本日は、木下勝寿さん著作「時間最短化、成果最大化の法則」を紹介します。
木下さんは1968年産まれ、大学在学中に学生起業を経験し、卒業後リクルートで勤務。
2002年「北野達人コーポレーション」設立し、東証プライム上場を成し遂げた方です。
私は、Xで木下さんの書いていることを見て、初めて北の達人を知り、違う分野だけどまずは本を読んでみようと思いました。
木下勝寿🔥東証プライム社長兼現役マーケッター(@kinoppirx78)さん / X (twitter.com)
目次
第1章 すぐやる人の思考アルゴリズム
第2章 必ず目標達成する人の思考アルゴリズム
第3章 ノーミス人間になる思考アルゴリズム
第4章 自分で考え行動する人の思考アルゴリズム
第5章 成功者の思考回路をコピーする
➀第1章 すぐやる人の思考アルゴリズム
「すぐやる人の思考アルゴリズム」。
この章では、3点勉強になった点をお伝えします。
一点目は、木下さんがリクルート時代に気づいたこと。
それは思いついたら、すぐに行動しているか否かの違いです。
社会人時代、本人は、セミナーやビジネス書を買い込み、知識を蓄積していったそうですが、取引先の社長と対話する中で、「こんなことをやったら面白いですね」と盛り上がる。
その後、木下さんは話すだけで何も行動しない。
一方社長たちは、次にあった時必ず何か実行した上で、対話してくる。
そこで、
➀「成功する人」
②「成功しそうだけどしない人」
③「成功しない人」
が分かれてくることが分かったそうです。
「ピッと思いついたらパッとやる」
やるべきことが起こったとき、後でやろう、いつかやろうではなく、その場ですぐやるか、すぐできない場合はいつやるかをその場で決める。
するとタスクを滞らせず、次々にこなしていけるのでキャパが激増する。
結果1日10個アイデアが思いついたら、10個全部実行できるようになったそうです。
もう一つは、いつ偉い人の目に留まっても良いように、常にいつもやっている状態を作ること。
木下さんは、相手先を訪問した際に、社員のラジオ体操を見て、けだるそうにしているのをみて、見本を見せたところ、社長に気に入られて大型受注に至ったというAさんの事例を出しています。
このような行動を、たまたま何かやっていたときに、偶然偉い人が見て気に入ったのではなく、いつもやっていることで、100回に1回くら偶然、偉い人の目に留まった。
つまり「いつでも確実につかめる常態」にあったことがポイントだったそうです。
最後に絶対に成功できる唯一の方法。
それは「他人にはできないこと」をやること。
それは、「難易度が高いこと」と思うかもしれない。
だが、もう一つ「めんどうくさいこと」をできるだけでも成功すると木下さんは言います。
成果を挙げる人は、めんどうくさいことを見つけた時、「これは絶対に他の人はやらないだろう!」と嬉しくなるそうです。
仕事は、やれること、やりたいこと、やるべきことの3つがある。
そのうち、やるべきだが、誰もやらない「めんどうくさいこと」をやることで一人勝ちできる仕事となると言います。
成果を上げ続けている人は、細かくてめんどうくさいことをやり続ける。
社長や管理職は、「一般社員が見過ごしている、細かいことを拾って自ら行う」ことが仕事の大半だそうです。
実は「細かいこと」「見過ごされがちなこと」の代表例が、自社商品や自らの仕事をお客様目線で常に見直すことだそうです。
最後にもう一点、何より木下さんは、簡単なことでも複数のことを同時に行うのが苦手で、それを女性に依頼すると数倍のスピードで終わらせてくれることに気づいたそうです。
一方、多くの男性は全体を俯瞰して目的を明確にすると、自分のポジションを把握しながら計画を立て、準備することで上手くいく確率が高い。
従って、急ぎの仕事は女性、長期の仕事は男性に依頼するとことごとくうまくいったそうです。
②第2章 必ず目標達成する人の思考アルゴリズム
必ず目標達成する人の考え方の癖。
前半の章で木下さんが説いているのは、最終目的から逆算して考える手法が大事だと繰り返し言っています。
例えば、最終目的地に到達するために、A,B,Cの道に岩がふさいでいる。
その際、多くの人は岩を取り除くことを考えるが、目的がBの最終地点に24時間以内に行くことだとすると、結局何がどうなりさえすればいいかという最終目的を特定すること。
最終目的を達成する方法を「着眼法」と「苦情法」で探す。
実現させるために最も簡単な方法を選ぶ。
着眼法とは、成功例に学ぶことで、24時間以内にゴールについた人を探し出し、聞いたところ、ヘリコプターで行った事だったそうです。
苦情法は、どんな課題があるかを考える。
この場合は、A,B,Cのルートの岩を比べ、Cの岩が一番登りやすいのを発見することに繋げたそうです。
その二つを比較し、結論は、ヘリコプターでゴールにたどり着くことにしたそうです。
ちなみに、一般の人は、岩を取ろ除くための筋トレをしたり、人を何人も雇い、そのリーダーシップを発揮しようとリーダーシップセミナーに通うなど、目的から逆算していないことが多いと言います。
もう一つの事例として、木下さんの会社が5年前、年商20億円だったころの話を上げています。
20億円まで15年掛かったので、その延長線上で考えたら100億円になるまで60年かかる。
そこで「今の商品、今の顧客」をベースにするのではなく、「新しい商品、新しい顧客」を開拓しなければならないと気づいたそうです。
つまり、20億円の売上の中に1商品で10億円の売上になっている商品があったので、同じように10億円の新商品を新たに8個作ろうと考えたそうです。
そのために業務を細分化。
体系的に商品開発できる体制をつくり、集客法も変え、自社で広告運用するようになる等行い、思考アルゴリズム研修により、社員に考え方の癖をインストールしたことで、売上100億円を達成することができたそうです。
また、私が特に気になったのは、期限に関する目標を立てる際に「実感しやすい数値」を設定するということ。
例えば目標達成の期限を「3か月後」とするのではなく、66営業日後としたほうが時間の使い方をより具体的に考えられるといったことです。
「今日の定時まで」ではなく、「7時間半以内」。
設定期限は長くても「90日以内」とし、目標数値は「月」や「週」ではなく、「日」まで分解。
「月5万個販売する」より「1日1666個販売する」とするなどです。
新規事業を立上げ、3年後に売上10億円を目指す場合、2年後に〇億円、1年後に〇億円といった計画と工程管理が必要であり、途中で今の作戦では目標に到達できないとわかったら、作戦を変える必要がある。
この具体的にイメージしやすい目標設定により、日々の行動が変化し、飛躍的に成長する。
これを日常的にやっている人が成果を上げ続けると言います。
③第3章 ノーミス人間になる思考アルゴリズム
木下さんが定義する3大「欠落的欠点」。
➀ケアレスミス、
②スケジュール管理ミス、
③タスク漏れ。
本人の「ケアレスミスをしてはいけない」「スケジュールを守らなければいえない」「タスク漏れがあってはいけない」という意識が普通の人より極端に低いので、失敗しても「しまった」と思わない。
「欠落的欠点」の中で最も多い「ケアレスミス」を見てみると、ケアレスミスの多い人は、書類やメールの記述ミスを連発するそうです。
本人がケアレスミスに関する「これぐらいは普通」という感覚は、世間一般の感覚と大きくズレている。
チェック時間を仕事に組み込むとケアレスミスが不思議なくらい激減する。
木下さんの会社には「800項目」のチェックシートがあり、例えば試作品完成後に全社員で確認するそうです。
尚、「成功しよう」という考えの人は、成功する自分をイメージしているので、成功しやすい行動を無意識のうちに取る。
「物事がうまくいっている人」と会話をすると言葉のほとんどが「肯定的」であることに気づくと言います。
④第4章 自分で考え行動する人の思考アルゴリズム
アイデアを思いつくことは誰でもできる。
そのアイデアが過去に一例も実行されていなかったら、競合が参入してくることを前提に事業プランを立てることを勧めています。
例えばGAFAなどは、資本を入れ、経験を補足するためのプロを入れ、他社が参入できないレベルまで経験基盤を強化してから、サービスを出してくる。
また、検索エンジンで比較検討できる現代ビジネスにおいて「最初に始めた」こと自体は競争優位にならないことを理解し、マネできない品質で勝負するオンリーワン商品を開発することが大事だと言います。
更に、成功者の2割の「長所」だけを教えてもらうと良いと言います。
自分よりすぐれた友人を見て、「すぐれた部分だけ学ぼう」と2割の長所に集中して学ぶ。
これによって人生が大きく変わるそうです。
更に「本当に駄目になるか」が気になる時は、じっくり過去の事例を調べてみることで、似たケースがで出てくる。
本当に成功したいなら、10年後も20年後も続くビジネスを作り、経験を積み上げていきながら成長していかなければならないため、いずれゼロになるとわかっていることにリソースを割いては行けないとも言います。
⑤第5章 成功者の思考回路をコピーする
人が成功するかどうか物理的要因は一切関係なく、どんな人でも「誰に」「何を」伝えるかを適切にやれば成功できる。
木下さんがリクルートで一般の社員だった時に、創業者の江副さんを見て思ったことだったそうです。
身近で成果を上げている人が、「誰に」「何を」話しているかチェックする。
「誰に」が一流の人かもしれないし、「何を」が非常に価値のあることを話しているかもしれない。
尚、木下さんがリクルートにいた時、リクルートとナンバー2の会社では営業力が桁違いであったと認識しており、1位には、1位の理由があり、2位以下には2位以下になる理由がある。
もっといえば、1位は2位以下の理由が理解できるが、2位以下は1位の理由が理解できない。
1位になるには1位の中に入り、1位の常識に染まることが大切だと言います。
また、世の中の「いいもの」は2割の「本当にいいもの」と8割の「いいといわれているだけのもの」で成り立っていると言います。
更に普段から親しい友人の5人の平均年収を計算するとほぼ自分の年収になるそうです。
価値観は周囲の人に影響され、夢をかなえるのに努力するのは当然と公言し、夢をかなえた人の近くにいると、当然行動量が多くなる。
この「価値観で結ばれた友人の法則」に気づいてから、木下さんは「こうなりたい」と思ったら、「実際にそうなっている人」を見つけて友達になるようにしたそうです。
⑥私の所感-夢を目標に変え、徹底すること
木下さんの本を読み、物品の通販事業がどういう発想で事業を行っているのかというのが、分かるとともに、夢を叶える為の凡事徹底がスゴイと感じました。
特に目的から逆算し、その目標を達成させることを構想する。従業員にも、時間単位にまで分解していくこと、チェックリストの使い方など、ルールを徹底しているからこそ、1人当たり利益がトヨタやNTTなどよりも高い2000万円超になっているのだと理解できました。
他の業界の話は、とても勉強になります。
ということで、この本を紹介致しました。