本日は満を持してのトヨタ自動車の紹介です。
こちらも先日の柳下裕紀さんの講義にて、改めて、TOYOTAの強さの説明を頂き、私自身も調べてみました。
『Aurea 人生と投資の会』第2ステージ・第213回卒業生サロン一般募集の御知らせ | 蓮華 with にゃんこ達
この数年間テスラや中国のBYD、更には小米、吉利、ファーウェイ等を中心に、電気自動車・SDVへの移行の話が世間を騒がせました。
中国に加えて欧州もEV車を全面的に推進するような政治的な流れもあり、欧州メーカーも一時期続々とEVシフトを宣言。
とりわけ中国の市場はEV車、SDVへの競争が激化し、一部の中国メーカーは中国のみならず、東南アジア等グローバル市場に出ていこうとする流れが出来ています。
一方、中国市場においては、兎に角中国国内の市場シェアを取ろうと、価格競争が激化し、利益を上げられる会社は一握り。
更に、中国に進出している外資系企業はEV車の台頭により、中国メーカーに市場を奪われ、スズキや三菱自動車など市場から撤退する日系自動車メーカーも出てきています。
加えてトランプ大統領就任により、北米市場に対する関税が大幅に引き上げられることとなりました。
(日米通商交渉で日本政府が関税率15%に抑えたとはいえ)
その影響で、今年度のTOYOTAが織り込む関税は、1兆4500億円(2025年度第二四半期決算発表にて)にもなっています。
このEV車による市場参入、知能化技術の進展に対して、TOYOTAはEVのみならず、HVもICEもFCEVも研究し、市場へ導入するマルチパスウェイ戦略を取ることを宣言しました。
この戦略については、
①柳下さんが指摘するように、EV車が中国を除く欧州、アメリカといった市場にて急速にガソリン、HV車から市場を席巻するという当初の見立てが鈍化していること。
②中国メーカーは、中国国内の競争は引き続き続くこと、
例えばBYDのような民間企業が中国共産党と密接な関係のある国有企業を差し置いて1社だけ強固になることはなく、引き続き各社の潰しあいが当面続いていくこと。
③中国各社はグローバル主要市場(アメリカ、欧州)から締め出される可能性が高く、テスラも低迷、ドイツ勢もEVシフト、そして戦略見直しで停滞している中、マルチパスウェイを取っているTOYOTAがアメリカ、欧州、アジア、アフリカ市場へ既にリーチ出来ていること
から、企業として過小評価されているのではないかと感じていました。
今回改めて、TOYOTAの直近の決算、柳下さんの説明を受け、これから更に企業価値を上げられる会社ではないかと感じました。
以下は2024年度の統合報告書で、TOYOTAがBEV、PHEV, HEVの見通しを述べた資料です。
BEV、PHEVは伸びるものの、HEVも伸びると見通しています。また、CN燃料を活用した車、水素車にも言及しています。

また、以下は、TOYOTAが2024年度主要市場で販売している車種及び販売台数ですが、各市場毎に、顧客に受け入れられている車種が様々あることがわかります。
(且つ特定の市場に特化していないことも安定していると言えます。)

うち、欧州、日本では、ヤリスが販売台数1位となっていますが、この車は、Toyota New Global Architecture(TNGA)というもっと良い車をつくろうよ!という考えの元、Gazoo Racingという世界ラリーチームに参加し、車体一体型で開発されたスポーツカータイプの車だそうです。
また、以下のとおり収益率も高いのはなぜか。

TOYOTAの決算説明会資料に以下のようにあります。
2009年3月期には、756万台販売して赤字だった製造体制を2022年には510万台でも持ちこたえる体制を作るために、原価低減活動を年々もやり、更に商品ラインナップの拡大も含め、収益性を上げてきたことを上げています。

直近の仕入れ先への還元、そして米国関税などにより、損益分岐点が大幅に上がったこと。一方、今後従来行ってきた生産性向上活動をスタートすると宣言しています。

柳下さんは、このTOYOTAの生産性向上活動の原点に、豊田自動織機から培われているムリ・ムダ・ムダの改善を継続して積み重ねる企業文化を上げています。
もう一つ、同業他社に加えて、極めて強固な基盤を築いているのが、バリューチェーン収益とTOYOTAが呼ぶものです。
これは、1.5億台の販売済の車に対して、自動車補給部品、中古車販売、そしてファイナンス、保険サービスを提供することで、単年度で約2兆円の利益に結び付いており、毎年1500億円ほど増えていること。
今後コネクテッドサービスの進化にいよって、更なる収益拡大を計画しています。

最近の自動車業界を巡る報道では、中国企業によるEV及び知能化が進んだ競争力のある車の話題が出ています。TOYOTAも安全、安心な自動運転という定義で車の開発を行っています。また、そのためには、インフラ分野を含むパートナーとの協業を掲げています。



なお、中国メーカーの動向については、肝心の中国国内市場は競争が激化しており、BYDですら、十分に収益を確保し、グローバルでの収益拡大に向ける力/実績がいつまでにつくのか不透明です。
また、中国政府に対する①欧州、②アメリカそして③インドの反発は強く、今のままでは、中国企業が①から③の市場に十分に参入できるかは分かりません。
テスラも往年の勢いがない中、既にアメリカにも生産拠点を持ち、現地化への対応もでき、かつアメリカ、中国の最先端の技術を理解し、グローバルに展開できるTOYOTAは、さらに強くなるのではないかと私は予測しています。

ちなみに、2025年度の予測は、営業利益3兆4000億円と昨年度に比べて1兆4000億円ほどの減益予測としていますが、為替は第2四半期の時点で146円/ドル、169円/ユーロと実態の為替レートに比しても、円高の前提で見通しています。
(要するに上振れ要素が大きそうということです)

TOYOTAへの投資、結構面白いんじゃないでしょうか。

