「40歳の壁をスルっと超える人生戦略」を読んで

本日は尾石晴さん著作「40歳の壁をスルっと超える人生戦略」を紹介します。

著者がまさに40歳代の現役バリバリであること。

また女性であるからか、肩ひじ張らず、悩みも弱みも出しながら、自然な方法を提案している点が、この本をすぐさま紹介したいと感じました。

読後の感想を先に述べますが、

➀40代の方でこれからの人生をどう生きようか悩んでいる人

②若しくは自分で人生をコントロールする自分業(決して自営独立だけを言っていない)を始めたい人

には最適な本です。

是非本を読んでみてください。

尾石さんは、外資系メーカーに16年勤務し、長時間労働が当たり前の中、子持ち管理職経験から「分解思考」で時間を捻出。

ワンオペ育児の合間に、「ワーママはる」名義での発信をスタート。

2020年に会社員を卒業。

2022年春から大学院に進学。

音声メデイアVoicyでは4000万回再生声を記録し、トップパーソナリテイとして活躍しています。

第1章「40歳の壁」の正体

第2章40歳からの幸せをつくる「自分業」

第3章「40歳の壁」を超える自分業の始め方

第4章「40歳の壁」を超える自分業の育て方

第5章「40歳の壁」試行錯誤とその先の変化

➀40歳にして惑う-孔子だけではない。

人は40歳くらいまでは、新しい感覚や知識を得ることを軸に発達していく。

社会に出て、生き方を選び、自分の家族をつくり、愛を得て成長していく。

だいたい40歳で成長のピークを迎える。

それ以降は人生の終着点に向かった発達に変化し、次世代を担う人たちに持っているものを渡し始める

この考え方はエリクソンの心理社会的発達理論によるそうです。

更に昨今唱えられる人生100年時代は、人生が長い分、従来の65歳定年後の人生も考える必要があること。

40歳の壁とは、

➀「これからの道を選び直すことができるかも」という期待と、

②「選んで失敗すると積み上げてきたものが消えてしまうのでは」という不安

が入り交ざる分岐点だそうです。

また、経済学者のケインズが既に1930年に論文で以下のことを書いているそうです。

「将来、技術の発展によって、人のほしい物はすべてつくられ、人の仕事がなくなる時代が来る。

しかし、社会システムによって、人間は長年仕事をするようにしつけられてきている。

そのため、凡人程「暇な時間をどう使うか」に困るようになる。

尾石さんが多くの人が40歳の壁を感じる理由に、➀人生100年時代だけではなく、②自分の働き方に限界が来ているから。

やりがいや社会的意義を感じていないから。

そこで、人生の後半戦こそ、主体的に幸せを感じることを追求してみる

やりがいを感じる仕事を選んでいくことが大切だと言います。

②仕事をやめない人生を設計する

筆者が定義する幸せ。

その土台には、3つがあると言います。

一つはお金

お金を持つことによって、自由な選択ができる状態を作れるということです。

その際、➀生涯現役で働く、②お金が入る仕組みを持つの二つを持つことを著者は提唱しています。

次につながり

30人ぐらいの人との「何かあれば集まる」「困ったら相談できる」「雑談が弾む」くらいのゆるく細いつながりが幸福度を高めてくれるそうです。

最後に健康

決まった時間に出かける、人と会う、思考力を使うことをルーチンとして日々に組み込んでおくことが40歳以降の人生を幸せに生きるために大切だと言います。

このお金、つながり、健康の3つの要素を満たすことができ、かつやりがいを持って取り組める仕事のことを、自分業と尾石さんは名付けています。

この自分業を確立するには、

➀本業(主要な仕事・収入源)を自分業とする、

②副業と複業を組み合わせて、トータルで自分業とする

という考え方があるそうです。

特に

➀本業以外に自分業を持つと、人生のリスクヘッジになること。

②将来への種まきになることから、

著者はお金、つながり、健康が重なる自分業を、現在やっていることの延長線上につなげられるはずと、まずは種まきすることを薦めています。

③人生後半の目的を言語化してみる

尾石さんが、この自分業を始める前の準備として考えること、それが人生後半の目的を言葉にする練習から始めることとあります。

何をおもしろそう!やりたい!とおもうか。

これがはっきりわかる人は、自分が大事にしているものや価値観、現在の行動や選択の基準が明確だそうです。

尚、人生の目的は探すものではなく、自分の価値観に基づいて選び取ってきた過去の経験から導き出すそうです。

言い換えると幸せと感じる状態を言語化したものが人生の目的だそうです。

ちなみに筆者は、毎年やりたいこと100リストを10年間書いていて、具体的に言語化できるようになったそうです。

その後、行動の選択に迫られたときに、脳の9割を占めている潜在意識が、言語化された言葉につながるような行動を選択していくそうで、1年も経つと選択の積み重ねによって結果的に願望がかなっていたりするそうです。

④報酬とは何か?

尾石さんによれば、報酬を分解すると、5つほどに分けられるそうです。

・精神的報酬(楽しさ・喜びを感じる)

・技能的報酬(能力・スキル・経験が増える)

・金銭的報酬(給与やボーナス、福利厚生など)

・信頼的報酬(社会的信用・人物評価が上がる)

・貢献的報酬(メンバーや仲間の育成に関わる)

面白いのは、雇われ人、副業初心者は金銭的報酬(いくらもらえるか)を見ているのに対して、独立したての個人事業主、専門職が見ているゾーンは、金銭的、技能的、信頼的報酬。

更に金銭的に困っていない人たち、子ども、本業持ち、経営者などがみているゾーンが精神的、貢献的報酬だと定義づけているところだそうです。

自分がどの報酬を求めているか、よくわからない!という人は、憧れの仕事をしている人や、こうなりたいなと覆っている人を観察すること。

更に本業があるうちは「金銭的報酬」が補われているので、「金銭的報酬」以外が得られる仕事やチャレンジをしてみると良いそうです。

⑤あなたのアウトプットは何のため?

そもそも何のためにやっているのか?

何をやりたいのか?

アウトプットは「打席に立つ回数がものをいう」といいます。

その際、

➀苦も無くできる(継続できる)

②経験がたまる

③市場がある

の3つを意識して、アウトプットをすると良いそうです。

更に、自分でビジネスを組み立てる際、得るお金ではなく出ていくお金を意識し、経費にできる仕事を考えると良いそうです。

つまり、頼まれていもないのに、お金と時間を使っているものは自分業の種だそうです。

⑥自分業を商売にする感覚

まず、顧客=付き合いたい人を探すことから考えます。

➀あなたが一緒にいたいのはどんな人か?

②あなたの自分業が成り立つのはどんな人か?

筆者の場合は、「自立していて、経験や学びにお金を投資する意欲のある人」が浮かんできたそうです。

その過程で、顧客となるのは、ちょっと前の「自分」と気づいたそうです。

自分が主語のペルソナが明確な場合、自分の商品やサービスを紹介する際に発信するメッセージがぶれにくくなるため、「合わない人」が寄って来なくなるそうです。

次に考えることは、あなたが相手にどんな「変化」のきっかけを作るのか

商品を考える際、顧客に提供することで、顧客の変化がはっきりしていると、単価を上げることができるそうです。

その3つの段階的な変化とは、

➀知る、②できる、③磨くの3つの順番となり、②、更に③に行くほど、商品の値段は高くなる一方、手間もかかるといった構図になります。

また、②に対する「できない3つの壁」とは、ア)行動できない。

イ)気づきがない。

ウ)技術がない。

に分解でき、そのどの部分を商品化するかだそうです。

更に、顧客を獲得する過程については、

➀顧客がなんとなく不満がある状態から、

②顧客が解決策に出会う機会を作り、

③気づけばなんとなく感じていた不満が解決し、

④リピーターとなる。

この認知度の獲得を情報発信活動を通じて、地道にしていき、②顧客が解決策に出会う機会を増やしていく。

この活動を継続していくことで、ありのままの自分から出る価値がセルフブランデイングとなるそうです。

⑦自分の所感-圧倒的な体験談が詰まっている

尾石さんの本を読み、圧倒的に著者が好きになりました。

しっかりと稼いでいた外資系メーカーの道を自ら降り、子育てもしながら、今でも地道に発信活動を継続していること。

また、本の中で紹介される他の書籍の質、量も当然ながらに凄いこと。

具体的に作っていくサービスを考える際に、➀知る、②できる、③磨くという観点で提供する商品を考えるという視点も、私にとっては目から鱗でした。

ということで、今回もだいぶ本のネタバレに繋がる内容となってしまいました。

が、更に詳しく

➀タイトルにもある40歳の壁をどのように乗り越えてきたかという視点、

②会社員から独立する際の体験談にも触れている点

に関して、筆者ならではの視点が沢山詰まった本なので、興味を持った方は、是非お読みください。