Applied Material(AMAT)とAMAZON(グローバルNo.1株に投資をするのは面白い)

先日は、柳下裕紀さんの人生と投資の会第197回が開催され、そこで紹介されたのが、Applied Materials(AMAT)とAMAZONでした。https://ameblo.jp/yukiyagi7/entry-12877826773.html

私は、一投資家として、柳下さんが投資している株式会社の話を伺い、その企業に投資をし、利益を享受するのが目的ですが、私のブログを読む方に対しても、魅力的な会社に関する情報を提供をしたいとも思っています。

特に柳下さんが推奨するフランチャイズバリュー(競争優位性)を築いた企業は、企業価値が無限大に大きくなっていく。

長期間の目線でそういう会社に投資をすると、その企業の長期に渡る成長を株主として受け取ることが出来るという考えに共感しています。

本日は、半導体製造装置では、シェアNo.1の装置が多いApplied Materials社(AMAT)、そして皆さんもよくご存じの小売り+クラウド事業のAMAZON社を取り上げます。

1.Applied Materials社(AMAT)

AMATは、半導体製造装置でシェアNo.1の装置を沢山持つ米国の企業です。

尚、半導体製造装置市場の特徴として、各工程ごとに強いメーカーが異なること。

そしてその寡占化が進んでいます。

そのうち、半導体前工程では、①シリコンウェハ製造、②洗浄、③成膜(③-1CVD、③-2スパッタ、LPE)、④レジスト塗布、⑤フォトマスクを通じた遠紫外線照射(露光装置)、⑥現像工程(⑥-1エッチング、⑥-2CMP、⑥-3イオン注入、⑥-4熱処理)とあります。

Applied Materialsは成膜工程における

③-1CVD装置におけるシェアNo.1(35.8%)、

③-2スパッタリング装置シェアNo.1(86.7%)

現像工程における

⑥-1エッチング装置シェアNo.3(23.5%)、

⑥-2CMP装置シェアNO.1(52.6%)、

⑥-3イオン注入装置シェアNo.2(34.7%)、

⑥-4熱処理装置シェアNO.1(40.7%)、

が強い企業だそうです。

また、私が柳下さんの講義でApplied Materials社が流石製造装置企業No.1だと一番印象づけられたのが、PPACt※1という概念です。

※1半導体の消費電力、性能、面積、コスト、市場投入までの期間(PPACt: power, performance,  area, cost and time to market)https://www.appliedmaterials.com/jp/ja/stories/ppact-enablement-company.html

Applied Materialsが製造装置メーカーの立場から、半導体の進化に向けた目標を持ち、電力、性能、エリアコストを改善するためのマテリアルエンジニアリング、デジタルを活用した効率化に関する提言をし、顧客に対するサービス事業を強化しています。

このような半導体製造プロセスの大きな視点で、顧客のビジネス進化に影響を及ぼす一企業としてはApplied Materials社が強いのではないかと感じました。

2024年度の決算は売上27,176MUSD、Net Income7,177MUSD。

そのうち、PPACTも絡むApplied Global Serviceは6,225MUSD,Operating Incomeで1,812MUSDと順調にビジネスを拡大しています。

勿論レーザーテックやローツエ、デイスコや東京エレクトロンなど、ニッチトップ装置を持つ日本企業も大変強みはあると思います。

露光装置メーカーには、ASML。

計測装置メーカーには、KLAも居ます。

しかし、幾つかの装置でNo.1シェアを持ちつつ、半導体プロセス全体の改良を意識しながら、半導体メーカー、更にGAFAMなどにサービスを提供していくAppiied Material社は、別格かなという印象を得ました。

2.AMAZON

続いてAMAZONです。

AMAZONは、これだけ我々日本人の生活にも入り込んでいて、使わない人の方が少ないぐらい、身近なものになりました。

以前元マイクロソフト社長の成毛 眞さんが書いた「AMAZON 世界最先端の戦略がわかる」https://amzn.to/3ZXB41tを読んだ時も、

岡田斗司夫さんのYoutubehttps://www.youtube.com/watch?v=UwQvM6vjipA&pp=ygUW5bKh55Sw5paX5Y-45aSrIGFtYXpvbg%3D%3D

を見たときも、AMAZONが極めて優秀な企業であることは理解していました。

しかし、既に企業としてもてはやされて10年超。あまりにも大きな企業になった後で、これ以上の成長はあまり見込めないのではないか。

そして自分自身が株主になるという発想は持ち合わせていませんでした。

しかし、柳下さんの講義で既にフランチャイズバリューを強固に築いており、企業価値も伸び続けている論拠を伺ったときに、自らも払っている年間7,200円のAmazon Primeの会員価格を取り戻すには、株主になるのがベストといった結論に立ちました。

(ちなみにCOSTCOについては、昨年度から私自身株主になって自ら払う会費を回収するという戦略を取っています。)

まず、AMAZONは、Cash Conversion Cycle(棚卸資産回転日数+売上債権回転日数-買入債務回転日数)が-であること。

これは、顧客からの回収は販売後直ぐに終わり、仕入れ先への支払いが数週間後となることから、常に営業キャッシュフローが黒字です。

この仕入れ企業にも顧客にも極めて便利で、かつAMAZONがキャッシュフローを最大化する仕組み作りのために、AMAZONは長い間会計上の利益を出すことに頓着せず、兎に角IT、倉庫、物流への多額の投資を行ってきました。

この会計上赤字でも気にせず、キャッシュフロー経営を意識して事業を行ってきたことが、今となっては、巨大な参入障壁になっているんだそうです。

また、2000年代前半から巨額の投資を行ったAmazon WEB Service、つまりクラウド事業の影響が大きいそうです。

兎に角圧倒的な先行投資、そしてクラウドサービスの価格帯も安く、今ではCIA、ネットフリックス、日本の三菱UFJ銀行、Nvidia、Sales Forceなども顧客に加わり、シェアNo.1なんだそうです。

https://www.statista.com/chart/18819/worldwide-market-share-of-leading-cloud-infrastructure-service-providers/

また、AMAZONの戦略は、兎に角事業領域を小売り全体に手を広げ、新規参入し、失敗だと分かったら直ぐに撤退する。

うまくいけば、一気に資金を投入し、市場を取りに行く。

この事業の拡大と撤退が秀逸なんだそうです。

また既存事業については、引き続き着々とサービスを向上。

具体的には、配送の強化をし、100か所以上のフルフィルメントセンター拡充を行うことで、2023年度は、一晩で配送した商品が前年度比65%増加。

また、Amazon Payでの決済手段を拡充、生成AIのトレーニングや推論に特化した投資と絞り込むなど、小売り+AWS事業を軸に、既存、新規事業を引き続き拡大させている状況なんだそうです。

③何故、Applied Materials(AMAT)とAmazonを紹介したいと思ったのか。

日本に住んでいると、私自身、どうしても異業種かつ、海外企業の情報を積極的に取ろうとしません。

特に投資とまでなってくると、その企業の未来の成長性を確認していく必要があり、簡単に手を出せるものではない気がしてきます。

しかし、柳下さんの両社の事業を分析、披露いただき、解析度が高くなると、AMATは半導体製造装置のグローバルNO.1企業として、半導体事業の拡大を享受する企業であること。

そしてAmazonは、小売りとクラウド事業で圧倒的なシェアを確保し、更に投資を拡大し、伸び続けることが予測できます。

AMAZONについては、長年に渡る投資活動による収益構造が強化され、ますます企業価値が加速するような感触を得ました。

是非このブログを皮切りに、両社の投資の可能性を検討する日本人投資家が一人でも増えればいいなと思い、紹介させていただきました。