商談は兎に角スピード感。組織内部よりも顧客の見極めを意識!

世の中の法人営業の皆さんは、お客様が本当に商品を購入してくれるか分からない。

社内でもどのタイミングで技術陣や幹部も含めたプロジェクト受注に向けた組織的な取り組みにしていけば良いか分からない。

といった悩みがあると思います。

私が属するエンジニアリング業界や建設業界などでは、最終的に製品を作り、お客様に納入するのは、プロジェクトマネジャーであり、技術屋が主に担います。

従って、商談の際にも、早めに客先に対して技術陣から説明してもらい、信頼感を得たい、プロジェクトを前に進めたいというインセンテイブが営業に働く気持ちはよくわかります。

しかし、複数人が関わってくると、どうしても意思決定が遅くなり、客先へのリスポンスが遅れたりもします。

また、特に客先の意志も決まっていない、プロジェクトとして成案化するか分からない場合には、寧ろ複数人での対応は非効率です。

今日のテーマでは、私が、どのように新規顧客開拓から、社内リソース活用を図っているのかのノウハウを提供します。

①新規顧客開拓/新規プロジェクトヒアリングには単独訪問

新規に顧客を見つけたり、プロジェクトの話をもらった際に、法人営業であれば、まずは話を聞きに顧客を訪問するかと思います。

私は最初の訪問は、紹介者がいない限り、ほぼ単独で訪問していました。

私が対応していた東南アジアの顧客の場合、一般的な日本企業(若しくは東アジアの企業とも言えるかもしれません)とは異なり、肩書よりも、個人を見て判断する傾向が強いと感じていました。

また特に日本企業の場合、集団になると、誰が責任者だか分からなくなり、物事をある方向性に向けて進めていく時以外はその会議の結論がぼやけることで、相手に悪印象を与えるケースが多い気がしていたからです。

単独で訪問する場合には、必ず社内への訪問結果の報告を徹底する必要がありますし、商務面、技術面で聞きたい質問を全て網羅できるわけではありませんが、少なくとも同じ役割の人間が複数人訪問し、片方がしゃべり、片方は聞き役というのは、非効率です。

また、相手の立場に応じた立場の人間が訪問するという考えもナンセンスで、特に華僑のような家族経営をしている方にとって、日本企業の偉い立場の人がたまに来ることよりも、実質的にサービスを提供する担当が継続的に訪問し、課題を都度解決してもらう方がよっぽど信頼関係を築くことができます。

②結果報告は、全階層、機能別他組織に関係する人対象に全員

顧客に単独訪問するからには、その結果報告が大変重要なものとなってきます。

私はその報告をタイムリーに行うだけでなく、事業部門の必要な人物に網羅して情報を提供することが極めて大切だと考えています。

一般的に組織は、各組織を束ねる長、更にはその組織を束ねる長を纏める事業部長といった形で構成されており、各組織の構成員は普段は組織の中で対話することが多いかと思います。

しかし、実際のプロジェクトの情報が必要なのは、必ずしもその組織内の人間だけでなく、技術陣/エンジニアにもその後の検討のために情報を展開する必要があります。

また、プロジェクトを推進するためには、大きなプロジェクトの対応方針を決めることから、人員の割り当てをすること、更に個別の顧客の要望に対する返答をする担当など、様々な部署や立場の人間が関わる必要があります。

最近では、SlackやTeamsなどの情報共有ツールにて、様々な階層や組織の人間と共有する仕組みを会社に導入している企業が多くなっています。

この組織内の横の人間には、必ず情報を共有する。

別組織の人間(最低 組織長)にも必ず情報を共有する。

更に事業を束ねる責任者にも情報を共有していく。

このことが、プロジェクトを結果として協力に推進することに繋がりますし、組織を活性化させることにもなります。

③有望な案件と納得してから、他組織への応援を依頼する

先日のブログで、客先との関係構築のためには、次回までの宿題と、その商談の日程まで決めてしまうことで、客先との信頼関係を作る話をしました。

東南アジア華僑(海外顧客)との商談のポイント(課題共有と時間管理術) – アイアンマンブログ (ironman1977.com)

このような行動をするためには、本当に顧客やプロジェクトが有望なのか、自分たちの会社が受注できる可能性のある案件なのかを見極めていく必要があります。

私は、自分自身がある程度見極めがつかない段階では、全ての報告を社内で行い、場合によっては資料の作成のお手伝いをしてもらう等は依頼したとしても、顧客との対面での打ち合わせには、単独で訪問していました。

後に顧客が有望だと感触をつかんでからも、最小限の技術陣と協働で対応を開始します。

間違いなく顧客が発注に向けて検討を開始したと分かったタイミングで、社内のリソースを余すことなく活用する形に切り替えていきました。

このような対応をすることで、社内の中でも、私が担当する案件は有望案件ばかりを持ってくる営業マンとして、信頼関係が高まることとなりました。

④纏め

  • 新規顧客開拓時やプロジェクト発掘時には、極力対応を早くし、顧客を見極めるために、単独で訪問し、その訪問結果を速やかに関係者に報告する。
  • 結果報告は、所属している組織長だけではなく、組織内の担当全員、また他組織、事業部門長にも共有することで、プロジェクトを推進する力にもつながりますし、組織の活性化にもつながります。
  • 有望な案件と見極めた上で、他組織への応援を依頼します。また、顧客が本格的な発注に向けた検討が始めた段階で、社内のリソースをしっかりと活用させてもらいます。この頃には、社内でも圧倒的な信頼関係ができています。

如何でしょうか。

一品ごとに案件内容の異なるプロジェクト案件では、顧客と社内を繋ぎ、効率的に案件を進めていくのかも重要です。

その際、営業は社内の司令塔として、活躍出来る範囲が極めて大きいことを理解していただければと思います。

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