今回は、満を持しての味の素の紹介です。
味の素は、海外で営業している人にとってはどこででも名前を聞く憧れの企業だと感じます。
B to Cの調味料を直販体制で売り、東南アジア、それに飽き足らず世界の市場をとりにいく。
営業、商品力、開発力を元に、現地に根付き、シェアを高めていく会社というイメージがありました。
以前紹介した「地球行商人 味の素グリーンベレー」では、東南アジアに始まって、ナイジェリア、エジプト、インド、ペルーでの味の素社員の奮闘の話が出てきます。
兎に角街の小売店に現金商売で小分けにした味の素を売ること。
そして各国の地域別に、国を網羅するように直販体制を作っていくこと。
例えば1960年代のフィリピン ミンダナオ島などは、共産ゲリラの活動も激しかったはずですが、ダバオ、カガヤン、サンボアンガなどに次々と出店していく。
ベトナム、中国、そして衛生環境や文化が異なるインド、エジプト、ナイジェリア、ペルーなどの話に繋がっていきます。
現在の食品分野の海外主要五か国は、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、ブラジルとありますが、本の中では、ナイジェリアが世界で6番目に売れている国と出てきます。
下のFacbookデータを見ていても、食品、調味料分野の味の素の強さがよくわかります。
なお、味の素のうまみ成分を引き出すグルタミン酸ナトリウムの主原料は、サトウキビやキャッサバ、コーンなんだそうです。
一方、柳下さんの講義
https://ameblo.jp/yukiyagi7/entry-12913589696.html
では、この数年間で、味の素が構造改革を行っており、
①ROICを高める施策、そして、
②食品分野における冷凍食品分野への産出、欧米への進出、
③食品に次ぐバイオファーマ、ファンクショナルマテリアルズ分野では、高品質アミノ酸製造技術を活用した医療薬製造、半導体絶縁体の製造にも取り組んでおり、2030年までに事業利益を食品と同等の金額まで伸ばすことを計画しています。
2025年に就任した味の素の中村社長は、元々半導体絶縁の開発をしていた歴代初の技術屋なんだそうです。
ここまで強固な事業基盤を持った会社が目標を持って事業を進めていくのは、強いだろうと感じた次第で、少しでも株をもって、じっくりとその状況を見ていきたいと思った次第です。


