「50歳からは、「これ」しかやらない」を読んで

私は、今年47歳となります。

今の会社での仕事も慣れ、ある程度の実績も残し始めました。

一方で、人間は夢を見るもので、50歳になった時にどういう風に生きていたいのか。

そして60歳の時に何をしていたいんだろう。

こんなことを考える年齢に差し掛かってきました。

そこで、大塚 寿さんが書かれた「50歳からは、「これ」しかやらない」を参考に、自分の生き方をより明確にしていこうと考え、まずは本を読んでみました。

大塚さんは、株式会社リクルートを経て、サンダーバード国際経営大学院でMBAを取得。

現在、オーダーメイド型企業研修を展開するエマメイコーポレーション代表取締役だそうです。

特に仕事のできる先輩,社外の経営者から様々なアドバイスを貰い、自己実現を果たしたそうです。

インタビューは1万人を超えたそうで、「40代を後悔しない50のリスト」、「できる40代は、これしかやらない」など20数冊の著書があるそうです。

大塚さんによると「50代はもっとわがままになれ」が本書で最も伝えたいメッセージだそうです。

一方で、自分のやってきたことの総決算をする年代もこの50代。

「働いてきた証を残したい」

「いかに会社人生を終わらせるか」

は、その後の人生にも大きな影響を与えるのだそうです。

目次

第1章 「定年」と真正面から向き合い、準備する

第2章 後悔しない定年後のための「いい会社人生の終わらせ方」

第3章 50代で必ず手放すべき六つのこと

第4章 転職・再就職・・・定年後のキャリアで後悔しないために

第5章 すべての「人間関係」を50台で再構築せよ

第6章 50代で「一生勉強する自分」を手に入れよう

①「仕事に打ち込む」では悩みは消えない。

50台になると誰もがみんな「焦り」に似た感情を持つ。

その焦りの根っこには、もうビジネス人生も最終盤だというのに

「何も成し遂げていないのではないか」

「もっとやるべきことがあったのではないか」

という感情があり、「自分の会社員人生はなんだったんだろう」と考える時間が出来ることで、焦りとなる。

ところが、今以上に目の前の仕事に注力すれば、この焦りから逃れられるかというと、仕事には基本終わりがなく、

売上100億円を達成したら、次は200億円を目指す。

など多くの経営者がなかなか後進に道を譲れない。

それは、「まだ、何かをやり遂げる時間がある」からに他ならない。

つまり、50代の「焦り」の正体は「迷い」なのだそうです。

実際、定年後再雇用で65歳まで今の会社にいることもできれば、早期退職に手を上げて別の会社に映ることも可能。

定年後はすっぱり仕事を辞めて趣味に生きることもお金さえあれば可能ですし、起業して個人事務所を作り、80歳以上になっても働いている人もいます。

つまり焦りの正体が迷いであると分かった以上、自分は50代で「これしかやらない」と決めることが迷いが消え、焦りも消えるのだそうです。

②「自分のやってきたことをどう残すか」を意識する

「50台になったら意味のない仕事は断ってしまえ」

会社勤めが長いビジネスパーソンは「会社人間から脱却する」という意識を持つべきだと言います。

「会社第一」と忠誠を誓ったところで、会社はもうあなたを守ってくれない。

40代までは会社に尽くすことで出世の道も開けていたが、50台になれば、その芽もなくなる。

会社から命じられたことを疑いもなくこなそうとするのではなく、一歩引いた立場で「本当にこれはやるべきか」を考えてみる。

そして自分で取捨選択し、自分にとっても会社にとっても最善の道を探ることが大切だといいます。

では50台がやるべき「意味のある仕事」とは何か。

その一つであり、一番大切な仕事。

それが「自分がやってきたことを形に残す」ということだそうです。

自分の考えを後世に残したいというニーズはあらゆる分野で高まっている。

その中でも、自慢話よりも「トラブル対策」の方がウケるそうです。

例えば営業なら「顧客トラブル回避マニュアル」。

製造なら「ライン停止の前兆マニュアル」など。

自分のやってきたことをマニュアル化する際に、自慢話中心のマニュアルにしてしまうと、後輩たちも辟易してしまいますが、トラブル防止マニュアルなら喜んで活用してくれるはずだそうです。

③定年後にやってくる「青春」。そのコンセプトを決める。

多くの選択肢があり、その気になればやりたいことがやりたいようにできる定年後は、まさに青春そのもの。

一方で、自分が「どんな定年後を送りたいか」を描いておく必要があるそうです。

ただ、漠然と考えると、「あれもやりたい、これもやりたい」と考えがなかなかまとまらない。

そこでお勧めしたいのが、「コンセプト作り」だそうです。

自分の定年後のコンセプトを、短い言葉でキャッチコピー的に表現することだそうです。

例えば、こんな感じのようです。

・人の喜びのために生きる。

・「仕事」「趣味」「ボランテイア」の三位一体

・4勤3休(4勤2休1ゴルフ)

・生涯現役

・責任から開放されて、のんびり働く

・体力が残されているうちに遊び切る

・孫育て中心

著者の回りには、会社員時代よりも今の方が楽しいという人も大勢いるそうで、コンセプトはともかくとして「どんな定年後を目指しているか」が非常に明確だと感じているそうです。

まずは、定年後にうちてワクワクする自分を描いてみる。

お金や健康のことはその後考えればいいというのが、著者の考えだそうです。

上記に基づいて私のコンセプトを考えてみました。

・日本と海外を結び付け、お金儲けの種となる株式情報を提供し、日本人が海外をより理解する一助を作る。

また海外の人に日本の株式投資情報を提供し、海外の人がお金儲けの種となる情報を提供する。

これから、もう少し探ってみようと思います。

④50代以降を「4段階」に分けて考える

著者の考え方として、30年ひとくくりでは、大雑把すぎるため、4段階にプランを分けてはどうかと提案しています。

➀50~59歳:準備期間、

②60~64歳:試行・微修正期間、

③65~74歳:本当の自分の為の人生(リアルライフ前期)、

④75歳~:本当の自分の為の人生(リアルライフ後期)、

多くの方の後悔NO.1は「定年後の人生設計を定年前にしておけばよかった!」というものだそうです。

準備期間は、実際に行動を起こす前の検討段階も含め、長ければ長いほど良いそうで、50歳になった直後、つまり約10年をあてれば、十分な準備が出来るそうです。

更に定年直後から5年程度は最初から「試行錯誤」する期間と割り切って、微調整を繰り返す時期にするのが得策だそうです。

65歳以降、仕事の責任やストレスから開放され、子どもも独立し、住宅ローンも終了して、本当の意味での「自由」な生き方ができる次期。

つまり自分が自分の為に生きることを許されるゴールデンタイムと著者は位置づけています。

⑤「自分はそもそも何者か」を徹底的に分析する

若い頃は誰だって、「あれもしたい」「これもしたい」という夢や希望があったはず。

しかし、やりたくない仕事をずっとやらされていることの方が多かった人もいる中で、「自分が一体何をしたかったんだろう」という問いに答えられなくなってしまう人が非常に多いのが現状だそうです。

この心の奥底にある思いを思い出しやすくするために、14の質問があるそうです。

➀本当は何がやりたくて、この会社に入りましたか。

②あなたの「強み」は?

③「強み」の背景のある、何かのエピソード(物語)は?

④「強み」ほどではないが「できること」は?

⑤あなたの「弱み」は?

⑥あなたの仕事上での「失敗」「挫折」の体験は?

⑦最もやる気に満ちて仕事をしていたときは?

⑧最も仕事に対するやる気を失っていたときは?

⑨この会社(組織)に足跡として、何を残したいか?

⑩どんな「自分になりたい(Become目標)」ですか?

⑪どんな「自分でありたい(Being目標)」ですか?

⑫あなたが今後、ずっと付き合っていきたい人は?(何人でも)

⑬「自分の寿命があと1年」と告知されたら、何をしたいか?

⑭➀から⑬まで回答する中での気づき

これらの質問の答えを紙に書き出し、手元に置いておき、しばし見返す。

そして年毎に新たに書き直してみることで、自分の思いがどのように推移していったかが分かる。

これらの自己分析のアウトプットが、自分自身がどういった人間なのか、どこから来て、どこに向かうのかを考えるうえでの指針となるそうです。

⑥自分の仕事を「総仕上げ」して、次の人生への扉を開く

人は何かをやり切った充実感があればこそ、次に進めるのかもしれない。

その一つに

「現地の知恵の継承」、

マニュアルの存在していないような分野では、ここに大きなニーズがあること。

もう一つは仕事そのもので足跡を残すということだそうです。

何を自分の集大成にするかは、前述の「14の質問」も役立つそうで、会社に貢献し、かつ自分の人生にも大いに意味を持つ「集大成」とはどんなことか、考えてみると良いそうです。

⑦会社にいるうちに「人脈の総点検」をしておく

定年後の転職を成功させたり、個人事業主として生き生きと働いている成功者たちに「定年後のために、50台のうちに大事にしておくことは何か」を質問すると、決まって同じ答えが返ってくるそうです。

それが、「自分の人脈をもう一度耕しておくこと」だそうです。

中には20代のころに深く付き合って以来、20年以上も直接会っていないような人もいるかもしれない。

でもこういった若いころに繋がりがあった人とは、久しぶりに会うとすぐに当時の関係が復活するものだそうです。

まずはこれまで会ってきた人をすべて思い出してみる時間を作ってみる。

そして今後も付き合っていきたいと思う人をリスト化しておくそうです。

そのうえで、「この人とは関係をぜひつないでおきたい」という人には、連絡を取って会いに行くことをお勧めなんだそうです。

その後は緩い関係をつないでおく。

例えば、フェイスブックで繋がっておく。

区切りのいいときに近況をまとめたはがきやメールを送る。

ある広告代理店に勤める人は、自分の名前を冠した〇〇通信という自分の近況や業界分析をまとめた資料を一年に一度送っているそうです。

内容はとても面白く、かつそこからビジネスが展開することもあるそうです。

自分にとって一番自然なスタイルで、ぜひ「繋がり続ける」方法を考えてみるとよいそうです。

⑧60歳までに「五つ以上の居場所」を持っておく

離れてみて初めて、会社というコミュニテイに所属していることの重要性を気づく。

「予定があることがいかに幸せか」「居場所がある」ことの重要性を気づいた。

こんな話をよく聞くそうです。

そう考えると、定年後に急にコミュニテイ探しをするより、50台のうちに別のコミュニテイに属しておく必要があるそうです。

更にそれぞれのコミュニテイで違ったキャラクターを演じることが重要だそうです。

ちなみに、会社以外のコミュニテイとしては、地域のコミュニテイ、ボランテイア関連、スポーツ関連、趣味の仲間、習い事、学生時代からの友人、前職の同僚や友人などを例に挙げています。

⑨結局、「面白い事」をやっている人の周りに人が集まる

お金があるわけでもなければ、地位が高いわけでもない。

にもかかわらず「なぜか常に周りに人が集まっている人」がいる。

そういう人を観察していると、ある共通点が見えてくる。

「自分が面白いと思うことを、面白がってやっている人」なんだそうです。

人と人とのつながりには、仕事の役に立ってくれそうだから、新しい情報を常におしえてくれそうだからなどもあります。

しかし、結局一番強固な関係は面白いことでつながった人々ではないかと著者は考えるそうです。

「ちょっとバカげているかもしれないけれど面白そうなこと」を思い切り発信してみる事が大事だそうです。

⑩50台からは「これだけ」学んでおこう

自分を若く保つためにも、「勉強する習慣」をぜひ50台のうちにつけておいてほしいと著者は言います。

学びたいことを学べばいいのですが、かつて一度学んだことの学び直しを意識すると、上達スピードが格段に速くなるそうです。

更に何はともあれ、アウトプットを意識する。

「頭の中のものを外に出す」ことで、自分の頭に空きができる感覚になる。

更に記録を摂ることは自身に「気づき」というフィードバックを与え、無意識に「今日は昨日と同じにならないよう」新しい行動を促す。

誰が読もうが読むまいが、「アウトプットすることそのもの」に意味があるのだそうです。

⑪自分の所感

今の会社には、何も不満もない。

周囲の上司、同僚ともうまくやっており、成果もある程度は出している。

しかし、人生の後半を迎えるに辺り、このまま定年、その後も同じ働きをすることが幸せなのか?

ふとそんな感想を持つ中で、手に取ったのがこの本でした。

読んだ感想は、やっぱりリクルート出身の著者。

前向きに人生を切り開いていくイメージがつきました。まずは準備からかなと思いました。