「頭で考える前に「やってみた」人が、うまくいく」を読んで

今回は、サチン・チョードリーさんの「頭で考える前に「やってみた」人が、うまくいく」を紹介します。

この本は、前回紹介した「これからの時代のお金に強い人、弱い人」を読み、もう少し印僑の考え方「ジュガール」について、理解してみたいと考え、早速読んでみました。
「これからの時代のお金に強い人、弱い人」を読んで – アイアンマンブログ (ironman1977.com)

目次

第1章成功の道を開く「ジュガール」7つのエッセンス

第2章ジュガールが、お金の不安を消してお金を引き寄せる

第3章人をどんどん引き寄せるジュガール式「コミュニケーション」術

第4章今すぐできるジュガール式「人間関係」のつくり方

第5章ジュガールが、人生を豊かにする理由

➀エブリシング・イズ・ポッシブル

この言葉が印僑の考え方を端的に示していると感じました。

著書の中では、

少ない力で多くのものを得ること

自分の枠を超えた発想で考え、行動すること

柔らかい頭で考えてピンチをチャンスにすること

④シンプルに考えること、

決してあきらめないこと

⑥自己を押さえつけないこと、

セルフ・エフィカシー(自己効力感)を大事に育てること

などをエッセンスとして挙げています。

一言で言い表すと、インド人は諦めが悪く、それがジュガールであるということ。

あきらめてしまったら、その時点で終わってしまうため、どんなに可能性が低くても、見方や発想を変えて一発逆転の方法を考える、常に最善の方法を模索していることが、今のインドや印僑の急速な発展の原動力になっているそうです。

なお、「自分ならできる」というセルフ・エフィカシーを育てるには、体験で積み上げていくしかないという考えは、日本語の「やれば出来る。為せば成る」に似た考えかと感じました。

②印僑は、お金の「不安」について、一切考えない

「たとえ失敗しても、どうにでもなる」「重要なのは、失敗を恐れず、「いざとなればなんでもできる」という気持ち」「シンプルに試行して、やりたいことにどんどんチャレンジする」。

そのためには

➀自分が「何を」やりたいか書き出す、

②自分がやりたいことを「なぜ」今できないか書き出す、

③やりたいことを挙げて、それが今できていない理由を考えたら、「どのようにすれば」それができるようになるか解決方法を模索する、

といった夢や目標を3ステップで考えると、今まで一歩が踏み出せなかった自分を変えられそうに思えるはずだと著者はいいます。

また、「お金を欲しいと思うのは、健全な欲求で、また人を喜ばせているからこそ、お金は手に入る」という考え方を持つことが大切だといいます。

また、インドのことわざに「God Inside Yourself」(自分の中の神様を起こせ!)というものがあり、「心から好きで、自分がやりたいと思えることに打ち込んでいる人」を指すそうです。

つまり「神様」とは、あなたが心の底から「好きだ」と思えることに打ち込んだ時にだけ発揮される「パワー」のことを表しているそうです。

ここでも、

①WHAT-あなたが何をしたいのか?

②WHY-あなたは、なぜやるのか?

③HOW-具体的にはどうやるのか?

まで頭の中で明確化することで、物事は自然に動き出し、たいていのことは実現できるようになるそうです。

③ジュガール式「お金の増やし方」-投資、情報、人

お金を増やす上で気を付けなければならないこと、それは、「投資、「情報」「人」を挙げています。

お金持ちになりたいのであれば、投資は絶対に不可欠な行動であることを頭に叩き込んでほしいということです。

その上で気を付けなければいけないポイントは以下の3点を挙げています。

①投資についてよく勉強する事、

②複数の専門家やメンターのアドバイスを受けること、

③自分の良く知らないものに投資しないこと

また、情報については、正確な情報をいち早く察知することが、お金に直結することから、膨大な情報から質の高い情報を得るには、何かを実際に見たり聞いたり体験した「人から聞く」ことで、最も精度が高く鮮度もいい情報が得られます

また、お金持ちになるための情報が欲しければ、お金持ちに直接道を尋ねて、情報を得ることが最も望ましいそうです。

更にお金が貯まらない人の共通点として、自分の消費を意識することが必要となります。

消費を抑える4つのステップとして、

①消費内容を把握する、

②現状を分析する、

③行動に移す、

④検証する、

これを最低でも3か月繰り返すことが大事だとあります。

④「ジュガール式ビジネス」を成功させる3つの条件

想像の枠を超えた発想でモノを生み出していくのがジュガールの基本とありましたが、ビジネスで成功を得るために抱えない3つの条件を挙げています。

➀販売力をつけて、顧客を自分のファンにする。

つまり、「この人と付き合っていれば、いいことがありそう」と思われる付加価値を身につける

②駆け引きのできる会話力と交渉力をつける、初対面の人と会話するチャンスをつかみ、また値切り交渉により力をつける

③即電話、即ビジネスのスピード力をつける。思い立ったらすぐに行動

⑤自分の所感

この本を読んでいて、「印僑の発想だ!」と自分が見聞きしてきたビジネスの体験と紐付けて納得するところがありました。

例えば、2000年代に起きた鉄鋼業のミタルグループによるアルセロールグループの買収。

この時、日本製鉄をも買収する話もあり、日本でも大きなニュースになっていました。

このような大きな発想でもって、世界をあっと言わせるのは、印僑というイメージがあります。

また、日本の建設業に属する身としては、インド企業は口だけと良く耳にします。

出来もしないことを出来ると約束し、いざ実行すると、逃げてしまう。

一方、日本企業が自分たちが出来る小さな範囲しかやらず、インド企業にどんどんビジネスを奪われているのも、昨今のインドのインフラ開発で目にするところです。

いずれにせよ、この本に書かれた印僑のいざとなれば何でもできるというマインド、一発逆転を常に考える姿勢というのは、世界中どこでも印僑の方が活躍している要因なのだと改めて感じました。

(グーグル、マイクロソフト、マッキンゼー、マスターカード、ペプシコ、モトローラ、シテイグループのトップは印僑だそうです。)

この本は、特に日本の狭い慣習などの中でいろいろと悩んでいる日本の社会人の方にとって役に立つ本だと思い、紹介させていただきました。