先週までインドを旅していました。
昨年9月の訪問時にインドの経済発展に目が向き、その後も気になっていた次第です。
インド訪問(2023年9月18日~27日)-インドが来る! | すがわら あつし (ironman1977.com)
日本からインドへのアプローチ!-この10~20年が勝負! | すがわら あつし (ironman1977.com)
今回は、西はムンバイから東はコルカタまで。デリーやチャンデイガールなども訪問し、インドの幅広さを感じたものです。
このブログでは、交通網の拡充について、少し触れてみたいと思います。
①車台数の増加と自動車メーカーのシェア
インドは国民の所得水準が上がるにつれ、車の販売台数が飛躍的に増えています。
それでも、人口が多い中国やアメリカに比べると、まだその比には至りません。
インド乗用車・二輪車市場の展望(1)2023年度以降の状況 | 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ (jetro.go.jp)
また、保有台数の面から見ても、インドは2021年現在で74百万台とまだまだ伸びることが分かります。
インドのもう一つの特徴は、外資規制をある程度撤廃しているところで、長年事業を継続してきたマルチスズキ、そして韓国の現代自動車が1位/2位を占めています。
なお、建設関連は、殆どがインド企業が占めており、インド人の嗜好に合った競争力のある商品を出せる会社のみが生き残っていけることになります。
②インド政府のインフラ施策
インド政府は、2014年のモデイ政権になってから、更にインフラ網の拡充に努め、各都市間に高速道路、鉄道網の整備を図っています。
インドのNational Highwayは以下のような整備状況です。面白いのは、主要幹線は、2車線から4車線へ。場所によっては、6車線にしているところもあります。中国と領地を争っている国境沿いへのアクセスが、以前は中国の方が圧倒的に早かったのに対して、今はインドからも道路網の整備により変わらなくなったとのインド人の発言もありました。
Press Release: Press Information Bureau (pib.gov.in)
インド国鉄の総延長距離は、総延長132,310㎞。昔から鉄道が発達しており、鉄道網も発達しています。
更に、以下のとおり、新しく建設されている距離が示されています。
2023年5,200㎞新設 → 2024年5,500㎞予定
2014年1日当たり新設4㎞ → 2024年15㎞
また、高速鉄道もインド各都市を結ぶネットワークが計画されており、日本の新幹線方式が採用されています。
更に、貨物鉄道プロジェクトも進行中です。
更にデリーメトロをはじめとして、ムンバイ、チェンナイ、バンガロール、コルカタ、チェンナイなど日本の円借款を活用しながら、各地でメトロの建設が行われています。
インド各地でメトロ路線網急拡大 | 公益社団法人 日本経済研究センター
③インドを見ると、日本の1960-70年代が想像できる
道路網も鉄道網も、兎に角全国ネットワークの整備中。
間違いなくインドの今は、日本の高度成長期であった1960-1970年代に当たる時期なのでしょう。
一方、労働単価は日本の十分の一。
今のインド企業の売上高は、日本企業の十分の一のサイズと見て良いのではないかと感じます。
また、兎に角人が沢山おり、ホテルなどのクリーニングは半日で完了。
テーブルサービスに従事する人も沢山おり、行ってみると人手不足の日本との違いをまざまざと感じると思います。
一方で、今日本人の立場からインド人の立場に変わりたいか?という視点では、競争は激しく、給料は安い。
このインフラが既に整った日本の立場は、なかなか居心地が良い気がします。
④インドの各都市を訪問してみては?
インド各都市もそれぞれ異なる部分も多く、北部のパンジャブ州/ハリヤナ州の州都 チャンデイガールは、フランス人建築家ルコルビジュが都市のマスタープランを設計しています。
訪問してみると、計画的に都市に木々が植林され、高架橋はなく、高層ビルも作れない規制をしているため、他のインドの都市とは比較にならないぐらい景観は整っています。
勿論商業都市で、これから大開発が進むムンバイ、首都ニューデリー及びグルガオン等その周辺、昔の首都コルカタ、IT都市バンガロールなどそれぞれ特色がある都市です。
物価もまだそれほど上がっていません。
香辛料を使った料理を食べ続けるという意味では、少し日本人として飽きが来るかもしれませんが、今のインドは過去の日本を想像しながら、訪問しても面白いのではないかと感じました。