法人営業として、成果を上げていくには何が必要なのか。
社内には開発部門や生産部門がいるエンジニア、更に部門長や経理、法務、人事などの間接部門があります。また、商品によっては、顧客にも大企業もあれば、中小企業などもありますし、競合他社、サプライヤー等様々な関係者がいます。
では、その中で、営業は何をするべきなのか。どういった役割があるのか。
前回のコラムで、法人営業は会社の司令塔になるべきという話をしました。
https://ironman1977.com/wp-admin/post.php?post=24&action=edit
しかし、司令塔云々の前に、
①顧客に対して会社の顔となるぐらい信頼感を得ること
②社内で信頼を獲得し、組織を動かす力を得ること
どちらも必要です。
今日は、そのような存在になるために、まず法人営業として最初に必要な技術からお伝えします。
①法人営業の役割とは何か
法人営業の一義的な役割は、市場に向けて会社の商品を広く認知してもらい、顧客に向けて商品をPRし、受注することだと考えられています。
勿論、「受注」という結果を出すことが最大の目的であることは間違いありません。
一方、顧客は、自身の事業に影響を及ぼす具体的な価値を見出さないと、わざわざお金を払って商品など購入しません。
つまり、その受注に向けて行う営業活動の中で、「法人営業」は
①市場や顧客ニーズを把握し、社内に展開
②技術部門と連携しながら、商品をカスタマイズ
③顧客の成果に繋がるように課題を成果しながら、最終的に自社商品を納入する
といった顧客の経営課題の改善や発展に向けて直接対話しながら、その意思決定に関与していく立場です。
②私が体験した鉄鋼プラント顧客の発想
私が販売していた鉄鋼プラントは、「1つの生産ライン若しくは設備を納入するか否か」という顧客にとっても会社の将来に結び付く大変重要な意思決定をするものになります。
となると、例えばその国における鉄鋼市場、顧客群、需要動向、競合他社がどのように変化していくのか、更に他国で起こっている先行事象、輸出入市場、政府の産業政策など設備を導入する前の調査対象は多岐に渡ります。
その顧客の考える課題を一つ一つ潰していく過程に参画することが、結果として数十億円から数百億円の設備を受注することに結果的につながります。
③法人営業は事実を把握し、顧客ニーズを会社に取り込む
社内の他の部門(開発、生産、間接部門)が自社の活動に熱心になるのに対して、営業は顧客や顧客を取り巻く市場環境動向を日々把握し、社内に対してその事実を発信していくことが、最初の役割になります。
つまり「売る」前に「知る」。自社の製品を売ることを考える前に、顧客が求めているもの、提供したら喜ぶものは何か「現実を直視し、事実を理解する」ことから始める必要があります。
そして、その事実を社内で共有し、顧客に対してフィードバックしていく。その一連のやり取りを繰り返すことで、徐々に「売る」ための基盤を作っていくことになるのです。
④纏め
法人営業の役割は、結果として「受注」することが最大の役割だと考えられています。
しかし、その営業活動には、「売る」ことばかり考えていては、なかなか結果には結び付きません。
「会社の最前線に立ち、顧客ニーズ等を把握し、社内に共有し、その内容を踏まえて顧客にフィードバックする。」がまず最初にあります。 この「現実を直視し、事実を理解する」ために、日々行う情報収集活動が営業活動のはじめの一歩となります。