本日は、日本マクドナルド創業者 藤田 田さん著「ユダヤの商法」を紹介します。
藤田さんは、元々GHQで通訳を務めたあと、輸入業を手掛け、1971年には日本マクドナルド社を設立し、大成功を収めました。
2004年には逝去されているものの、ユダヤ商法の紹介として今でもこの本は売れています。
私自身も印僑、華僑ときて、ユダヤ人がどのような商売や考え方をしているのかを研究してみたくなり、この本を選びました。
目次
Part Ⅰこれがユダヤ商法だ
PartⅡ私自身のユダヤ商法
PartⅢユダヤ商法のバックボーン
PartⅣ銀座のユダヤ人語録
PartⅤ「円」を吸うユダヤ商法
PartⅥユダヤ商法とハンバーガー
①商売で狙うのは、「お金持ち」、「女」、「口」、「現金」
ユダヤ商法の法則として、「78対22の法則」があり、「金を貸したい人」と「金を借りたい人」の割合も同様だそうです。
また、お金持ちの数は少ないが、持っているかねは圧倒的に多い。
つまりお金持ちを相手にした「ちょっとしたぜいたく品」を商売するのが、秘訣だそうです。
そのために、数字に強くなることもユダヤ商法の基礎だそうで、例えば気温についても、ユダヤ人は数字に換算するそうです。
また、ユダヤ商法の商品は、[女]と[口]のふたつしかないそうで、男というものは働いて金を稼いでくるものであり、女は男が稼いできた金を使って生活を成り立たせるものであること。
商法とは他人の金を巻き上げることであるから、古今東西を問わず儲けようと思えば、女を攻撃し、女の持っているかねを奪えという発想だそうです。
例えばダイヤモンド、ドレス、指輪、ブローチ、ネックレス、高級ハンドバックなどはあふれるばかりの利潤をぶら下げているそうです。
また、女性用品は商品選択からセールスまで商材が必要だそうですが、口に入れるものを取り扱う商売は凡人以下の才能がない人でもできる商売だそうです。
口に入ったものは必ず消化され、排出されるため、必ずお金が入ってくるし、もうかる商売だそうです。
②勝負はタイミングで決まる
著者の経験では、朝鮮戦争時に日本で余っていた土嚢に目をつけ、タダ同然で買い付け、ある大使館に正当な値段で販売したそうです。
その1週間もしないうちに、内乱はおさまり結局土嚢が日本から積み出されることはなかったという事例を挙げ、商人にとっては、タイミングこそ命といえるとあります。
③絶対にまけない売り方、薄利多売はバカの商法
ユダヤ商人は、ある品物を高く売ることについて、いかに正当であるかを説明するそうです。
その視点で見ると、薄利多売をする安売り競争は死のレースであり、幼稚だと考えるそうです。
また、金持ちの間に流行させる商品は、高級舶来品が一番で、上流階級にあこがれる人が多い心理を利用し、第一級の金持ちに高級輸入アクセサリーを販売すれば、その次のクラスの人、さらに次のクラスの人という順番に売れていくそうです。
こういった形で希少価値の高いものを利幅をつけて売る事がすぐれた輸入商だそうです。
④私の所感
ユダヤ人の商売として1972年に紹介されたこの本のような考え方に対して、日本は車や家電、素材などを中心とした付加価値をつける加工貿易の考え方で、一時期は世界第2位の経済規模にまでなるほど、儲けてきた歴史もあるかと思います。
一方、その加工貿易の手法も韓国・中国を始めとする新興国に真似られ、多くの製造業に栄枯盛衰がありました。
今ヨーロッパで残っている商売に超高級品が多く、その背景にユダヤの商売の発想がありそうだと感じました。
その点でもう一度、個人や小さい商売に立ちかえって、商売、お金の儲け方を見つめてみるのも良いのではないかと思いました。
本の表現は、今の時代に合っていない部分もありますが、興味があればぜひお読みください。