「すべての不調は自分で治せる」を読んで

今日は藤川徳美さんの「すべての不調は自分で治せる」を紹介します。

藤川さんはご自身が精神科医でありながら、医療機関で行う治療の大半は、栄養を軽視している対症療法であり、病気を治してくれるわけではないことをまず述べます。

一方で、現代人に足りていないタンパク質及びビタミン(女性は鉄)を取ることで、「慢性疾患を自分自身で治せる」というのが、著者の主張です。

その基礎となるものが、オーソモレキュラー栄養療法(食事やサプリメントなどを用いて体を構成する働きを向上させ、人間が本来持っている治癒力にアプローチする療法)です。

目次

第1章基礎編・質的栄養失調はタンパク質が治す

第2章分子栄養学の実践。自分で治す目がビタミン

第3章日本の医師はなぜ栄養のことを知らないのか

第4章分子栄養学に基づいた慢性疾患の症例集

①バランスよく食べている人はみな栄養失調(タンパク質が圧倒的に足りていない)

「野菜中心で、脂分、塩分、添加物を控え、バランス良い食事が大事」

この日本人の常識ともなっている食事の考え方により、体調不良や慢性疾患になるというのが著者の第一の主張です。

このようなバランスの良いとされる食事を続けた結果、「糖質過多+タンパク不足+ビタミン不足+鉄不足(女性)」に陥っているそうです。

分子生物学によると、生体はDNAによって制御されており、健康を損ねている人の身体では、DNAの指令が完全に遂行されていないということになるそうです。

そのDNAにはアミノ酸の配列を決める設計図が書かれており、その情報に基づいて生体の維持に必要なたんぱく質がつくられていくという仕組みになっていること、つまり遺伝子からの情報が転写され、翻訳されてタンパク質が合成されるそうです。

必要なたんぱく質を合成し、また分解、合成。

つまりこのたんぱく質の代謝が保たれていることが「生きていること」だそうです。

このたんぱく質を取るには、肉、魚、卵といった食事からとることになりますが、必要なたんぱく質は体重÷1000が最低量

また、妊娠中の女性や成長期の中高生は×1.5は必要だそうで、取り過ぎて問題になることはないそうです。

例えば体重50㎏の女性であれば、食事でとるとなると、卵3個(20g)+牛肉200g(30g)が最低ラインとなってしまいます。

この食事で足らない部分をプロテイン(1日20g×2回)で補いましょう。

これが、著者がご自身の医院でも患者に処方し、成果が出ていることから、強く提唱している話です。

②タンパク質を取れたら、ビタミン+鉄(女性の場合)

タンパク質が取れるようになったら、次はアデノシン三リン酸(ATP)を取る事が大切になるそうです。

接種した糖質を好気性代謝で完全燃焼させることが大切で、そのための糖質代謝にビタミン、ミネラルが消費される。

その消費される補酵素にビタミンB、C、E、そして女性が不足する鉄を取るというのが、基本の4点セットだそうです。

尚、医療業界は薬物治療を中心に据え、ビタミンなどの栄養に対して信頼を削ぐ活動をしている

その活動や医学論文の裏に、製薬メーカーが資金を拠出していて、これが、オーソモレキュラー栄養療法が世界中に広がらない理由だと述べています。

③日本のオーソモレキュラー栄養療法の問題点とは

日本において、オーソモレキュラー栄養療法(食事やサプリメントなどを用いて体を構成する働きを向上させ、人間が本来持っている治癒力にアプローチする療法)を取り入れている病院は増えているといいます。

しかし、高額の医療用サプリを使わないといけないと指導する医院が多く、欧米の医師が「あなたがあなた自身の医師」であること、どんな人でも実践できるように安いサプリを購入できるよう配慮しているのに対して、考え方が全く異なるようです。

また、ソイプロテイン、ヘム鉄の推奨も日本独自で効果が薄いものをわざわざ推奨していることを指摘しています。

④自分の所感

私はこの本に感化され、毎日プロテイン20g×3回、及び食事をタンパク質中心(夜は炭水化物摂取ゼロ)に切り替えることにしています。

睡眠のとり方(極力7時間以上)や、朝散歩の取り入れ、仕事の時間術、断酒など、他にも同時に実施していることがあり、その相互作用が働いているとは思いますが、高校時代に次ぐ最高の体調を実現していると体感しています。

(高校時代に次ぐと書いたのは、体重を高校時代に落とし、更に健康な体を目指すことを計画しているからです。)

今の時代は、ネットから一次情報を広い、その内容を書籍でより正確に理解し、直ぐに実践できる環境が整っています。

私は、この藤川さんの考え方、実践方法を極力世の中に広め世の中の人に更に健康になってもらいたいと思い、この本を紹介しました。

あとは、本当は藤川さんの医院が東京にあれば良いのにと思います。

体調を最高のものにしたいと考える人は、是非読んでみてください。