インド人と日本人ーインド人観光客の日本訪問から見えたもの

先週(10月8日~13日)に掛けて、インドの方の日本訪問につき、仕事で2日ほどお相手しました。

今日はその時に感じたインド人と日本人との違いなどについて、説明していきたいと思います。

インドの方が回った日本の観光場所は、東京(渋谷、浅草、銀座、お台場、六本木、東京湾アクアライン)、富士山、箱根、京都、広島などです。

彼らにとっては、今まさにインドで始まった地下鉄網(メトロ)の整備、新幹線建設、そして様々な高速道路(デリームンバイ間)がこれから作られていきます。

そんな中で、100年超の歴史がある日本のインフラ網を見たり、新幹線に乗ることそのものが新鮮だったと思います。

➀インド人は徹底した民主主義(個人主義)+欲望に忠実

インドは、宗教上の理由だけではなく、過去からの生活習慣として、肉を食べないベジタリアンの文化があります。

また、ノンベジタリアンの方も、週に何日かベジタリアンになるなど、タンパク質を豆と牛乳、チーズのみで賄うケースも少なくありません。

従って、日本に来た時にインド人及びホスト側が大変なのは、食事です。

旅行会社などは、あらかじめインドレストラン(東京だと、Mumbai、マサラキッチン等のインドレストラン)を確保し、ベジタリアンメニューを用意します。

また、イタリアンや和食などに連れて行っても、インドで日常的に食べる生玉ねぎのスライス、チリソース(唐辛子)などは定期的に食べたくなるようです。

尚、今回のアテンドで強く感じたのは、インドの方一人ひとりが自分自身の好みに合わせた要求が強く、とにかく自己主張が激しいことです。

従って、オーダーの取り方なども、各々バラバラ。

更に一度決めたことを注文後にひっくり返すこともざらにあり、

1.日本人の一度取り決めたことを守る

2.他人に迷惑を掛けない

という考え方には正直合わない部分があることを再認識しました。

旅行の日程についても、一度決められた予定があっても、更に行ってみたい場所を追加するよう、最後まで粘ることも多いです。

今回も来日後に、広島旅行+東京ショッピングの2日追加など、来たら来たで徹底的にやりたいことを追及する姿勢というのも感じました。

この自分の欲望に忠実になり、(周りの迷惑も考えず?)徹底的にベストは何かを土壇場まで考える(予定を変更する)癖も、なかなか日本人にはない視点だと感じました。

②カースト制度と融通無碍社会

上のレストランでの注文が大変だった話を別のインド人グループに話したところ、2つの話をしてくれました。

一つはやはりカースト制度が残っているということ。

表向きは禁止されていますが、職業別のカーストは厳然と残っており、ホテルや飲食店で働く人々と、違うカーストの人々は、ある意味下に見ているところがあるようです。

「日本人とインド人」を読んで-インドが変わっていく! – アイアンマンブログ (ironman1977.com)

この発想は、士農工商という身分制度がもう200年以上前に取り払われた日本にあった古い考え方に近いものがあるのかもしれません。

もう一つは、インドでは制度やルールがあっても、守られる保証はないという話です。

例え話として、信号があり、赤、青信号がそれぞれ点灯していたとしても、それがルールとは考えないということ。

つまり、「青は、進むことを推奨します。」

若しくは「赤は止まることを推奨します」という程度で、周りを見て臨機応変に対応するのが、インド流だそうです。

従って、インドの人が日本に来て感じるのは、規律が守られすぎていて、住んでいる日本人が生きづらいのではないかと感じるそうです。

③お土産で人気があるのは、サービスが良くて安いもの-富裕層は大人買い

日本には、デフレ時代のこの20年に、様々な高品質/低価格サービスのお店が登場しました。

その一例として、インドの方にも喜ばれるお土産屋があります。

それが、ダイソー、ワークマン、GU(ユニクロ)、サイゼリア、ドン・キホーテなどです。

以下は銀座Nineにあるドン・キホーテと肉のハナマサ

このような品質は良くて価格が安いものについては、インドの方も沢山購入する一方、一般的な層の所得が日本のような先進国に比べると低い為、ハイブランドのお店、例えばビッグカメラなどでも、あまりお土産を購入されなかったようです。

この辺りは高所得者層、中間層が増えた中国、東アジア、東南アジアの客層とは現時点は違うことを認識しました。

但し、インドの富裕層はこの限りではなく、デパートにある専門店で自分に合うサイズの洋服全部、ブランド店でも片っ端から購入することを見たこともあります。

このような高級店が集っている都市が、まだインドにはないのではないかと想像します。

日本には海外に誇る歴史と自然がある

日本には、改めて世界に誇る歴史があると感じます。

それは、京都や奈良などの文化遺産、広島のような原爆の後の戦後復興の歴史もそうです。

また東京についても、世界一となる鉄道網、高速道路網含めた都市インフラ、現在までの様々な防災対策の歴史など、様々なノウハウが詰まっています。

更に、綺麗な海や川、自然が詰まった山へのアクセスなど手軽な費用で訪問できます。

例えば、富士山まで行かなくても、箱根や秩父、奥多摩、高尾山など電車で手軽に行ける国はあまり聞いたことがありません。

高度成長期を過ぎた日本の川や海も、今では非常に綺麗になり、環境汚染が激しい新興国の人からすると、東京湾お台場の水上バスや墨田川や竹芝桟橋のクルージングなども楽しめます。

⑤自分の所感-日本の良さ/悪さを改めて理解して、勉強する

短期間で富士山、芦ノ湖海賊船クルーズ、京都、広島、竹芝桟橋クルーズ、東京各地を行く外国の観光客に対して、自分自身が日本の良さを十分に理解していないことに気づきました。

先日も述べた通り、東京のインフラの歴史紹介や、海外の人に役に立つ情報を出していくには、日本各地に行き、纏めていく必要があるとも感じました。

外国人の日本観光に向けて-東京のインフラ整備の歴史 – アイアンマンブログ (ironman1977.com)

最後に一点、日本の課題を述べさせてもらうと、非常に規律を持ち、役割分担がはっきりしている中で、各自が仕事を完璧に行う。

ここは日本人の良さ/強みです。

一方、その役割分担がはっきりしすぎているからこそ、自分の役割以外のところまで、想像が及ばない部分があるのが、弱みだと思います。

特に、役割がはっきりしていない海外においては、日本人が個々に取り組む範囲の狭さに対して、物足りなさが出てしまうことを改めて気づきました。

この各々の範囲を繋げる部分を意識して、仕事をしてみると、新しい付加価値が生まれると思い、これから取り組んでいこうと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

いやー。しかしインドの方十数名のアテンド大変だった。