「中外製薬」の紹介-創薬開発という企業DNAは変わらない

私は製薬業界については、これまでど素人でしたが、これまた柳下裕紀さんの講義、https://ameblo.jp/yukiyagi7/entry-12884715280.html

そして、「真のバリュー投資のための智慧と実践」

https://amzn.to/4mIB9yC

を読み、この会社の凄さを目の当たりにしました。

上記は2002年からの営業利益をアニュアルレポートで公表しているものです。

売上ではありません!

2024年は、5561億円で、営業利益で20倍超伸びているそうです。(売上は7倍)

また、直近の決算では、営業利益率が47%にも達し、国内の他社が高くても10%台なのに対して、圧倒しています。

以下は中外製薬2024FYアニュアルレポート

https://www.chugai-pharm.co.jp/ir/reports_downloads/annual_reports/files/jAR2024_12_spread.pdf

なお、製薬会社は、

①自社品(自社が1から開発した製品)、

②導入品(他社が途中まで開発した製品をある段階でライセンス契約し、それ以降の開発を引き継いで販売する製品)、

③仕入れ品(他社が開発を終えた新薬に販売だけ参画する契約を結んだ製品)

があるそうですが、中外製薬の場合、まず①自社品の開発に力を入れており、その売上高が増加していること、

また、ロシュグループとの資本提携により、ロシュグループの販売網を活用し、その自社品の世界販売ができること。

更に、特にガン治療に強いロシュの導入品に関する国内販売が出来ることで、安定した売上高、高い利益率が確保出来ています。

(2024年の売上比率は、77%が自社品、23%はロシュ品)

以下は2024FY決算説明会資料

https://www.chugai-pharm.co.jp/cont_file_dl.php?f=FILE_5_70.pdf&src=[%0],[%1]&rep=119,70

中外製薬は、創薬の研究開発、上市に特化しており、2010年代3年間で1つといったペースでグローバル自社品を開発完了、販売していた実績を2030年には1年で1つと目標を定め、研究開発のパイプラインを拡大しようとしています。

このように医薬品研究開発に特化している理由は、

①1983年のアメリカでのオーファンドラッグ法成立により、患者が少ないレアな疾病について、希少疾病(患者数20万人未満)の薬の認定に際し、7年間の独占販売権を開発者に与え、開発者は高い薬価を設定できるようになったこと、

その延長登録出願も含めると最長12年前後保護されること、

②中外製薬が1980年代から日本初のバイオ医薬品の開発に取り組んでおり、そのバイオ医薬品の特徴として体内にあるタンパク質を浸かって創り出した医薬品のため、低分子薬に比較して副作用がかなり少なく、安全性が高いものを研究していること、

その一方、従来の低分子薬よりも製造コストも含め、バイオ医薬品の開発コストは圧倒的に巨額になるため、研究から開発前期までは中外製薬が負担し、その後グロ-バル(日本を除く)での後期開発’臨床開発)はロシュが負担することによって、中外製薬は研究から早期開発に経営資源を集中して投資し、安定的な収益を確保できているんだそうです。

また、先ほど紹介した柳下さんの本によれば、バイオ医薬品の目的として、

①生理活性タンパク質を補う補充療法(肝臓、膵臓で作られるエリスロポエチンやインスリン、不足すると貧血や糖尿病になる)、

②病気の原因になる分子の機能を押さえる働きをする抗体医薬品

があるそうです。

外来性の異物に対して体内でつくられる免疫グロブリンのことを抗体と呼び、様々な標的に特異的に結合して無毒化しようとする性質がある。

この性質=原抗体反応を利用して、さまざまな疾患の原因になる分子に対してだけ、特異的に結合する抗体を人工的につくり、医薬品にしたものが抗体医薬品なんだそうです。

次世代バイオ医薬品である抗体薬品の世界において、1980年代から研究を重ねてきた中外製薬は日本国内売上のうち、20.3%を占めるニッチトップを維持しているそうです。

上で上げたヘムライブラ、エンスプリングも抗体技術で生まれた新薬だそうです。

更に、現在は、細胞内に到達しうる代謝安定な中分子化合物による経口投与可能な創薬を目指して研究開発を進めているそうです。

今、トランプ大統領が薬価価格を下げるような発言が多くあり、中外製薬製品のグローバル製造を扱っているロシュも含め、生産体制の見直しなどは、長い目で見た際、視野に入ってくる可能性はあります。

しかし、今のところオーファンドラッグ法の考え方を全面的に見直すといった話はありませんし、ニーズが高く、一度創薬してしまうと、市場を独占できるニッチトップに向けた創薬開発力は、政治体制がどうあろうと、引き続き強化されていく一方なのではないかと感じました。

良かったら、少額でよいので、株式投資してみてください。

(私も少しずつ積み増しています)