本日は、柏原光太郎さん著作ダイヤモンド社出版「世界の富裕層は日本で何を食べているのか?」を紹介します。
最近,私自身が、所属する会社以外でも、海外の人と日本人をどのように結びつけ、日本をより発展させることができないかと考えています。
これまでの20年間は、日本のインフラ商品を海外に販売し、利益を上げる中で、海外の顧客と日本企業に在籍する日本人を繋げることに集中して対応してきました。
一方、近年海外から日本に来るアジア人を中心とした留学生がその後起業する街、新大久保のルポ
「ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く」を読んで-外国人留学生のチャレンジ | すがわら あつし、
そして、中国人移民を取り扱った潤日
「潤日」を読んで-「中国人の苦労が偲ばれる」 | すがわら あつし
などを通じて、日本に移住する外国人について取り上げました。
今回は、日本の地方の食に着目した「ガストロノミーツーリズム」という視点の本を取り上げます。
このガストロノミーツーリズムとは、地域特有の食文化を求めて旅をすることを指し、世界の富裕層の間で流行しているそうです。
「旅=地方の美味しいレストランへ行くこと。そのついでに観光名所を回る」
というふうに従来の旅の目的の主従が逆転し、「人とは違う体験」をするために、行きつくした大都市には目を向けず、独自の情報網を駆使して、日本人ですら知らない隠れた名店に足を運んでいるそうです。
また、著者の柏原光太郎さんは、地方の食の魅力を発信するべく日本全国を駆け回っており、地方の素晴らしい食材を使ったクリエイテイブなシェフに都度出会っているそうです。
柏原さんとしては、この本を読み、日本人が地方へ足を運ぶようになることを狙って、エリア、個々のレストラン、そしてその注目点を紹介しています。
①ガストロノミーツーリズムとは何か?
ガストロノミーツーリズムとは、食文化を求めて旅すること。
欧米を中心に興隆したものだそうで、柏原さんのイメージでは、「金持ちがおいしいものを食べている」というイメージではなく、
「料理を舌で味わうのではなく、心で感じる。
頭で考える。
その一皿が提供されるまでのストーリーに思いをはせ、食材に感謝し、シェフの創造性に敬意を払い、その地域の食文化を全身で学ぶもの」
だそうです。
スペインの北部、バスク州にサンセバスチャンという町がありますが、人口が18万人程度にも関わらず、年間100万人以上の観光客が訪れているそうです。
ここで求められているのが「食」
高級料理店、伝統料理、居酒屋が共存し、ミシュランの星の数は19に及び、伝統的なバスク料理を提供するレストランが100件以上ひしめいているそうです。
サンセバスチャンが風光明媚なリゾート地であるものの、「食」で世界有数の観光都市となったという実績は世界中の地方都市に希望を与え、日本でもサンセバスチャン化が試みられているそうです。
なお、サンセバスチャンのシェフはレシピのオープンソースかをし、街の料理の全体を底上げするために自らのレシピを地元のシェフに共有。
研究熱心なシェフが多数現れ、ヨーロッパ初の料理専門の私立大学が誕生。
更に日本でいう美食倶楽部と呼ばれる食コミュニテイが100以上あるそうです。
日本でも食を使った地方創生の動きが活発化し、観光庁は富裕層の地方誘致を促進することを目的に集中的に支援するモデル観光都市11地域を発表。

観光庁が11地域を「モデル観光地」に選定 外国人富裕層を取り込み地方経済活性化図る “おもてなし”提供人材の育成もカギ|FNNプライムオンライン
また、小池百合子知事が、東京を世界一の美食都市にすると宣言し、毎年美食フェステイバルを行うそうです。
東京産の農林水産物を味わい、体験するイベント 東京味わいフェスタ2025 TASTE of TOKYO 出店者等が決定しました!
②今の富裕層は「特別な体験」を求めている
今の富裕層はITや金融等の分野でのIPOを果たした企業家たちが中心となり、従来の豪華客船で世界中をまわりながら夜な夜な高級料理に舌鼓を打つという行動スタイルではなく、「誰もみつけていないものを見つけること」に価値を見出し、まだ多くの人がその魅力に気づいていない場所へいち早く足を運び、承認欲求を満たして喜びを得ている。
世界が均一化し、その土地ならではの個性が失われつつあるからこそ、そこでしかできない「とがった個性」に心惹かれる。
今世界の食のトレンドが王道のフレンチやイタリアンから北欧料理やペルー料理などにうつってきている。
たとえば北欧は食材が少ない中で、どうやって美味しく食べるかということを探求し、地元の食材を使い、発行や保存方法を極める。
など創意工夫や磨き上げてきた技術がようやく世界の富裕層に発見されてきたことに加え、食材を無駄にしないというSDGs的な観点が追い風となり脚光を浴びているそうです。
また、「世界のベストレストラン50」の登場により、料理に込められた物語、創造性を評価の対象とし、王道から個性重視へ食の流れが変わり、なんでもそろう東京で作られる料理ではなく、限られた、その分とんがった食材がある地方で作られる料理が、確実にトレンドになってきているそうです。
タイパを重視する富裕層がいる一方、道中を自分たちらしく楽しみたいという富裕層もいて、あるイタリアの富裕層は、「紀伊半島の熊野古道をハーレーダビッドソン4台のバイクで旅したい」という希望があったそうです。
旅行会社はレンタル会社に問い合わせても在庫がない為、結果そのバイクを買い集めた結果、その富裕層は、熊野古道近辺の美味しいお店を気ままに立ち寄りながら、大いに満足して帰国したそうです。
③日本人が気づいていない、日本の食の真価
世界の富裕層が日本に求めているもの。それはズバリ「食」
2023年に日本政府観光局が世界22市場を対象に実施した訪日旅行に関する調査結果によると、旅行の目的の一位が「ガストロノミー・美食」だったそうです。
また、ミシュラン星数は東京が世界一、(ミシュランの星の数の合計数は東京が170軒、パリが121軒、三菱も東京が12件、パリ10件)だそうです。
日本は
①四方を海に囲まれ、魚介類に恵まれていること、
②日本の職人が研究熱心であること、
そして
③日本の職人が仕事が非常に丁寧であること
で美食大国となっていると柏原さんは分析しています。
更に地方の素晴らしい食材が東京に集まることで、大都市が輝いている、その地方の美味しい食材を地方で作ることで更なるおいしさを求めるシェフが増えているそうです。
例えば富山県 利賀村の「L’EVO」には、谷口さんというフレンチのシェフが立ち上げたレストランがあり、年間8000人、海外の富裕層で年間1000人が訪れるそうです。
L’évo | レヴォ:富山の奥懐・利賀村から発信する前衛的地方料理の進化
また、北九州の照寿司などの世界レベルのお店を中心に、北九州市はすしの都課を新設することになりました。
山形県鶴岡市の「アル・ケッチャーノ」というイタリアンというレストランを中心に鶴岡市が食文化創造都市の認定を受けているそうです。
ヤマガタ0035 アル・ケッチァーノ コンチェルト (Yamagata0035 Al-che-cciano Concert)のご予約 – 山形/イタリアン | 食べログ
北海道帯広市の「エレゾエスプリ」というオーベルジュでは、狩猟、家畜の生産から加工、流通、飲食の提供まで一貫して行っているそうです。
ELEZO – ELEZO Resort Auberge Restaurant
静岡県焼津市の泳がせ漁を前提とした「サスケ前田魚屋店」を中心とした料理や、例えば「成生」というてんぷらやなどチームサスエと呼ばれる主に魚をおろしている料理店に世界中の顧客が殺到しているそうです。
世界に名だたる「サスエ前田魚店」!テレビ取材も多数、焼津の鮮魚最高の状態で提供する魚屋
更に富山県における「寿司といえば、冨山」プロジェクト。
氷見市にある成希。
富山湾鮨
富山ならではの天然・新鮮の極上寿司 富山湾鮨(とやまわんずし)
さらに、射水市の内川における寿司屋の開店、
岩瀬地区などミシュランガイド北陸に掲載された店が8軒もあるそうです。
富山市に立ち寄るなら『岩瀬エリア』を観光したい6つの理由。 | 観光情報特集「TOYAMA STYLE」 | VISIT富山県
その他大軽井沢食文化圏にあるRestaurant Naz、
Restaurant Naz – Restaurant Guide – TableCheck
北海道帯広市にある「北の屋台」
北海道余市のワインの聖地、「余市SAGRA」というイタリアン、「YOICHI LOOP]というレストランなども有名だそうです。
ヨイチ ループ (Yoichi LOOP) – 余市/イノベーティブ [一休.comレストラン]
更にこの本では、新潟県、秋田県、三重県多気町(サンセバスチャンとの美食を通じた友好の証を締結)からの熊野古道、そして松阪市、長野伊那谷、丹後半島、そして瀬戸内美食街道、長崎雲仙、沖縄なども取り上げています。
首都圏にもあきる野市にある「L’Arbre]という武蔵五日市のフレンチ、
武蔵小金井にあるTERAKOYA
神奈川県湯河原、
埼玉県川口市にあるRestaurant KAM。
restaurant KAM (レストラン カム) – 東川口/フレンチ | 食べログ
千葉県木更津市にある「PERUS」
栃木県の「オトワレストラン」、
更に群馬県川場村「BENTINOVE]
茨城県「花みやこ」
山梨県「TERROIR 愛と胃袋」、「NOTORI」など
200軒の様々なレストランを上げています。
④私の所感
「お金と時間さえあれば・・・」と思える魅力的な地域、レストランの紹介でした。
また、欧米で進んできたガストロノミーという考え方、各地域の料理人や生産者を中心に、まずは一つのレストラン、そして美食街が作られていく過程を目にすることは楽しいだろうとも感じました。
今、私は、フランチャイズバリューの高い企業に投資をし、その企業を通じて各地域の工場などにも注目しています。
各地域が住む人たちの才覚で伸びて行くことを心より期待しています。
