「無理なくやせる科学的メソッド 肥満外来」を読んで

最近家族から何故全然痩せないのかしつこく問われることが多くなりました。

我が家は妻の遺伝、そして私自身も学生時代そうだったように、やせ型家系。

そんななかBMI25辺りをうろちょろしている私になんだか痩せてもらいたいようです。

私自身は、最近の体調は悪くはなく、あまり減量に意識は行かないのですが、改めて「痩せる」とはどういうことなのかを理解するためにこの本を手に取りました。

著者:UnMed Clinic Motomachi院長/内科医/産業医 高倉 一樹

出版社:講談社

最初から理解しやすいです。

「持続可能なのは「がんばらない」ダイエット」

「この本を読み終えるころには、「自分の食欲や体重に振り回される」ことによる迷いから解放され、

「自信が持てない自分」から抜け出し、

多少の体重の増減に対してもすぐにリカバリーできる「調整力」を身に付け、

健康でポジテイブなライフスタイルを無理なく持続できる道筋が描けるはず」

目次

序  絶対失敗しない!3つのマイクロアクション

   医師が教える減量の出発点、「運動」より先にやるべきこと

   まずは「小さく」始めよう!一日3分のマイクロアクション

第1章 肥満は「健康のすり減りサイン」

   健康寿命、がん、認知症・・・肥満は未来を削っていく病

第2章 食欲を整える

   食欲を無理に抑えず、うまく「整える」付き合い方

   「食欲と上手く付き合う」5つのマイクロアクション

第3章 脂肪を燃やす

   筋肉を守り代謝を促す「老けない」やせ方

   「脂肪を燃やす」6つのマイクロアクション

第4章 リバウンドを防ぐ

   「維持期」こそ真のスタートライン

   絶対にリバウンドしないための4つのファクター

第5章 「体内システム」の連係プレーがカギ

   ダイエットの敵にも味方にもなる「ホルモン」の存在

   あなたの体力チームメンバー

第6章 「メデイカルダイエット」という選択肢

   ‘小さな一歩‘を続けられない人の「治療薬」で整えるという方法

   意思と共に見直す5Aがあなたの意思決定と行動を変える

終章  ダイエットは「自己効力感」を育てる旅

   「続ける力」をはぐくむための7つの原則

①医師が教える減量の出発点、「運動」より先にやるべきこと

やせたいなら、まず「イン」を見直すのが最優先。

医学的に体重の増減は「エネルギーバランス」によって決まる。

つまり摂取エネルギーと消費エネルギーの差。

この消費エネルギーには基礎代謝が全体の60-70%を占め、身体活動による活動退社が20-30%を占めるそうです。

高倉さんは運動による消費エネルギー以上に基礎代謝による消費エネルギーに着目して生活習慣を整えることが減量のカギだと考えます。

また、実際に体重が増える原因の大半は、アウト(消費エネルギー)が減ったことよりも、イン(摂取エネルギー)が増えたこと。

つまり食べ過ぎの状態にあるそうです。

だからこそまず見直すべきは「食べる量」すなわち「どれだけ運動をがんばるか」ではなく、「どれだけ無理なく、継続的にエネルギー摂取を整えられるか」

-この視点の転換が成功する減量のカギだそうです。

また、我慢すればするほど、脳が「もっと食べたい」と叫び始める。

だからこそ「自分に優しくする」姿勢が大切だと高倉さんは考えるそうです。

では、無理なく食欲を整えていくにはどうすればよいか。

・しっかり寝る(6時間以上)

・きちんと食べる(1日3食+必要に応じておやつ)

・ちゃんとストレス発散をする

まずしっかり寝る。

私達の身体では、眠っている間にレプチンというホルモンが分泌され、「もう満腹だよ」と伝える役割を果たすんだそうです。

十分な睡眠を取ることで、レプチンが適切に分泌され、自然と食欲が抑えられやすい状態が保たれるそうです。

一方、睡眠が不足するとグレリンというホルモンが増える。

このグレリンは「もっと食べたい」と脳に伝える働きを持っており食欲を強く刺激する。

その結果、寝不足の日には「いつもよりお腹が空く」「甘いものや炭水化物がほしくなる」といった状態が起こりやすくなるそうです。

次に一日3食を普通に食べることが、過剰な食欲や衝動的な過食を防ぐための予防的なアプローチになる。

食べ過ぎない範囲で、なるべく決まった時間にエネルギーを供給することで、無理なく食欲を整えることができる。

最後にストレスを感じたとき、体内ではコルチゾールというホルモンが分泌され、このホルモンには血糖値を上昇させ、食欲を増す作用があるそうです。

だからこそストレスを貯めこまず、こまめに発散することが非常に重要で、自分なりの気分転換の手段やこまめなストレスリセットの方法を持っておくことが大切なセルフケアになるそうです。

体重という数字の変化よりも先に、「なんだか身体が楽になってきた」「気持ちが軽くなってきた」そんな小さな実感が芽生えてきたなら、それは確かな変化のサインだそうです。

高倉さんが提唱する「失敗しようがない」3つのマイクロアクション

それは、

①1分間の瞑想

(意識を呼吸に集中させ、静かに1秒吸って、2-3秒で吐く呼吸を繰り返す。

このような瞑想は脳の疲労を癒し、集中力やモチベーションの回復にも役立つ)

②1分間の「ストレッチ・体操」

片足立ちや軽いスクワット、合唱ストレッチ、グーパー運動など血流やリンパの流れが促進され、副交感神経が優位となり、自然なリラックス状態が引き出される

③1分間の「好きなものタイム」

「毎日15時に1分間だけ甘いものを味わう」と時刻までルール化しておくことで、無計画な間食を防ぎながら、気持ちの切り替えや仕事へのモチベーション維持にも繋がることができるそうです。

減量を始めようとする人によくあるのが、「朝にランニングを始めよう」とか「ジムに通おう」という決意ですが、実際には継続が難しいアクションの一つでもあり、やがてやめてしまうというのがよくあるパターンです。

だからこそ「これなら今すぐできる」「多少疲れていても無理なく取り組める」、

そんなマイクロアクションこそが本当に意味のあるスタート地点になるそうです。

また、ダイエットにおいて、自分自身がある行動に対して、有効に働きかけられるという感覚、つまり「自分にはできる」という自信ができることが想像以上に強力な武器になるそうです。

②肥満は「健康のすり減りサイン」

2024年、世界的医学誌にて「肥満」と定義される人の数が10億人を超えた。

つまり全人類の8人に1人が肥満状態にある計算になるそうです。

さらに世界肥満連合の推計によれば、2035年までに世界人口の半数以上が「肥満」もしくは「過体重」になると予測されているそうです。

日本ではBMI25以上の肥満者の割合は、男性で31.5%、女性で21.1%にのぼるそうです。

この肥満によって早期死亡および健康寿命の短縮に明確に関係していること、

そして高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病に加え、がんの発病リスクを高めるとされる種類が13種類(大腸がん、乳がん、子宮体がん、腎臓がん、食道がん、すい臓がん、肝臓がん、卵巣がん、胆のうがん、甲状腺がん、多発性骨髄腫、前立腺がん、胃がん)に及ぶそうです。

更に認知症は高齢者の病気と思われがちですが、実際には40-50代の生活習慣の中で、静かに進行していることが分かっており、「40代、50代の体型で決まる」可能性があるそうです。

一方、やせればやせるほどいいというわけでもなく、安定したBMI(日本人では21-23程度、185.5㎝の場合73-79㎏)が最も望ましいそうです。

③食欲を無理に抑えず、うまく「整える」付き合い方

制限はストレスを生み、ストレスはリバウンドの引き金になる。

従って「いかに抑え込むか」ではなく、「どう整えていくか」という視点で食欲と向き合っていくことを高倉さんは提案しています。

【炭水化物】(糖質)すぐに仕えるエネルギー源として一番効率的

【脂質】エネルギー量は多いが消費されにくく留まりやすい

【タンパク質】筋肉や内臓などをつくる材料として不可欠

このうち身体に貯めておけるのは糖質と脂質だけで、タンパク質には「余ったから取っておこう」という仕組がないため、不足しないように意識的に取る必要がある。

糖質なら、活動量の多い朝や昼には必要な分はきちんと取り、一方夜は控えめに。

脂質は量を意識すること。

そしてタンパク質は一日を通じてしっかりとる事を意識するとよいそうです。

「食欲と上手に付き合う」5つのマイクロアクション

食欲攻略①ガムを噛む-「リズム運動」が食欲を分散処理

高ストレスかでのパフォーマンスを維持するためのセルフマネジメントの一つとして、ガムを噛むという「リズム運動」が脳のストレス反応を和らげ、心身の安定に寄与すると考えられているそうです。

また、このリズム運動は脳内ホルモンであるセロトニンの分泌とも関係しているそうです。

ポイントは「気軽に、短期間で」取り入れることにあり、味がなくなるまでの1-2分だけと決めておけば、余計な糖質を取ることもなく、行動にメリハリを付けることもできるそうです。

食欲攻略②屋外でランチする-幸せホルモンを味方に

日光を浴びることで、脳内では「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌されることから、屋外に出て日光を浴び、少し歩いてから食事を取ると食後の集中力や判断力に好影響が現れるそうです。

食欲攻略③チョコレートを1-2粒食べる

夜になると、つい食べ過ぎてしまう。

この原因の一つが「空腹によるストレス」のため。

昼飯から夜飯までの時間が長くなると、血糖値が下がり、体内は「低血糖状態」になることから、飢餓のサインと捉えられるそうです。

そこで午後にチョコレートを1-2粒食べるという戦略で午後の感触が夕食の過食を防ぐ手段として有効であるそうです。

食欲攻略④「推しの動画」を一本見る

お腹は空いていないのに、なぜか何か食べたくなる。

この空腹感は多くの場合、実際にはエネルギーが足りていないわけではなく、「感情の空腹」、

脳にとって満たされていない状態として認識されることから、感情をリセットするための選択肢をあらかじめ用意しておくと良いと言います。

食欲攻略⑤毎日必ず自分を褒める

一日に一回は必ず自分を褒めてあげる。

高倉さんのクリニックでダイエットに成功している方は、「できたことを、ちゃんと自分で認めている」ということ。

「今日は間食を我慢できなかったけれど、夕食の量は控えめにできた」「ウオーキングはいけなかったけれど、こまめな水分補給はできた」このようにできたことに目を向ける姿勢こそが継続に繋がります。

スペシャルアクション‐寝る3時間前までに夕食を済ませる

夜間は代謝が下がり、夜は自然と省エネモードに切り替わることから、同じ量の食事でも、夜遅くに食べる方が脂肪として蓄えやすくなること、そして就寝直前に食事をすると身体がしっかり休めず、睡眠の質が下がる。

その結果、成長ホルモンの分泌が十分に行われず、脂肪燃焼のチャンスを逃してしまう。

逆に夕食から3時間以上開けてお腹が落ち着いた状態で眠りと、身体は消化から回復モードにしっかりと切り替わり、成長ホルモンも十分に分泌される。

まさに寝ながらやせるイメージに最も近い状態になるそうです。

続かない運動や義務のようなジム通いは思い切って辞めてしまう一方、睡眠中の脂肪燃焼を活用し、寝る数時間前に胃腸を休ませる意識ひとつで日々の生活習慣は自然と変わっていくそうです。

④脂肪を燃やす

体重を落としたいと考えるとき、まず浮かぶのは「運動する」という発想かもしれない。

しかし実際にはそれだけでは成果が出にくいのが現実であることから、高倉さんは無理な運動をすすめていないそうです。

その代わりに日常生活の中に「代謝を促す整った流れ」をつくることにあるそうです。

脂肪燃焼①深呼吸する―自律神経を整え代謝スイッチをオン

深呼吸がもたらずダイエットにおける最大のメリットは、自律神経の切り替えを促すことにあるそうです。

副交感神経が優位になると、代謝が整い、エネルギーがスムーズに回り始める。

1秒吸って2-3秒かけて吐く。

これを1分間だけ繰り返す。

これだけで脳の緊張が和らぎ身体のモードが緊張状態から解放されるそうです。

集中力が切れたタイミングや、タスクの合間に一息つくときこそ、深くゆっくりとした呼吸を意識すると良いそうです。

脂肪燃焼②水を飲む

水を飲むのは、喉の渇きを癒すためだけではなく、代謝の活性化につながる。

十分な水分があることで、内臓の働きが整い、エネルギーの消費も促進される。

更に脱水は集中力や思考力、判断力が低下すると言われているそうです。

喉の渇きを感じたときには、すでに軽度の脱水が始まっている。

だからこそ水は「仕組として飲む」のが理想だそうです。

脂肪燃焼③一日1分筋トレする

少しでも筋肉が増えれば、何もしなくても脂肪の燃えやすい身体になる。

一方、筋肉量を増やすために、働きながら毎日1時間のジム通いをしたりジョギングの習慣化などは現実的ではない。

そこで、一日一分の筋トレをお勧めしているそうです。

筋トレの種類は自分に合ったものを選ぶので良いそうですが、「一分スクワット」をおすすめしているそうです。

短時間でも筋肉はしっかりと刺激されたと認識し、基礎代謝が活性化し、脂肪の燃焼効率が高くなるそうです。

また、一分間筋トレは失敗しにくいそうなので、「今日はできた」という小さな達成感を積み重ねることができるそうです。

脂肪燃焼④集中して仕事する

運動らしい運動をしていない時間にも、知らず知らずのうちにエネルギーを消費しており、その代表格が「仕事に集中している時間」だそうです。

脳は身体の中でもっとも多くのエネルギーを消費する臓器の一つで、精神をフルに働かせている時間はれっきとしたエネルギー消費の時間でゴールデンタイムだそうです。

脂肪燃焼⑤軽いストレッチを行う

長時間のデスクワークは、筋肉への血流が滞りやすくなり、「栄養や酸素が届きにくい」

状態に陥る。

その結果、筋肉がかたくこわばり、肩こりや腰痛の原因になるだけでなく、血行不良が代謝の低下に繋がると考えられている。

従い、「疲れてからほぐす」」のではなく、「疲れる前にほぐす」という意識が大切で、首をゆっくり回す、方をぐるぐる回す。

足首をくるくる回すといった動作で小さなほぐし習慣が血流と代謝のめぐりをサポートしてくれるそうです。

脂肪燃焼⑥安心できる人との交流

ストレスによるホルモンの変化が、内臓脂肪の蓄積や過食の引き金になっている。

このストレスを感じたときに分泌されるホルモンがコルチゾールで、慢性的に分泌され続けると、身体が内臓脂肪を貯えやすい状態へと変化してしまう。

この過剰なストレスを防ぐ掘る音がセロトニンで、セロトニンの分泌を促す方法の一つが、「他者との繋がりの時間」だそうです。

こうした日常のさりげない交流が脳内でセロトニンが分泌されるきっかけになるそうです。

⑤「メデイカルダイエット」という選択肢

高倉さんが肥満外来を経営していることもあり、「小さな一歩」を続けられない人の「治療薬」で整える方法も紹介しています。

医師の管理の元、科学的に効果が実証された薬の力を借りながら、適正体重への道のりをサポートしてもらう。

例えば「GLP-1受容体作動薬」を用いて、食欲を自然に抑える働きをもつ医療用の治療薬を用いて、自然とやせやすい体質へ導くことが可能になるそうです。

意志の力で無理やり我慢するのではなく、「食べたい」という衝動そのものを穏やかにしてくれる。

という効果が得られるそうです。

⑥本を読んでみて

改めて睡眠、ストレス解消、整えることの大事さを理解する本でした。

兎に角無理をするダイエット、我慢するダイエットはリバウンドがあり、意味がないことを気づいたいい本でした。

良かったら、手に取って本書をお読みください。