキルで独立を果たしていると思いますが、そのスキルや知識の賞味期限は、1年だと著者は言います。
1年経ったら陳腐化が始まり、アップデートしない限り、あっという間に、そのスキルや知識は古くなるそうです。
また、この陳腐化の予防策として、「新しい情報の仕入ればかりに注力する」には限界があり、陳腐化しないために著者がしているのは、「常にクライアントから多面的に相談される状況を保つ」ことだそうです。
企業が新たなことにチャレンジするたびに新たなお困りごとが発生し、著者はそれをサポートしてきたことで、双方にとって成長するそうです。
また、例えば自分主催の飲み会を数か月に1回開いて、いろいろな人と交流を持っておくと、新しいトレンドに触れられるそうです。
⑥「他人ごとを自分ごととして考えよう」
著者が考えるコンサルタントに向いている人は、「相手のビジョンの実現に興味がある人」「且つ自らも成長を続けたいという意欲がある人」だそうです。
あくまでも主体はクライアント。
クライアントが何を目指しているかを把握して、それを形にしていくのをお手伝いするのが、著者が考える良いコンサルタントだそうです。
人の喜びを自分の喜びのようにとらえられるなら、コンサルタントを生涯の仕事にできるそうです。
⑦「1000人の客も目の前の1人から」
ブログやホームページ、メルマガやSNSで定期的に情報発信している方は多いですが、顔も見えない不特定多数に向けて走んしているのは、空に向かって空砲を打つようなもの。
「狙って当てる」戦略的情報発信術が大事だということです。
筆者は、クライアントに対して、今月読んだ本から1冊を選んで紹介するレポート1枚、コンサルの現場で気づいたことのレポートを1枚を送付していたそうです。
更にその感想を聞くことで、改善していくことで文章力を鍛えたそうです。
①身近な人、②見込み客、③一般の人と徐々に伝える範囲を広げる、そしてその表現も変えていくことが肝要だといいます。
尚、ホームページでは、プロフィール、ビジョナリープラン、商品・サービスメニューを提示。
その他、ブログ、SNS、メルマガを活用し、特にメルマガは読者にとって一番役に立つ情報発信をするよう心掛けているそうです。
なお、メルマガでも相手のお困りごとと自分が伝えたいことを結び付けて書くのが理想的だそうで、著者は「めんどくさい仕事を先送りにしないためにはどうすればいいのか」「気が乗らない仕事は15分だけ、とりあえずやる」ということをテーマにメルマガに書いてきたそうです。
⑧自分をガラパゴス化させないためにインプットを続ける
先にクライアントのお困りごとをリサーチして、解決するためにインプットを行うという順番が大事で、まずはアウトプットする場を用意してからインプットをする、常に新鮮な情報を仕入れるためにも、アウトプットで容量を減らしていくのが大事だそうです。
そして循環を高速回転させることで、変容進化が加速するそうです。
なお、著者は神田昌典氏、ジェームススキナー氏、ジェイムスアブラハム氏、梅谷忠弘氏など各分野の権威や第一人者のセミナーに迷うことなく投資していたそうです。
結果的には、その当時の投資は何百倍にもなって自分に返ってきているそうで、知識や情報は現場で生かしてこそ知恵になるそうです。
なお、学びに行く先は、①高額なもの優先、②その分野の第一人者、③単なる知識や情報の収集ではなく、自分のお困りごとの解決策が得られるの3つを優先するそうです。
⑨毎日「何が一番大切か」を自問自答する
著者は最初の3年間はセミナーはやらずに、コンサルタントに集中したそうです。
その間は、クライアントのお困りごとをどう解決するかで精いっぱい。
ほかのことにはとても手が回らない状態だったそうです。
それでもビジョナリープランさえしっかり描けていれば、自分が本当にやりたいことを見失わないでいられるそうです。
クライアントに注ぐのと同じくらいのエネルギーを、自分のビジョンの実現に向けて使い、その等身大の姿を、クライアントはもちろん、ご自身の仲間や家族に見てもらうことが、クライアントから「あなたがいうことの荒聞きたい」と言われる存在になるための最大の秘訣だそうです。
⑩私の所感
良著を読むと、どんどんやるべきことが増えていきます。
前回紹介した五藤さんのコンサルテイントで成功する秘訣は、何を使って業績を上げるのかという手法の専門性を打ち出した上で、パッケージ化を図るとありました。「売れるコンサルタントになるための営業術」を読んで – アイアンマンブログ (ironman1977.com)
一方、和仁さんの手法は、客先のお困りごとを聞き出し、その都度解決策を図り、結果客先のビジョン、ミッションの実現に向けて応えていくことが、長期的なコンサルテイングに繋がるといいます。
私は専門型とパートナー型のコンサルテイング手法の違いなんだと理解しました。
翻って、自分はどういったコンサルテイングを考えるのか。
尚、どちらを選択するにせよ、自分のミッション、ビジョン、セルフイメージ、カンパニースピリッツを確立していくことは、極めて大事な要素だと感じました。
この本及び和仁さんの出版された他の本もしっかりと身に付けていきたいと思います。
本書評を読み、興味を持った方は是非本書をお読みください。