有望案件は常に変わっていく-複数件/複数国に跨って追いかけることが、結果受注に繋がる!

自分の業績を振り返った際、または他の営業の方の営業手法を横目に見ていて気付くことは、成功に必要な打席に立っているのか、万が一追いかけている案件が実現しなかったとしても、他のバックアップ案件を持っているか否かです。

自分が複数件候補を持っているだけで、顧客との交渉、社内での影響力が圧倒的に変わってくることを過去実感していました。

本日は複数の候補案件や顧客を追いかけることの重要性、またその為の顧客や関係者との接点となる海外出張について説明していきます。

複数顧客/案件/国を追いかけることの大切さ

営業マンにとって、案件成案化までの道のりは、長いものです。

顧客が対峙する市場環境が現状どうなっていて、今後どういった未来が予測されるのか。

その市場の中での顧客のポジション、進めたい経営の方向性、その実行力があるか/ないかの見極めなども大切です。

更に顧客が設備投資をすると決定した場合でも、他社と比べて自社を選ぶのか

その選考基準は何か

などなど、確率論で計算していくと、自社が受注できる確率は決して高くはありません。

では、上のハンデを乗り越える一番の手法は何か。

それは、常に複数顧客との対話、複数プロジェクトの協議に参加し、商談の機会を増やすことを継続的に狙っていくことです。

私の場合は、最初タイ/インドネシア市場の自社Gr企業向けの設備投資の営業担当でした。

日系の自動車メーカー向けの鉄鋼設備投資や既に成熟した建材薄板市場に対する最新技術/商品の導入が行われていたからです。

一方、日本企業の投資とは別に、市場の拡大により、積極的な設備投資がされていたのは、ベトナム市場でした。

そこで、営業を始めた当初は、自社Grの設備投資案件を成案化するための営業担当だったものが、受注の機会を増やそうと、その地域/顧客担当となり、複数国の担当、更に日系企業だけでなく、現地企業、現地市場も見ることになります

そうなると、追いかける顧客や案件数が複数件にまたがるため、受注の機会が大幅に増え、継続的な事業の安定化に繋がります

顧客との計画的/継続的な接点の確保

以前のブログで、市場を理解するためには、公知情報の収集を継続的にすることの重要性をお伝えしました。公知情報の具体的な情報収集手法とは (ironman1977.com)

しかし、その市場動向や顧客の経営状況、設備投資の機運を確認するためには、現地を訪問して直接顧客や関係者から話を聞くことが、正確且つタイムリーな情報収集に繋がります

そこで大切なことは、出張時に、今は具体的な設備投資案件が見えていなくても、継続的に顧客や関係者と対話し情報を収集することで、市場や顧客動向の予測につなげることができるようになってくるということです。

以前、ベトナム市場動向をヒアリングする中で、インドネシア市場の将来を予測し、いち早く有望な顧客へアプローチしたことで、結果としてインドネシアの薄板建材メッキ鋼板設備市場を一定期間独占した話をしました。

インドネシア市場で独占した優良顧客の見つけ方-海外法人営業編 – アイアンマンブログ (ironman1977.com)

そこで大切なのは、出張時に一つの商談、顧客との対話を目的とするのではなく、複数顧客、地域、場合によっては国も複数国回ることで、機会を増やしていくことなのです。

その際、公知情報などで得られた新たな顧客候補への訪問、複数回商談を続けた関係者から、新しい顧客を紹介してもらえるなど、自身の人脈が広がっていきます

その為にも、出張の期間をしっかりと取り、様々な顧客、関係者と面談する。一つの顧客においても、経営者のみならず、工場長、営業担当など複数の社内関係者と対話をすることで、より顧客の実態がつかめてきます

纏め

受注という結果を出したいのであれば、複数顧客/複数案件、場合によっては複数国をまたがり、継続的に商談の機会を作っていく必要があります

顧客の設備投資機運も、市場環境や経営状況によって変わり、更にサプライヤーの選択肢も複数に跨ることになるため、単一の案件のみを追いかけるのは確率面で見ても危険です。

その為には、一つの商談があり、現地を訪問する際に、複数の顧客/関係者、地域、更には国を跨いだ出張を継続して行うことで、新たな商談機会や顧客開拓に繋がります

如何だったでしょうか。

多分、他の業界でも営業で結果を出している人にとっては、当たり前の話に聞こえると思います

しかし、その当たり前のことが、未だできない人が多いというのが、私の印象です。

営業力が強化されることで、日本の企業が少しでも売上を伸ばすきっかけになればと思います。