本日は、2026年9月12日に柳下由紀さんに以下の講義で紹介いただいたセイコーを取り上げます。
皆が知っている企業ではあるものの、この数年間で劇的に業績が向上しているセイコー。
昔から国産ブランド時計で有名でしたが、グランドセイコーを中心に、2017年度から経営改革を始め、北米市場を中心に売上、そして利益率を大幅に伸ばしています。

柳下さんの講義では、ヨーロッパにおける時計産業の歴史。
その中で、エボーシュ、脱進機、ヒゲゼンマイ、歯車等の部品製造会社による現在の半導体のような水平分業方式をとり、アッセンブリー、完成品として売るブランドメーカーが確立し、小ロットのラグジュエリーな時計の生産を長い歴史の中で蓄積していったこと。
一方で、セイコーは1872年に日本が改暦し、不定時法から定時法、太陰暦から太陽暦に変更となったことで、時間通りに仕事をするようになり、時計に従って暮らすことになったこと。
その結果、時計を一定以上の水準の規格で安く大量生産をする国策に合わせ、セイコーは約30年ほど掛けて従来水平分業型の産業であった時計製造に関して、1913年に垂直生産型で日本初生産時計を発売したそうです。
また、1969年にはクオーツ時計を小型化し、世界初の量産型腕時計クオーツアストロンを出したりもしているそうです。
更に、1960年代にスイス公認検定協会が与える基準クロノメーターよりも厳しい基準を持つグランドセイコーを誕生させたそうです。
クオーツアストロンの誕生は、スイスの水平分業制度に変革を促し、1988年にSwatchグループの誕生。
安価でファッショナブルなクオーツ時計を誕生させるとともに、プレステージ&ラグジュエリー,ハイレンジ、ミドルレンジ、ベーシックといったポートフォリオ経営を取り、見事に復活したそうです。
そんな中で、2017年から始まったグランドセイコーの改革に柳下さんは着目したそうです。
2018年に海外組織を大幅に刷新し、現地法人の権限を強化し、本社抜きで迅速な経営判断ができるよう経営改革を行ったこと。
そして量産ブランドのイメージから感性価値を最優先するデザイン経営、その基盤となる製造工程を長野県と岩手県にて投資し、最高級機を一貫生産する体制を整備したそうです。
価格帯としては、オメガなどと競合するミドルラグジュエリーに位置するものの、文字盤の芸術性、仕上げのクオリテイ―ではロレックス以上の高級ブランドに迫るポジションをとったこと。
そして独自の先進性を確保するデユアルインパルス脱進機を採用することで、高効率エネルギー伝導、高振動で長時間駆動の両立を達成したそうです。
また、ロレックスと同等以上の仕上げの時計を正規店で適正価格で並ばずに購入できるという点が米国において人気を博し、ブランド独立後グランドセイコーの海外売上は5倍以上となったそうです。
特に工房の場所にちなんだ白樺や雪白、阿寺川ブル―、雪月夜、霜降など、日本の自然や美意識を伝えるマーケテイングを徹底しているそうです。
更に2022年にはKODOという機械式複雑腕時計を4400万円で発売。
ジュネーブ時計グランプリでクロノメトリー賞を受賞するなど快進撃が続いています。
2022年度の2026年までの中期計画では、エモーショナルバリューソリューションドメインとして、グローバルブランド商品の売上高を85%以上、2026年度の数値目標営業利益150億円とありますが、既に計画が過達成の状況です。
seiko.co.jp/ir/management/plan/images/plan.pdf

更に、グランドセイコーのブテイック、製品販売、そしてアフターサービス体制を充実させていくとあります。

2027年3月期も引き続き、売上利益ともに続伸する計画となっており、今後も事業は順調そうです。

株価は、この1年で2.6倍と大幅に伸長しているようですが、世界のラグジュエリーブランドとしてのセイコーの魅力、更に広がりそうです。
詳しくは、柳下さんがYoutubeを上げるそうなので、そちらもご覧ください。
(私はもうお金がないので、来年度の投資検討企業です)

