「超加速経済 アフリカ」を読んで-長い目で見ていこう!

本日は、椿 進さん著作「超加速経済 アフリカ」について紹介します。

アフリカをどのように捉えるのか。

従来の貧困といった目線だけではなく、日本をはるかに上回る人口の爆発と若さがあり、国家運営を適切に行えば、人口ボーナスとして大きなパワーをもたらす可能性があると椿さんは期待を掛けます。

一方、適切な職が与えられなければ、大きな社会不安などに結びつく可能性があるとも言います。

日本の人口は2019年に人口が約52万人自然減。

2020年代後半から毎年1%弱ずつ70万人から100万人ほど、50年程継続して人口が減り続けると予測している。

この日本とアフリカで異なる現象が起こる中、日本と補完関係ができるのではないかというのが椿さんの考えだそうです。

尚、椿さんご自身は、ボストンコンサルテインググループのパートナー、マネージングダイレクターを歴任。

2008年に現AAICを創業し、代表パートナーに就任。

中国・東南アジア・インド・中東・アフリカ等の新興国において、新規事業育成、市場参入支援等をコンサルテイングと投資を通じて実施しているそうです。

また、ルワンダではマカデミアナッツ農園も手掛けているそうです。

目次

第1章 アフリカは想像以上に大きくて若い

第2章 アフリカはどんどん豊かになっている

第3章 アフリカはかつて日本が経験した急成長期にある

第4章 アフリカは先端技術が日本より浸透している

第5章 アフリカは医療テック市場が世界で最も熱い

第6章 アフリカは巨大市場になりつつある

第7章 アフリカは日本企業がもったいない状況にある

第8章 アフリカは国内格差がまだまだ大きい

第9章 アフリカは驚くような巨大開発を行っている

第10章 アフリカは4つの進出パターンで勝負する

➀アフリカは想像以上に大きくて若い

アフリカ大陸全体の面積は、インドの10倍、日本の80倍あるそうで、そのうち人が沢山すんでいるのは以下の地域だそうです。

➀北部のナイル川河口があるエジプトや地中海沿岸地域、

②西部のナイジェリアやガーナ、コートジボアール等大西洋に面したエリア、

③更に東部 ケニア、ウガンダ、タンザニア、エチオピアにも沢山の人が住んでおり、

④南部の南アフリカ共和国にも6000万人弱が住んでいます。

更にルワンダ、ウガンダ、ケニアナイロビ等は、月間の平均気温が20-22度と、とても暮らすには快適です。

また、年齢の圧倒的な若さもアフリカの特徴で、中位年数が日本の48歳に対して、アフリカは19.7歳。

背景にあるのは医療・衛生環境が整って乳幼児の死亡率が急速に下がったことや、人口を養える最低限の食糧が確保できるようになったためだそうです。

人口予測を見ると、現在約13億人の人口が2050年にはほぼ2倍の約25億人になると予測されており、ナイジェリアは2050年に4億人近くに達するそうです。

そのほかコンゴ民主主義共和国、エチオピアも2050年に約2億人、エジプトも1億5千万人になると予測されています。

一方で都市化が進む南アフリカやナイロビなどは生活を優先させるため、子供を2名くらいに抑えようとするため、人口増加がある程度止まるようです。

一方、農村では、人口爆発が置き、6人すべて大人になるため、第2子以降は都市に出ていくしかない。

都市化が始まり、大量の人が都市に出てくるようになった時のアフリカの最大の課題の一つは「都市にそれだけの仕事があるか」ということです。

現在、ケニアで大学に行けるのは1割程度。

更に大学卒業後3年以内に就職できるのが半数程度なのだそうです。

つまり人手不足ではなく、圧倒的に仕事不足になっている状況。

人手もその多くはブルーカラーで、何らかの専門スキルを持ったスキルドワーカーは少なく、英語を話せて、マネジャークラスの人材となると圧倒的に少なくなるそうです。

②生産年齢人口のピークは中国→インド→アフリカ

全人口のうち、15歳から64歳までの働ける人口がどれだけいるか。

日本のピークは1960年代から80年代の終わりくらいまでだったそうです。

今まさにピークを迎えているのが中国で、2000年頃から70%を超えていたそうですが、既に下落に転じているそうです。

米国は移民政策などにより、比較的長く続いているそうです。

そしてこれからピークを迎えるのが、インドや中東だそうで、インドは2040年にピークを迎え、その後アフリカが2070年から2100年に掛けて続くそうです。

③アフリカはどんどん豊かになっていく

アフリカ全体で見れば、農村部は6割以上。

人口の8割がまだ農村に住んでいる国も数多くあるそうですが、その半分くらいの人は電気のない家に住んでいるそうです。

しかし、アフリカの成人は全員といっても過言でないほどに、みんなスマホやケータイを持っていること。

電機は来てないけど、通話やWhatsapp、フェイスブック、ゲームはしており、お財布代わりにもなっている生活必需品となっていること。

そしてその充電は小型のソーラーパネルや村のキオスクの充電サービスを利用しているのだそうです。

今、東アフリカでヒットしている商品の一つが「M-KOPA」ソーラーパネルと充電池、LEDランプ、充電用ラジオなどがワンセット担った商品で総額で約2万3000円程。

それを約3000円の頭金を払い、1日50円毎日払いして、1年半ほどで自分のものになるそうです。

また、テレビセットモデルの「M-KOPA600」は約6万5000円。

1日の支払い約150円をモバイルマネー(M-PESA)で払うことで、大きな潜在需要が顕在化したそうです。

ケータイ端末は中古で1000円から。

スマホの中古も3000円くらいから。

更に98%がプリペイドケータイが中心。

更にSIMを複数持ち、通話、データ送信が安いほうを選ぶそうです。

また、殆どはTECNO、OPPOやファーウェイなどの中国製スマホだそうです。

尚、TECNO(伝音控股)は、アフリカ専用のケータイで、一度の充電で4日間ほど持つスマホなども出しており、2018年シェア49%とナンバーワンのスマホブランドだそうです。

このプリペイド式ケータイによるモバイルサービス(チャージした通話料を人に送れる/決済できるサービス)が大きなイノベーションを引き起こし、生活必需品となっている。

更に形態基地局の敷設を中国メーカーに委託したことで、ファーウェイやZTEなど基地局メーカーに丸投げして敷設する事で、どんなサバンナでもほぼ電波がつながるそうです。

④アフリカ各国と東南アジアを比べると

アフリカの主要国の一人当たり実質GDPと人口規模、GDP規模を比較すると、南アフリカでタイと同じレベルの大きさ(全体4000億ドル)、エジプトはフィリピンと同じ3000億ドル規模、ケニアやエチオピアはミャンマーと同じレベル(600億ドル)だそうです。

また、産業構造は、南アフリカが第1次産業従事者が5%程度に対して、第3次産業で72%。

ナイジェリアも第3次産業が53%、エジプトも49%、製造業比率も28%と他のアフリカに比べると高いそうです。

アフリカの難しさは、第2次産業がなかなか立ち上がらないこと。

エチオピアが縫製業が立ち上がりつつあり、アジア型の発展の可能性がある国だと感じているそうです。

⑤今のアフリカは日本の40-50年前のエリアが多い

出生数10万人に対する年間の妊婦の死亡数、MMRというデータがあるそうですが、2017年で世界平均は211人、ケニアは342人。日本は2-3人。

しかし100年間は、日本も350人ぐらいの時代があったそうです。

尚、アフリカで妊婦が死亡する最大の要因は、自宅で出産するため、出血多量による輸血が間に合わないことが死因の半数だそうです。

上水道の普及も日本が普及率50%を超えたのは1967年。

今のアフリカの多くの国は60-70%だそうです。

一方、都市部では、巨大ショッピングモールが姿を表しており、レジデンスの分譲も行われているそうです。

その販売価格は4-8000万円だそうですが、購入者の7割は現地の人だそうで、世帯年数が85,000ドルを超えるリッチ層が、南アフリカで8%、エジプトで4%、ナイジェリアで0.8%、ケニアでも0.9%いるそうです。

尚、このGarden Cityは、中国のゼネコンが施工した物件だそうですが、道路・鉄道などのインフラ建設でも中国のゼネコンがアフリカの工事を席巻している。

それには、アフリカのゼネコンより競争力がある価格で納期通りにできる。

その理由として、椿さんは、中国での豊富な実績からの価格水準、品質納期レベルをそのままアフリカに持ってくることで、大きな競争力を持つといいます。

鉄骨やエレベーターなどの資材、十節、建機、現地のコアスタッフなど殆ど中国から持ってきて、対応する。

何故それが出来るかというと、中国の物価水準とアフリカの物価水準がとても近いからだそうです。

日本の製造業の幹部と現地工場を訪問した際、

「ちょうど40年前、自分が入社した頃と近いレベル。値段も同じぐらいだ」

という人がいたそうで、40年前の値段で勝負すれば見込みがあるということだそうです。

尚、これをアジアでやったのがホンダで、1990年代初期、当時20-30年ぐらい前の設計図を取り出してアジアで二輪車を作ったことで勝負が出来たそうです。

⑥あらゆる世界の国が、国で3000ドル、都市で10000ドルはほぼ到達できるのではないか

もともと工業化は欧米にしかできないと言われていた時代もあった。

100年前の植民地時代はそのように考えられていた。

ところが、日本が欧米以外で初めて近代工業化に成功した。

そしてしばらくして、台湾や韓国が近代工業化を成し遂げ、次に中国、さらには東南アジア、インドも近代工業化を実現させていった。

欧米諸国だから経済発展できないなどということはありえなくなった。

あらゆる国が一定レベルまでの経済発展が可能だと椿さんは考えているそうで、世界銀行だったり、IMFだったり、コンサルタントだったりが、そのノウハウを持っている。

そして多くの人たちに豊かになりたいという根源的なモチベーションがある。

日本のように第2次産業の輸出から立ち上がったり、資源で引っ張ったり、成長パターンや時間軸は国によってまちまちかもしれないが、国で3000ドル、都市で1万ドルまではいける。

そして一足先に3000ドル、1万ドル、2万ドルをこの50年で体験して来た日本人は、実はどのタイミングで何が起きるかをよくわかっているはずだといいます。

ちなみに一人当たりGDPが1000ドルを超えた時点で公団住宅を政府が整備し始める。

その際国と首都で3倍程度所得に差ができることから、分けて考える。

また、都市化が進むのもこの時期からだそうです。

次に3000ドルライン。

ここから大型ショッピングモールなども出てきて、乗用車や家電なども売れ始める。

更に1万ドルラインで、消費文化が爛熟多様化し、変わったものが欲しくなる。

海外旅行も一気に広がるそうです。

今後中国が国全体で1万ドルに届こうとしており、海外旅行が更にブームになっていくと椿さんは踏んでいるそうで、これまで都市部で海外旅行ブームが起きていたことから、全土レベルでブームが広がり、インバウンドは新型コロナ流行前のレベルでは済まない。

今の5-10倍日本に来てもおかしくないと考えているそうです。

尚、3万ドルを超えた辺りで、日本は完全に足踏みをしてしまい、得意だった家電、ケータイ、半導体などのモノづくりで韓国、中国に負け、GAFAのような新しい事業も生み出せなかった。

ここから如何に新たな経済モデルを作れるか日本が問われていると椿さんは感じているそうです。

⑦アフリカの女性は髪型にお金を掛ける

一人当たりGDPが3000ドルを超えたケニアのナイロビでは、普通の会社で働く女性たちが髪の毛のおしゃれに掛ける月の費用が5000円から1万円になるそうです。

実は基礎化粧品にはあまりお金を使わず、最も気を使うのが髪だそうで、ウイッグやブレードなりをし、3時間ぐらいかけて編み込んだりする。

この髪関連市場が巨大市場になっており、人口毛髪も主流な中、化学メーカーのカネカは、難燃性といった特徴を持つ「カネカロン」で、年間数百億円の事業に繋がっているそうです。

⑧チャージした通話料が通貨のように使える「M-PESA」決済

日本でもじわじわと利用率が上がってきているモバイルマネー。

例えばケニアでは、人口の7割、成人の9割以上がモバイルマネーを使っているそうです。

尚、アフリカのケータイのほとんど(98%)がプリペイド方式であること。

端末を購入したら、まずプリペイドで通話料をチャージする。

このチャージした通話料を「他の人にも送れて、現金に払い戻せる」のがこのサービスの最大の特徴だそうです。

ケニアではM-PESAのショップ・代理店がいたるところにあり、ここでケータイに通話料をチャージしたり、現金に払い戻したりすることができるATMの代わりがあるそうです。

チャージした通話料は、コンビニでもガソリンスタンドでもファストフード店でも決済に使えるし、自分のケータイから相手のケータイのM-PESAで送れます。

ホームレスでさえもM-PESAを活用。

年間のケニアのGDPの約半分弱がM-PESAだそうです。

更にM-PESAは預金も行えるし、ローンも組める、ケータイを紛失しても、現金に戻せる。

銀行口座もいらない。

送金、決済、預金、ローンをケニアではM-PESAで実現している。

これが日本より、よほど進んでいるといても良いと椿さんは考えているそうです。

更に、M-PESAによって税金、健康保険料、公共料金などを払うことが出来るようになったこと。

更にマイクロ課金も出来ること、国民総背番号制(国民ID)とM-PESAが結び付いていることで、不正に新しいケータイの番号を取ることが困難だそうです。

⑨ライブマーケテイングのアフリカ版TikTok-Vskit

中国でTikTokが人気なのは、面白い動画があるだけでなく、自分が気に入ったものを動画で紹介し、そこから買ってくれたら、アフィリエイト(手数料)がもらえる仕組みがあるからだそうで、これこそが今や世界の最先端のマーケテイング手法になっていると椿さんは言います。

Tiktokやタオパオライブの映像を通じて、直接ライブで商品を売ってしまい、その人たちに多額のアフィリエイトが落ちる。

この中国のマーケテイングが、アフリカでも起きているそうです。

あるナイジェリアの学生は、Vskitでオンライン広告のモデルとして生計を立てているそうです。

このVskitの運営会社は、アフリカ最大のスマホメーカーのトランシオン(伝音科技)とネットイース(中国IT企業)のJVだそうです。

尚、中国ではもともとメデイアを信用せず、口コミを信用するところがあり、物を買う時には口コミで買う。

これが動画になったのが、Tiktokやタオパオだそうです。

Key Opinion Leader(KOL)が映像で紹介し、その場ですぐに売る。

メーカーはKOLと一緒に商品を作り、彼ら、彼女らに宣伝してもらい、直接ネットで売ってもらう。

ドラマもいらないし、広告もいらない広告代理店もいらない。

そして今はKOLを束ねる事務所が出てきており、美腕という大手には5万人が所属しているそうです。

この流れがアフリカにも来ているそうです。

⑩海外送金手数料無料サービス

ウガンダ人の方が始めたChipper Cash。

会社はサンフランシスコにあるようですが、商用サービスをガーナ、ケニア、ルワンダ、タンザニア、ナイジェリア、ウガンダで展開しているそうです。

先のM-pesaがケニアで大きなトランザクションになっている一方、国際送金が出来なかったり、他のキャリアの携帯には送金が難しいことを解決したサービスだそうで、それらも補完します。

アプリをダウンロードし、そこにモバイルマネーなどからお金をチャージすることで、相手もアプリをダウンロードしていれば、手数料無料でアフリカとイギリス8つの国の間で送金が出来るそうです。

Chipper Cashの収入源は、国際送金時の為替手数料、アプリから携帯代金など外部に支払った際の手数料だそうで、一般的な国際送金の手数料40ドルは掛かりません。

「これは使える」というサービスなどほとんどマーケテイングしなくても、一気にブレイクしたそうです。

利用内容は家族などへの送金が半分程度で、残りはスモールビジネスでの送金のようです。

例えば、ケニアから生地を買って、ルワンダで洋服を作る。その支払いをChipper Cashで行う。多くは1回数万円の少額の送金なので、Chipper Cashで十分なのだそうです。

⑪日本で40年掛かった全国物流を1年で

アフリカのトラック運送業界は、戦後の日本のような状況にあり、小規模な運送会社が多数ひしめいている。

日本なら大手運送会社にお願いすれば、それで事足りてしまうが、ナイジェリアには大手がいないため、数十社ほどの小さな運送会社を使って、手配しなければならない。

それらの様々な課題をかいけつしているのが、Kobo360だそうで、荷主と運送会社の行き瓶や帰り便をすべて別途で自動マッチングしているそうです。

加盟する運送会社は、従来なら90-120日後に支払われる運送代金を配達後、数日でKobo360が支払ってくれる。

さらに加盟したトラックにはモニタリング危機が設置され、運行記録、運行状況、最適ルート指示などが提供されることで、仕事を取る、資金を回収する、ドライバーを管理するという作業をこのプラットフォームがやってくれるそうです。

更に荷台にはスマートキーをつけ、ドライバーが勝手に開けられないようにもしている。

受け取り主のスマホに電子鍵を送って、スマホで明ける。

受け取りも電子サインで行うことで、生産性も大きく向上したことで、わずか1年もかからずにナイジェリア全土をカバーできるトラック運送ネットワークが出来たそうです。

日本は、30-40年かけて全国ネットワークを作り上げていたのが、日通や佐川などの大手運送会社に対して、Kobo360は1年で成し遂げてしまったそうです。

⑫既得権益者がいないとイノベーションのスピードは早まる

日本では、タクシー会社が物を運ぼうとするのですら、上を下への大騒ぎです。

遠隔診断ですら医師会の強い反対があり、なかなか普及しない。

米国のシリコンバレーの会社がアフリカから商用サービスを展開するのは、極めて合理的だそうで、特にAIを使うドローンや自動運転のようなサービスは事象サービスの中で進化させる必要があり、リアルでのデータの数とそれによる進化改善が非常に重要であり、実験場としてアフリカは最適だそうです。

⑬アフリカは巨大市場になりつつある

アフリカではすでに多くのグローバル企業が進出し、一定の事業規模を実現させている。

その象徴として世界大手の化粧品会社、フランスの「ロレアル」はアフリカで大きく6つのブランドを展開しているそうですが、ブランドごとに展開する国を分けているそうです。

まず直営の拠点をコアの5都市、ヨハネスブルグ、ナイロビ、回路、ラゴス、カサブランカにおいています。

更にブランドごとに進出するタイミングを分け、基礎的なヘアケア商品群を扱うSoftsheen-Carsonは新興国展開の先方として最初に展開するブランドだそうです。

同じように米国のジョンソンエンドジョンソンは、ベビーオイルと綿棒から出ていき、もう一段レベルが上がるにしたがって、次のブランドを順次展開していくそうです。

更にサムソンはアフリカで数兆円の売上を実現。

1995年に事業を開始し、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの家電、更にスマホが主力商品だそうです。

最初にアフリカに赴任する駐在員のミッションは、現地の日本家電メーカーの代理店をサムソンに鞍替えさせることで、駐在員の多くが片道切符だったそうです。

現地に長く根付いて、現地の暮らしぶりを徹底して学ぶよう指示され、ローカルの事情に合わせた商品開発を行う。不安定なアフリカの電力事情に対応しテレビはAC,DC,太陽光でも動く。また、冷蔵庫の内部壁面に保冷剤が入っていることで、10時間までは電気が来なくても、その保冷剤で冷やす。

ケニアでは現地最大のコンテンツ事業と協力し、スマートテレビ用コンテンツをビデオオンデマンドで独占提供する。

このように現地に根差した開発をしているそうです。

更に中国のアフリカ投資は、ODAの一定のルールや条件ではなく、、自分たちが発展途上国であると主張し、先進国のルールには則りません。

最初にインフラを敷設するプロジェクトとして受注し、直接投資によるパッケージデイールを行う。

通常のプロジェクトファイナンスとして実施する。

ナイロビ新幹線は約3500億円のプロジェクトですが、8割以上が中国からの融資。

その多くの中国の車両、レール、システム、中国ゼネコンの工事代金として支払われる。

そして元本を払えなくなったら、土地の長期間借地といった契約が取り交わされている実例があるのが債務の罠として有名になり、アフリカ諸国も警戒するようになっているようです。

⑭40年前は今の約3倍の日本人がアフリカにいた

実は1970年代から80年代前半頃まで、日本人は今の約3倍、アフリカにいたそうです。

背景にあったのは、日本の高度成長。

資源の獲得から通信インフラの敷設、市場の開拓など今の中国と同じように多くの日本企業が進出。

自動車もテレビも冷蔵庫も通信用交換機も世界の中で当時は日本が一番安価だった。

一方、1980年代以降、アフリカの輸出品となる資源と農産品の価格低迷により、経済成長が殆どできなかったこと.

また日本もバブルが崩壊し、次々と撤退することになったそうです。

しかし、古くから進出していた自動車メーカーや商社は今その規模を拡大。

また、JTは、2007年に欧州、アフリカ、中東などでたばこ事業を営む英ギャラハーを買収し、アフリカのたばこ事業を取得。

2011年にスーダン最大手HCTF社、2012年にエジプトの水たばこ大手のNahla、2017年にエチオピア最大手のNTEを買収し、アフリカ最大のたばこ会社となっているそうです。

更にアフリカでは日本の中古車が大人気。

特にケニア、タンザニアなど東側の国は、もともとイギリスの植民地のため右ハンドルのためそのまま売れてしまう。

東アフリカでは日本車のシェアは軒並み70%以上だそうです。

アフリカ人にネットで直接売れる仕組みを作ったBe Forwardは年商約500億円規模になっているそうです。

中古車といっても、日本からの輸出車は、現地で「ニューカー」と呼ばれているそうです。

⑮次なるアフリカの主要都市をチェックしておく

ナイジェリア ラゴスは、世帯年収で日本の会社員平均レベル以上(C+以上-35000$以上)となるのが、ラゴス人口の9%の200万人。

エジプト カイロでは、37%、ナイロビで11%、南アフリカ ヨハネスブルグで16%、モロッコ カサブランカで16%となります。

更に、次に発展する都市としては、➀エチオピア アジスアベバ、②タンザニア ダルエスサラーム、③ルワンダ キガリ、④ガーナ アクラ、⑤コートジボアール アビジャン、⑥アンゴラ ルアンダ、⑦コンゴ民 キンシャサとなるようです。

これらの大都市では、1人当たりGDPが1000$を超え、3000$ぐらいまでの間に公団住宅と高速道路が出来てくるそうです。

更に、3000$を超えると決まって大渋滞が発生することから、都市化へのインフラ整備のニーズもとても大きいものだと椿さんは言います。

⑯今の日本のできることをやるしかない

改めて、時というのは無常だと感じるとともに、生産年齢人口で言えば、今は中国の時代。

そしてこの後インド、アフリカの時代に移っていくのが良く分かりました。

既に、日本は高度成長期も過ぎ、給料水準もアフリカとは異なり、1970年代に提供していたサービスは時代と共に変わっています。

敢えて言うと、中古日本車の存在が、アフリカの人々の中でも、まだ日本の存在を意識してくれている気がします。

日本がアフリカ全土の発展に寄与することは、もう難しいことを考えると、ピンポイントで関係を作っていくことが大切かなとも感じます。

いずれにせよ、凄く勉強になる本でした。

是非手に取ってお読みいただければと思います。