本日は、Keeper技研について取り上げます。
例によって柳下由紀さんが講義及び「真のバリュー投資の為の智慧と実践」にて、この会社についても、詳しい解説がありますので、実際に投資を検討される方は、この本を読むのも良いと思います。
Keeper技研が携わっている事業は、主に自動車車体のコーテイングに関する事業となり、
①ドイツのSONAX社と共同開発したコーテイング材の製品販売
及び
②カーコーテイング施工技術の提供を通じたカーコーテイングサービス
を自社及びガソリンスタンド/カーデイーラー等と連携し、現在は主に日本全国で展開しています。
まず、最初に柳下さんの講義を受けた時に、私が驚いたのは、利益率の高さでした。
以下は、2024年度決算の決算説明会資料ですが、売上高231億円に対して、営業利益が71億円、利益率30%超もあります。
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また、日本国内が売上の主軸であるにもかかわらず、この4年間を見ても、毎年売上高は10-20%の割合で伸びていること。
そして営業利益はそれ以上に伸びています。
まず、カーコーテイングの技術的な側面に関する解説を柳下さんの本から拝借すると、現在主流の技術はガラス飛膜で覆うガラスコーテイングというものだそうです。
(先ほどの書籍P92-93参照)
このポリシラザン系ガラスコーテイングの場合、ガラス飛膜は車の表面に比べて固く、柔軟性にかけ、熱膨張率の差についていけない。
つまり塗装を厚く塗ると割れたりはがれたりするため、20㎜程度と非常に薄く塗る必要があり、ガラス飛膜を塗っただけでは、つやを出すことは出来ないんだそうです。
更にコーテイングが薄いため、施工前に塗装面を研磨し、表面を平らにしてからコーテイングする作業が必要となるそうです。
従い、カーコーテイングサービスは従来技術で対応すると、品質を保つことの難しさ、施工ノウハウが必要なこと、更に、施工期間がネックだったそうです。
一方で、キーパーコーテイングは、低分子状態のアルコキシオリゴマーという材料を活用し、二酸化ケイ素の分子結合の連続がナノレベルで制限的にコントロールされているため、柔軟で強靭な構造を持ち、温度の変化による塗装の伸縮や凹凸にも食いつくため、塗装がはがれるなどの不具合が起こらない特性を持っているそうです。
更に、厚塗りも可能なため、事前に塗装面を研磨する必要もなく、その厚塗りのガラス飛膜の上にレジン被膜を塗ることで、他社コーテイングにはない、深みのあるつやを生み出しているそうです。
(更にガラスコーテイングで起こる水シミ問題も、このレジン被膜を塗る2層構造により解決するそうです。)
加えて、競合他社のケミカルに比べて価格は2分の1以下、リードタイムも他社が数週間掛かるところが3時間前後と、商品に圧倒的な競争力があるそうです。
また、この会社の協業の仕組みが卓越している点も上げられます。
以下は、ガソリンスタンド数とプロショップ数の推移となりますが、Keeper技研はガソリンスタンドと連携し、全国にプロショップを開設しています。このプロショップの開設には、Keeper技研のトレーニングセンターにてカーコーテイングの知識および施工技術の習得を目的に、研修を受けた認定資格者となるコーテイング技術1級資格をとったスタッフが在籍・常駐することが最低条件となっています。
この基本講義は無料。
キーパープロショップでは、Keeper製品を販売する形を取り、ガソリンスタンド従業員が施工し、サービス対価を受け取る形となっています。
昨今人口減少や、EVやHV車が増え、ガソリンスタンドの需要が減退する中、ENEOS、出光興産、コスモ石油などの石油元売り企業はガソリンスタンドに付加価値を付けようとキーパー技研のカーコーテイングサービスを取り入れています。
その結果、プロショップ数が全国で2024年度末で6,661店にまで増えています。

また、昨今の車の使用期間が、従来に比べて頻繁に乗り変え、新車を乗ることがステータスだったものが、いまでは年数が経った車でも
それを大切に乗り続けることがライフスタイルの表現となり、「キレイに長く乗る」スタイルに代わっていること。
このことから、新車販売を取り扱うデイ―ラーが、キーパー技研のコーテイング技術を活用するようになり、自動車メーカー4社で順次採用が決まり、傘下でのデイーラーにて施工売上が急増しているようです。

このことで、この数年、新車販売のマーケットが大きく広がっているそうです。

また、キーパー技研そのものも、キーパ-LABOとコーテイングと洗車の専門店として、施工店を持っています。
ここで全社員がコーテイング施工技術を身に着け、新車への施工サービスにも対応することで、今でも業績が大幅に伸びる形となっているようです。



株価は、この数年間乱高下していますが、カーコーテイング分野で競争力の高い企業が全国のガソリンスタンドや新車メーカーと協業し、こんなに業績を上げているとは思っても居ませんでした。
宜しければ、柳下さんの本も読み、投資を検討されては如何かと思います。

