レーザーテックの紹介ー10年後には株価どうなっちゃうんだろう!

今日は、半導体露光工程部品検査装置を売上の主力とするレーザーテックを紹介します。

私は、昨年9月に初めてこの会社の株式を購入。

この一年間ジェットコースターのように株価が乱高下する一方で会社業績は、すごい成長。

この先をどう考えれば良いか、株主総会、そして柳下由紀さんの講義を聞きながら、思案していました。

まずこの5年の売上高、損益です。凄まじい成長率を達成していることが分かります。

00.pdf (eir-parts.net)

第62期 定時株主総会 (eir-parts.net)

そして、今後を占う受注残高もたっぷりと積みあがっている状況です。

今期の予測についても、以下の通り会社は発表していますが、増収増益です。

今年6月のスコーピオンという空売りファンドから、仕掛品の金額が異様に多いことから、粉飾決算をしているのではないかという分厚いレポートが出され、会社は第三者委員会まで立てて、そうではないことを調査/報告しました。

この会社が粉飾決算をするとは思えないものの、仕掛品、つまりお客様から受注した後の売上計上までに2年超のリードタイムが掛かること。

そして売上計上基準を製品を出荷したタイミングではなく、お客様の工場に納め、且つマスクなりマスクブランクスの製品検査がレーザーテックの製品で出来ることが確認した上で、ようやく売上計上する。

それでは、売上計上がお客様都合で遅れたり、作業の大半は終了しているにも関わらず、検査完了まで売上がないのは、他のプラントメーカーと比べても保守的すぎないかと思い、代金回収の面も含め、株主総会で聞いてみました。

すると、仙洞田社長からは、①マスクブランクスなりマスクの検査がお客様の製品ごとに異なるため、その場での調整が極めて重要で、その作業が終わらない限り、とても納品したことには言えないこと。

②一方、代金回収は出荷時に8-9割程度回収していると回答もらいました。

更に、お客様の受注キャンセルリスクを減らすため、リードタイムを圧縮することを中期経営計画の目標に掲げており、一つ一つ地道に課題を潰すことで、更なる成長機会を得ようとしていることがよくわかりました。

2.レーザーテックの強み

そして、9月28日の柳下裕紀さんの講座では、レーザーテック1社の価値創造に関する講義がなんと3時間ありました。

『Aurea 人生と投資の会』第2ステージ・第192回卒業生サロン一般募集の御知らせ | 蓮華 with にゃんこ達 (ameblo.jp)

そこでは、改めてレーザーテックが「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」という企業理念のもと、カラーレーザー顕微鏡、マスクブランクス欠陥検査装置を長年開発し、世界初の製品を生み出してきたこと。

今では、半導体の微細化が進み、成膜⇒レジスト塗布⇒露光⇒現像という半導体リソグラフィ工程の露光の部分で短波長へのニーズが高まっていること。

その中で、DUV(200~300nm)/ArFエキシマレーザー(193nm)、更にはEUV露光(13.5nm)へと技術革新が進む中、EUV露光でフォトマスクをウエハに転写するために製造されるマスクブランクス(ガラス基板上に金属膜と感光膜を塗布したもの)、及びフォトマスク(上記マスクブランクスに回路パターンを露光・現像で形成)を検査する装置を世界初で次々と打ち出し、製品として客先に納入している実績が他のどの企業も追随できない点なんだそうです。

レーザーテック躍進の転機は、リーマンショックの構造改革にあるそうで、この時にFPD(フラットパネルデイスプレイ)用マスク検査装置事業から、半導体事業にコアを移したこと。

半導体市場では、IOT、EV、自動運転、データセンター、生成AIと、爆発的なニーズが拡大する市場の中で、更なる微細化、新しい材料(パワー半導体向けシリコンカーバイト用)、3次元構造などの新しいプロセスが出てくる中、ハイエンドな商品(技術難易度の高い光学検査装置)に特化して対応していること。

特に、レーザーテックが狙うハイエンド市場は、顧客(ファウンドリー、フォトマスク)ごとにニーズが異なり、多様性が大きく、規模の経済が効きにくく、大手企業(KLA)などが入って来ない市場に特化していること(グローバルニッチ)。

そのため、参入障壁を作り、競合他社が入ってこない価値創造を続けているからこそ、利益率も極めて高く設定できることに繋がっているそうです。

柳下さんの唱える価値創造を作り続ける企業(競争優位性を保ち、競合他社が入ってこれない仕組みを作った企業)は、企業価値が右肩上がりで上がっていくもので、レーザーテックは、その企業の一つだと言います。

私自身も、少なくともこの半導体需要が更に高まる2030年代まで、上記技術革新に対応し、ハイエンドなマスク検査装置を世界初で開発し続ける力を保てれば、まず間違いなく、業績が上がり続け、企業価値も増え続けると感じました。

以下ホームデポのような株価の推移が、柳下さんがイメージする価値創造している企業価値のイメージだそうです。

ということで、株式投資をされている方にとって、長期間投資し続けることで、大きな果実を得たい方には、この企業も最適ではないかとないかと思い、紹介しました。

調整局面に入っている今は、新たに株式を購入する人にとっては、ちょうどいいタイミングではないかと私は思います。