「4021の研究データが導き出す科学的な適職」を読んで

本日は、またまた鈴木 祐さんの「4021の研究データが導き出す科学的な適職」について、紹介します。

鈴木さんは出版社に勤務した後、独立。

10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ね、多数の執筆を手掛けています。

この本も、「会社/仕事選び」に際して、世の中一般で流布されていることが、科学的に間違っていることが多く、失敗を減らすには、どう考えて行動すればよいか、これでもかというぐらいの具体的な実践方法の紹介をしています。

かく言う私も、1回目の転職では、転職先の実態、業界構造などを見抜くことが出来ず、1年も経たずに2回目の転職。その転職の過程で、身に染みてこの本に書いていること(特に職場環境の重要性)を実感しました。

今日は、転職や独立を考えている人に、是非読んで欲しいと思い、この本を紹介します。

目次

最高の職業の選び方-なぜ私たちはキャリア選びに失敗するのか

スタップ1 幻想から覚める-仕事選びにおける7つの大罪

ステップ2 未来を広げる-仕事の幸福度を決める7つの徳目

ステップ3 悪を取り除く-最悪の職場に共通する8つの悪

ステップ4 歪みに気づく

ステップ5 やりがいを再構築する-仕事の満足度を高める7つの計画

➀7つの大罪(1.好きを仕事にする、2.給料の多さで選ぶ、3.業界や職種で選ぶ、4.仕事の楽さで選ぶ、5.性格テストで選ぶ、6.直感で選ぶ、7.適性に合った仕事を求める)

上の1から7で選ばなかったら、何で選ぶの?というぐらいこれまでの常識とされてきたことが著書で否定されています。

そのうち、「好きを仕事にする」「業界や職種で選ぶ」ことに関して、著者の調べた結果では、「好き」を理由に仕事を選ぶ人と、「仕事は楽しくなくていいけど給料は欲しい」を理由に仕事を選ぶ人を比較すると、1-5年の長いスパンで見た場合、両社の幸福度、年収、キャリアのレベルは後者の方が高かったという結果になったそうです。

また、「好き」で仕事に取り組むタイプ、「社会に貢献する」と思って仕事に取り組むタイプ、「仕事は仕事」と割り切って業務に取り組むタイプのスキルと仕事の継続性を確かめたところ、優秀で継続性が高かったのは、割り切り派だったそうです。

更に、業界に関する未来予想も、専門家の予想は50%しか当たらないことが立証されており、業種や職種についても、自分自身が今後変化する可能性を過小評価し、特定の選択肢を選んだことを後悔する可能性が十分にあると著者は述べています。

②仕事の幸福度を決める7つの項目とは。1.自由、2.達成、3.焦点、4.明確、5.多様、6.仲間、7.貢献

仕事の満足度を調査した結果では、アジアでも欧米でも上記7点に集約されるそうです。

例えば、1.自由では、作業を実行するスケジュールや、タスクの内容、社内ルールなどに好きに意見をいえる等、仕事のペースや労働時間等の裁量権が大きいか否かが大切だと著者は指摘します。

また、自分の仕事が少しでも前に進んでいるか、自分が防御型か攻撃型か適性を踏まえた上で、働き方を選ぶ(焦点)、自分と価値観が合う仲間が何人かいるか(仲間)などを上げています。

また、多様というのは、プロジェクトの川上から川下まで関与できるかなども自分の持つスキルや能力を幅広く活かしたり、業務の内容がバラエテイに富んでいることも、幸福度が高くなるそうです。

③幸福を破壊する職場の8つの「悪」1.ワークライフバランス崩壊、2.雇用の不安定、3.長時間労働、4.シフトワーク、5.仕事のコントロール権がない、6.ソーシャルサポートがない、7.組織内に不公平が多い、8.長時間通勤

前に上げた7つの項目が満たしていたとしても、結局労働時間、職務、そして生活全体に関して環境が整っていないと、幸福度が無いものになってしまう

これは、ある程度社会人を続けると、良く分かるのではないかと思います。

結局休日まで仕事のことを考えざるを得ない、物理的に睡眠をとる時間が短い、会社の業績が厳しく、賃金が安定しないなどは、長く続けるほどストレスが溜まっていきます。

このような仕事の幸福度、そして幸福を破壊する職場の悪を総合評価し、客観的に転職先を検討する手法も著書の中で述べられています

④歪みに気づく

著者は上記のような客観的な分析手法を使っても、まだ自分自身の意思決定力は、深刻なバグを抱えており、正しくキャリアを選ぶことはできないと言います。

その為、ものごとを決めるためのプロトコル(手順)を決めることが大切だと言います。

具体的には、

1.10/10/10テストをすること-この選択をしたら10年後にはどう感じるのだろう

2.失敗した時の想定をし、そのプロセスをイメージする

3.三人称で自分の悩みを書き出し、複数の観点からベストの対策を導き出す

4.友人に頼る

このような手法を使い、自分の意思決定を客観的に見つめる、そして最後に普段の仕事の中でも、やりがいを再構築を検討するといった過程をたどると良いとあります。

⑤私の所感

私は、1回目の転職をする際、この本を読んで、上にある手法で客観的な分析もしたつもりで、ベンチャー企業へ転職しました。

結果として、次の会社での在籍は1年と持たず、再度転職することとなり、代償としてストレスも起因しているものと推測される中、網膜剥離にもなりました。

その後、今の会社に拾ってもらい、凄く幸せに仕事が出来る状況になりました。

一連の転職の過程、そして2社目での仕事を体験したこと、現在の会社で働いていることに対して、悔いは一切ありません。

しかしこの本を再度読み返し、以前財部誠一さんが書いていた「負けない生き方」という著書の中で、「板子一枚下は地獄」、つまり「脈絡がない転職を繰り返した結果自らの提供できる付加価値が減り悲惨な人生に落ちていく」、という言葉を思い出しました。

昨今は、ベンチャー企業、スタートアップやフリーランスがもてはやされたり、大企業の硬直性が指摘されたりしていますが、自分の人生の岐路に立った際には、この本をしっかり読み、客観的に分析し、友人の話をよく聞いた上で、何が出来るのか、自分が本当に幸せになれるのか丁寧に考えることが大切だと感じ、この本を紹介しました。

PS. 私が1社目に転職した際に最後に在籍した事業部の大半の事業は親会社へ移管。

私のような営業の機能も、大部分縮小されるであろうことが先日発表になっていました。

但し、だからといって会社を首になることもないある意味従業員に優しい会社でもありました。

また、2社目の会社には、一緒に働いて最高だと思える人も何人かいたことも付け加えておきます。