今回は、古河久人さん著作東洋経済新報社出版「「最高のビジネス人脈」が作れる食事の戦略」を紹介します。
この本は、例によって一日一冊本を読んではXに投稿されている井上新八さんの紹介から手に取りました。
https://x.com/shimpachi/status/1862623267229753418?s=12&t=fgK1alCEi2OBd0de2ThLeA
古河(こがわ)さんが少しずつ交友関係を広げていったのが40代半ば。
その後年間800名近い人に会い、一緒に食事をした人の数は25年間で累計2万人。
うち半年間ではじめて食事をした人の数は150名、月平均5-10回の食事会を開催しているそうです。
また、いろいろな方に自分の得意分野で貢献した結果、社外取締役、顧問、理事、アドバイザーなど団体や企業の仕事をし、プライベートの活動も会社員時代より充実していて、今の方が忙しくしているんだそうです。
はじめに 楽しく食事をしながら人間関係を充実させよう
プロローグ 「食の力」で楽しく人間関係を広げよう
第1章 典型的な「超内向型人間」の私でも、「食の力」で「最高の人脈」がつくれた!
第2章 この「5つのステップ」で、人間関係はどんどん広がる!信頼関係も深まる!
第3章 「また会いたい」と思わせる一流のお礼メール&SNS&名刺活用術
第4章 ランチや個室・カウンターはどう使う?「誰と」「どの店で」「何を」食べるか「最高の会食術」
第5章 「幹事」ができたら、人間関係は急拡大する!効果絶大の「超ラクラク幹事術」
第6章 「内向型の人」でも会話が盛り上がる!あっという間に打ち解けられる!「すごい超会話術」
初めに-古河さんの考える「人間関係」「人脈」とは
古河さんが考える人脈、それは人との付き合いはあくまでも「1対1」の関係であり、長い時間をかけて、一期一会を大事に、一人ひとりとの関係を深めていった結果、多くの人とつながることが出来た。
一方、古河さんにとっての人脈は、人生を救ってくれる存在、人生を豊かにしてくれる存在なんだそうです。
人間はひとりで考えたり、学んだりすることには限界があるが、3人の力を借りれば、4倍の知識、4倍の人生経験を活用できる。
また、人と出会い、相手に興味を持ち、親密になると、自然と「相手に何かをしてあげたい」という気持ちが生まれる。
相手のことをより詳しく知ると「この人とこの人をつなげれば新しいことが始まりそうだ」とアイデアがうまれ、出会いを演出するようになる。
自分の介在で何かが形になるのは大変エキサイテイングなことであり、そこに貢献するのは幸福であると感じているそうです。
元々30代まで会社人間だった古河さん。
異業種交流会なども開催してものの、あまりうまくいかなかった40台半ば、グラフィックデザイナーとして有名な糀谷さんのワイン会に参加し、楽しかった経験から、糀谷さんのセミナーや公園にも参加、ワイン会や食事会に誘ってもらえるよう直談判し、糀谷さんを通じて古河さんのネットワークが加速度的に広がっていったんだそうです。
内向型人間でも、自分の好きなことをフックにして自分が幹事役となって人を集める。
古河さんの場合はワインが好きなので、ワイン会の開催から始めたそうです。
①まずは「出会いの機会」を広げつつ、準備を整える
①「幅広く」「長く」つきあう。
古河さんは、年上、年下を問わず、幅広い年齢層と付き合うことをお勧めしています。
20-30代 新鮮な考え、物の見方をしている年代
40代 管理職になり、視野が広がっていく年代。専門知識が豊富
50代 社会的な地位も備わり、経験も豊かになってくる年代
60代 与えること(ギブ)が喜びになってくる世代
人付き合いは「長い付き合い」を意識することも大事で、最低でも3年は必要だと古河さんは考えるそうです。
簡単に作った人脈は簡単に崩れる。
地道に積み重ねて10年経ったら、すごいことになる。
時間の経過とともに初期からのメンバーも社会的地位が高くなっているし、それによって人脈もまた段違いに広がっていく。
②発信する・公言する
人脈を構築したいなら、「自分から発信すること」折に触れて相手との接点を持ち、自分の近況報告、今何に取り組んでいるか、何に関心を持っているかこちらからこまめに、発信してみる。
また、「こういう人と知り合いになりたい」「こんな会に参加したい」という願望があれば、そのことを口にするのも大事。
③勇気をもっていろいろな場に出てみる
最初はいろいろな機会をつかまえて参加してみる。
「ワインの会」「趣味の同好会」「知人主宰の食事会」など。
ただし、内向型の方は、同じ趣味を持つ知り合いと一緒に行くことをお勧めするそうです。
④「相手に貢献できることはないか」と常に考え、行動に移す
自分の得意分野で相手に何か貢献できることはないか、相手に有益な情報を提供できないかなどを常に意識。
相手との会話の中で、相手の関心事項、困っていることを聞き出す努力をして、相手に提供する。
相手との信頼関係ができるまでは、こちらのお願いは極力控えることで、先方から思いもよらず、「あなたが得意そうだから」「解決してもらえると思って」といろいろな仕事のオファーが来たそうです。
⑤「名刺」「自己紹介」で自分を上手にアピールする
はじめて会に参加するときに自己紹介をする際、人脈を構築するために非常に重要なポイントがある。
ここが相手との距離を縮められるかどうかの分かれ目となり、その大きなアシストをしてくれるのが「オリジナル名刺」なんだそうです。
「自分はこういうことをやっている」「こういう人間です」「こういうことに興味を持っています」とアピールできる名刺、相手の興味を引く名刺、「これは何ですか?」と思わず聞きたくなる名刺があると、そこから自然と話が弾むそうです。
ちなみに、古河さんは「Kizuna Producer」として、獺祭の桜井会長と弘兼さんを繋ぎ、「獺祭 島耕作」が誕生した話などをされるそうです。
そのためには、
①自己分析をし、昔を振り返ってみる。何が好きだったか。何をしているときが好きだったか。
②他己分析 親しい友人、自分を良く知る人に自分の強みは何かを聞いてみる、
③更に自分が興味があると思ったことを深堀してみる。興味があることについて入門書を2冊ほど読み、専門的な本を10冊読む。そして「自分はこの分野に詳しい」と公言してしまう。
⑥一歩踏み出して「個人的な関係」をつくる
新しい人と知り合いになったら、その人と話してみて「個人的な関係」づくりを試みる。
積極的に質問をして「相手の情報」を収集する。
いま興味のあるものは何か。
出身地、居住地、趣味、家族、過去の勤務地など聞いて、共通点があったらしめたものだそうです。
何かの会や集まりで話してみて、「この人とは気が合うな」という人がいたらまずはランチに誘ってみる。
また、会話の基本は「相手の話を聞くこと」「共通点を探すこと」古河さんは、「相手の得意分野について、教えを請う」ことをしているそうです。
また、人脈作りにおいて、古河さんが多用しているのが、「3人会」「共通の知人を介した3人での食事会」を指すそうです。
会話の中で共通の知人が出てきたら、その人を誘って3人で食事をする。
自分の知り合いで、相手が会いたいと思った人がいたら、その知り合いを誘って3人会を開催する。
古河さんがこの本で紹介している人と知り合うきっかけや親しくなったきっかけはほとんどが、3人会だそうです。
なお、3人会を開くならば、相手の心に刺さり、心底寄りこんでもらい、今度は自分がお役に立ちたいと思われるような会にする必要がある。
重要なのは、自ら幹事を引き受け、自分のホームグラウンドとなる行きつけのお店で行うのが安心なんだそうです。
⑦「自分の会」を主催する
自分でイベントを開催するようになると、人脈がもう加速度的に広がっていく。
まずは知っている人、2人か3人でスタートする。
「目的」「コンセプト」「どんなメンバーにするか」が大事だそうです。
たとえば「ワイン好きの3人会」の場合、ワイン好きを集めて、〇〇の店でワインを飲む会をやろうと気軽に始める。
参加者にワイン好きがいたら呼んでもらうようにする。
それを何回か続けると、直ぐに30人、40人ほどの人脈ができる。
長続きするコツは「好きなこと」
古河さんが初期のころにつくったのは、「音楽の会」で、参加していた合唱団がきっかけで、仲間と一緒に演奏会に行くようになり、演奏会後の飲み会を古河さんがセットするようになったそうです。
続けるうちに同行する人が増え、演奏家とも面識ができ、古河さんがまとめてチケットを注文し見に行き、飲み会には演奏家も合流してもらうことも増えたこと。
その流れで今度は「自分主催の演奏会」を企画したそうです。
⑧「また会いたい」と思わせる一流のお礼メール&SNS&名刺活用術
人脈を構築する際、名刺管理は欠かせない。
古河さんは、「今年会った人」と、「これから会う予定の人」の名刺をファイルし、実際にその人と会ったあとは、「会った人」の一番後ろに移す。
そのために、名刺管理アプリを活用し、「メモ機能」で紹介者、会った時の場所、相手の出身地、経歴、趣味、嗜好などの情報を入れる。
更に「マイタグ機能」を使って、どのイベント、どの会に参加したかをタグ付けしておくと、「いついつの会には誰と誰を読んだか」を一覧で見ることが出来る。
特に「人脈の維持活動」が大切で、「この人とは最近ちょっとご無沙汰だな」と思う人をピックアップして、連絡を取る。
また、相手を失望させないように、こちらからも情報提供できるネタを用意する。
更に仕事で会った人も「この人は面白いな」「この人とつながっておきたいな」と思う人は、プライベートでも繋がりを持つ。
また、SNSのやりとりで相手の好きなこと、関心のあることを把握し、それに関連する情報を送る。
また、LineやメッセンジャーなどのSNSでは、下の方の人とは最近やりとりをしていない。そういう人に連絡を取り、繋がる事だそうです。
⑨人脈作りは、「会食」に始まり、「会食」に終わる
古河さんの人脈作りには、「食事(会食)」が欠かせない。
みんなで集まって美味しいものを食べて、おいしい酒を飲んで、楽しく会話することで、お互いの距離が縮まり、そこからまた輪が広がっていく。
それが交流術の全てなんだそうです。
自分主催の会が盛り上がり、みなさんに「また参加したい」と思ってもらうためには「どんな人が参加するか」「どの店を選ぶか」、言い換えれば「楽しい会話」と「おいしい料理」が決め手だと言います。
いい店は、料理がおいしいということはもちろん「店が醸し出す雰囲気、お酒、店の方のもてなし方、コミュニケーション力」も重要だといいます。
なお、古河さんは「会食の目的」は4つに分かれるそうで、①飲食がメインの会、②人の紹介が目的、③1対1で人間力関係強化、④「会話」がメインとなります。
また、古河さんが行くお店として、和食、フレンチ、イタリアン、中華を基本とし、飲み放題にした上で、ワインや日本酒、シャンパンなどを持ち込むんだそうです。
⑩幹事業のポイント
まずは「会の目的」を明確化させる。
「おいしいイタリアンを食べに行こう」「ワインを飲みながら大リーグについて語ろう」「広島県出身者で集まろう」「ドバイに赴任していた人が帰国するのでいろいろ話を聞こう」など、いろいろ考え、目的に合致する店を選び、案内を送る。
できれば個別メールで、「なぜあなたを誘うのか」というコメントを入れるのが望ましいそうです。
慣れてきたら、自分の名前に「古」がつく人の会など、自分らしいユニークさを出していくといいそうです。
なお、食事やお酒を楽しむ会であれば、いろいろな店を回るのでいいのですが、議論や話すこと中心の買いであれば、極力同じ店を使うとよいと小河さんは考えるそうです。
月3回ほどつか「@緩いつながりの会」ではだいたいいつも同じ店で開催し、会の運営に合わせて料理を出してもらうなどいろいろ融通を聞かせてもらうそうです。
なお、主催する会のテーマは4つあるそうで、①共通の趣味の会(音楽、映画、以後、俳句、旅行、DIY、登山、ハイキング、釣り、歴史など)、②食事会、③勉強会、④ゆるいつながりの会なんだそうです。
⑪自分の所感-3人会は人脈形成のイメージが湧く
この本の内容に沿って改めて人脈作りをするということに意識を向けると、確かに色々な繋がりを作れそうです。
また、飲み放題を予約してお酒を持ち込むは、目からうろこでした。
古河さんの本を読むと、著名人と仲良くなったり、ミシュランのお店は殆ど行ったことがあったり、少し値段設定のところなど、私とは違うんだろうとは感じましたが、食事を介して、戦略的に人脈を構築していくというのが新鮮でした。
20年続けてきた人は違いますね。
この本では、どういう成果を出してきたか、どういう著名人とつなげたかなども書いてあり、興味を持った方は、是非本を読んでみてください。