「複利で伸びる1つの習慣」を読んで-習慣化による長期的な改善

本日紹介する本はジェームズ・クリア式「複利で伸びる1つの習慣」です。

この本は、様々なYoutubeチャンネル(257) 【要約】ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣【ジェームズ・クリアー】 – YouTube、または幻冬舎の箕輪さんなど複数の方が紹介しており、今回何とか自分のものにしたいと考え、私の頭に叩きこむために紹介がてら、内容を纏めてみました。

ジェームス・クリアーさんは、「習慣」「意思決定」「継続的改善」を専門都市、書評の執筆、講演を多数行っており、NBA、NFL、MLBでも利用されているそうです。

目次

基本 なぜ小さな変化が大きな違いをもたらすのか

第一の法則 はっきりさせる

第二の法則 魅力的にする

第三の法則 易しくする

第四の法則 満足できるものにする

さらなる戦略 改善するだけでなく、本物になるには

➀なぜ小さな変化が大きな違いをもたらすのか

まず、クリア-さんは、100年超成績が振るわなかった2003年の英国自転車連盟の監督にブレイルスフォードさんが起用された後の成功事例を紹介しています。

「自転車に乗ることに関係するものをできるだけ細かく分けて、それぞれ1%ずつ改善したら、全部合わせたときにすばらしい改善になる」

このことを小さな修正から始めたそうです。

自転車のサドルを座りやすく改良し、タイヤにアルコールを塗って滑りにくくする。

選手に電熱ヒーター入りのオーバーパンツをはかせて、走行チ中の筋肉温度にどれくらい効果があるか記録する。

屋内レース用のサイクリングスーツの方が軽くて空気抵抗が小さいことを実験で確かめ、屋外選手も使う。

様々なマッサージジェルを試し、一番早く筋肉を回復させるものを見つける。

医師にもっとも効果的な手洗いの方法を指導してもらい、選手たちが風邪をひかないようにする。

夜に熟睡できるように、各選手の枕やマットレスを指定する。

その他にも何百という小さな改善を積み重ねていくと、その結果は思いがけないほど早く現れ、2008年の北京五輪でのロードレースとトラックレースを制覇から始まり、その後オリンピックやツールドフランス、世界選手権で何度も優勝したそうです。

この事例から、クリアーさんは、人は兎角、ある決定的な瞬間を過大評価し、日々の小さな改善を過小評価しがちで、大きな成功には大きな行動が必要だと、私達が思い込みやすいことを指摘しています。

一方、毎日一パーセントよくなったら、1年後には37倍よくなること。

小さな勝利も敗北も習慣の効果は、繰り返すことで、はるかに大きなものと考えるそうです。

一方で、例えば三日間続けて事務へ行っても、すぐに体形は変わらないことから、いつもの生活に戻ってしまう。

だから今成功しているか、そうでないかは問題ではなく、重要なのは、習慣が自分を成功へと導いているか。

小さな利益、小さな損失の曲線をたどって、日々の選択が十年後や二十年後にどんな成果をもたらすのかを見るだけだそうです。

毎月の収入より支出の方が少ないか。

毎週ジムに行くようにしているか。

毎日本を読んだり新しいことを学んだりしているだろうかといった小さな闘いが未来を決めることになる。

そして、良い習慣は時間を味方にし、悪い習慣は時間を敵に回すとも言っています。

また、著者は、

ひとは勝者の「目標設定」が成功をもたらしたと錯覚するが、同じ目標を持っていた他の人たちが全員負けたことを見逃す。

小さな改善の継続という仕組みを実行してはじめて、異なる成果を獲得してること。

また、目標達成は一次的な変化に過ぎず、目標を達成したら幸福になれるという考え方は、目標の節目まで幸福を先延ばしをし続けることである。

仕組み第一主義なら、仕組みが進んでいれば、いつでも満足できる。

目標設定の目的はゲームに勝つことに対して、仕組みを作る目的はゲームをし続けることであり、終わりない改善と継続的な向上のサイクルについて考えることが大事だといいます。

②習慣がアイデンテイテイ-を形成する(逆もまた真なり)

良い習慣を数日以上続けるのは、まじめに努力したり、たまにやる気を出しても難しいものである。

一方、いったん習慣が身に付いたら、永遠に離れられない。

その為に変えようとするものを間違えないことが大事なんだそうです。

つまり、第一層が結果の変化、第二層はプロセスの変化、第三層はアイデンテイテイの変化とあり、大事なのは、アイデンテテイ、つまり信念の変化が起こることを意識すべきなのです。

しかし、多くの人は、何を達成したいかを意識して習慣を変えようとする。

アイデンテイテイを変えるとは、例えば、目標はマラソンに出ることではなく、ランナーになる。

目標は本を読むことではなく、読書家になる。

このようにアイデンテイテイのある側面をいったん信じたら、その信念に沿うように行動しがちとなるそうです。

また、多くの人が意識もせず盲目的にアイデンテイテイに組み込まれた基準に沿って生きており、考え方や行動がアイデンテイテイに深く結びついているほど、変えるのが難しいそうです。

では、このアイデンテイテイはどのように生まれるかというと、経験を通じて学び、習慣となるものだそうです。

行動を繰り返せば繰り返すほど、その行動に関係するアイデンデンテイテイが強められていく。

クリアーさんも、最初の数年間、毎週月曜日と木曜日に新しい記事を発表することで、証拠が増えるにつれて、自分は作家だというアイデンテイテイも育って行ったそうです。

証拠が増えるにつれて、自分は作家だというアイデンテイテイが育ってったそうで、作家として始めたわけではないそうです。

尚、この習慣形成のプロセスは、一瞬で新しい人になろうと決心しても変われるわけではなく、少しずつ、一日一日、習慣を行うごとに変化していく。

継続的に自己の小さな進化を経ていくのだそうです。

その際、➀どのようなタイプの人になりたいか決める。②小さな勝利で自分自身に証明する。

たとえば「本を書けるのはどんなタイプか」考えるにあたり、おそらく堅実で信頼できる人物と想定し、焦点を本を書くこと=結果ベースから、堅実で信頼できる人になること=アイデンテイテイベースに変える。

このことで、価値観や主義やアイデンテイテイによって、成果よりも習慣のループを引き出すことが大切であり、ある結果を得ることよりも、そのようなタイプのひとになることにいつも意識を向けるべきだそうです。

③シンプルな四つのステップで良い習慣を身につける

習慣形成のプロセスは、シンプルな四つのステップに分けることができるそうで、それは①きっかけ、②欲求、③反応、④報酬だそうです。

まずはきっかけが報酬を予測させるわずかな情報から、脳に行動を起こさせる。

欲求は心の状態を変えたいという願望から行動の原動力となる。

更に実際に行う習慣により、反応が起こる。

それはどれだけやる気になっているか。どれくらい抵抗を感じるかによるそうです。

最後に反応が報酬をもたらす。報酬を追い求めるのは、満足と学習であり、とにかく欲求を満たすことであり、どの行動が今後も覚えておく価値があるか教えてくれるそうです。

つまり、きっかけ、欲求、反応がなければ、習慣は始まらず、報酬が願望を満たせなければ今後それを行う理由がなくなる。

これを良い習慣にするには、きっかけ=はっきりする、欲求=魅力的にする、反応=やさしくする、報酬=満足できるものにするとなる。

このきっかけをはっきりさせ、習慣得点表を作成し、実際に何が起きているか気づくことが大事だそうです。

次に、実行意図を作るための公式は、『いつ、どこで』新しい習慣を行うか明確な計画を立てる人は、最後までやり通す可能性が高いということ。

また、大事なコツは、身に付けたい習慣を、すでに行っている習慣と結び付けることで、一つの行動が次の行動を招くという自然の勢いを利用することができるそうです。

更に、身に付けたい習慣を行いたいのに、毎週月曜日にしか起こらない習慣の上に積み上げるのではなく、現在の習慣を思いつくままリストアップし、その習慣に積み上げる。

そのためには、きっかけが具体的ですぐ実行できるときがうまくいく。

例えば昼食のためにパソコンを閉じたら、机の横で腕立て伏せを10回する。

これであいまいさが消えるそうです。

つまり行動変化の第一の法則は「はっきりさせる」ことであり、実行意図や習慣の積み上げのような戦略は習慣のための明らかなきっかけを作ったり、いつ、どこで行うかという、わかりやすい計画を考えたりするのに、もっとも役立つそうです。

④モチベーションを過大評価せず、環境を重視する-欲求の作り方

どの習慣もきっかけによって始まる。

そして、目立つきっかけには気づきやすい。

残念なことに、行動を引き起こすきっかけが目立たないために、生活や仕事の環境がその行動をしにくくしてしまうことがある。

環境を作り変えて、好ましい習慣のきっかけをはっきり見えるようにする方法は、例えば毎晩忘れずに薬を飲みたいなら、薬の便を洗面所の蛇口のすぐそばに置くなど、引き金となるものを周囲にちりばめることで、一日中その習慣のことを考えていられるようにする。

良い習慣のきっかけが目の前にあれば、良い決断をすることは自然で易しいものになるそうです。

また、クリアーさんが起業家として仕事を始めたころ、ソファーやテーブルで仕事をすることが多かったため、夜になっても仕事をやめるのが難しかったそうです。

一方、一つの場所を一つの使い方としておくと、新しい習慣を身に付けられるそうです。

他にも、人は周りの人の行動に習うことから、望ましい行動が普通の行動である文化を持つグループに加わる事。

また、集団に加わることで、その規範に従うため、習慣を変えることになる事。

更に力のある人、非常に成果を上げている人を真似ることで、習慣を変えることもできるそうです。

⑤ゆっくり歩もう、でも後退してはいけない-反応(如何に抵抗なく持続するか)

習慣形成とは、繰り返しによって、行動がしだいに自動的に起こるようになる過程のことだそうです。

身体の筋肉が日々のウェートトレーニングによって変わるように、脳愛の特定の部位が使われると適応して大きくなり、放置されると委縮する。

また、すべての習慣は、努力を要する行動から自動的なものへと、同じ軌跡を描いていく。

この過程を自動化といい、いちいち考えずに行動できる状態を指し、無意識がその行動を引き受けた時に起こる。

更に一日の行動の40-50%は習慣で行われており、習慣による自動的な選択があとに続く意識的な決定に影響する。

その際、どの日も多くの瞬間で成り立っているが、あなたの行く道を決めるのは、ほんの数個の習慣的選択であること。

この小さな選択が積み重なり、それぞれが軌道を描いてこれからの時間をどう使うか決定していく。

習慣は入口であり、目的地ではないこと、つまり新しい習慣を始めるときには、二分以内にできるものにするというルールを使うことだそうです。

例えば、「毎晩寝る前に読書する」は「1ページ読む」に。

「五キロ走る」は「ランニングシューズの靴ひもを結ぶ」に。

このように、できるだけ始めやすくするアイデアだそうです。

大事なことは何かを行うことではなく、習慣が現れるようにすることだそうで、易しいことをいつも行い、最適化する前に、標準化することが大切だそうです。

更に言えば、続けることは仕事のように感じられない程度にとどめておくことだそうで、うまくいきそうになったら、すぐにやめることで、自分が築きたいアイデンテイテイーを高めてくれるそうです。

例えば二分間だけでも、五日間連続でジムに行ったら、新しいアイデンテイテイ-に票を投じたこととなるそうです。

それは、既にジムに連続して通っている時点で、身体を鍛えたいと悩んだりせず、運動を欠かさず行うタイプの人になることに力を注いでいる、なりたいタイプの人だと証明するための最小限の行動を取っていることになっているそうです。

⑥行動変化の大原則-即時報酬の環境作り

現代社会では、今日あなたがした選択がすぐに利益をもたらすことはない。

良く働いたら数週間後に給料が貰える。

今日運動したら、多分来年も体重が増えずに済む。

今貯金したら、数十年後の退職に向けて十分な蓄えができる。

つまり、我々は、科学者が「遅延報酬の環境」と呼ぶ世界に住んでいると考えるそうです。

一方、人間は20万年前から、何を食べるか、どこで眠るか、どうやって捕食動物を避けるかといった絶えず現在やすぐ先のことに集中する「即時報酬の環境」に適した脳を持っており、遅延報酬の環境へと変わったのは、500年くらいのことである。

つまり、脳は未来より現在を高く評価し、未来に貰えるかもしれない報酬よりも、今確実にもらえる報酬の方が通常は価値が高い。

このことで、肥満になりかねないと分かっていて食べ過ぎたり、性感染症になるかもしれないと分かって危険なセックスをする。

これは、悪い習慣による結果は遅れてやってくるが、報酬はすぐに得られるからだともいえる。

このことから「すぐに報われる行動は繰り返す。すぐに罰せられる行動は避ける」

人間はそういう性質があるため、多くの人が、一瞬で得られる満足感を追いかけて日々を過ごそうとする。

遅れて得られる喜びを求めようとする人は少ない。

実は殆どの人は、喜びを遅らせるのが賢明だと知っている。

良い習慣による恩恵を手に入れたい。

健康になり、生産的になり、心穏やかに過ごしたい。

しかし、決定の瞬間には、これらがめったに心に浮かばない。

そこで、最善の方法は、長期的に見返りのある習慣にほんの少しの即時的な楽しみを付け加え、逆に見返りのない習慣には即時的な痛みを少し加えることだといいます。

この即時報酬が必要なときとは、じつは行動が終わるときだといいます。

つまり、習慣が終わるときに満足させる即時報酬を結び付けるものだそうです。

例えば買い物を我慢するたびに、同じ金額のお金を口座に入れていく。

貴方が欲しいものの名前をつけ、朝のカフェラテの我慢、ネットフリックスをひと月我慢したことで10ドル入れていくことで、お金が貯まっていくのを見るという即時報酬は、我慢しているよりずっといいそうです。

やがて、気分の改善や活力の充実、ストレス軽減という本質的な報酬が始まると、補助的な報酬への関心が薄れてきて、アイデンテイテイーそのものが強化因子となるそうです。

また、良い習慣を毎日続けるこつとして、習慣を行ったかどうかを図る習慣トラッカーを使い、例えばカレンダーにルーテインを守った日を線で消すことだそうです。

最後の行動を記録することで、次の行動を始めるきっかけとなる事。

また前に進んでいるという印があることでモチベーションを上げられる。

更に記録することが気分を良くし、報酬になりえるそうです。

⑦纏め-行動変化の四つの法則

成功は到達すべき目標でもゴールラインでもなく、大切なのは、改善の仕組みであり、果てしなく改良し続けるプロセスであること。

行動変化の四つの法則。

ときには習慣を忘れてしまうことがあるからまず習慣化する為に、きっかけを「はっきりさせる」必要がある。

また始めたくないときには「魅力的にする」必要がある。

また習慣が難しすぎると感じることが多いので、その場合に環境を整備して「易しくする」

そして続ける気になれないときには短期的な報酬を作り出し、「満足できるものにする」

この持続的なプロセスと捉え、ゴールラインはなく、恒久的な解決もなく、改善したいと思うたびに行動変化の四つの法則を回していけば、成果を得続ける秘訣となり、改善することをやめないだけで、驚くほどのものを築くことができる。

これが、筆者の伝えたい習慣化をするための考え方です。

⑦自分の所感-企業活動に使いたい

以前より、自分の仕事の習慣化という視点では、①自分の業界に関係するニュースを取得し、配信する、②客先関係者との対話を関係者全員に公開する、③社内で①、②を踏まえた内容を社外にフィードバックする。

この①から③の高速回転により、マーケテイング、営業としての成果を上げるという行為はしていました。

しかし、企業活動全般にも、上記習慣化の仕組みを取り入れることで、結果が出やすい組織づくりが出来るのではないかと感じています。

本書では、沢山の事例が出てきて、日本人の私には、少し本の全体感を掴むのに、時間がかかりましたが、言っていることは、至極全うで、取り入れられたら、うまくいく可能性が高いと感じました。

ということで、ご興味あれば、本書を読んでいただければと思います。