MARUWAの紹介-セラミック基板のグローバルニッチ企業

本日は、MARUWAを紹介します。

いつものとおり、柳下裕紀さんが投資ポートフォリオに組み込み、第211回のサロンでも紹介した企業です。

『Aurea 人生と投資の会』第2ステージ・第211回卒業生サロン一般募集の御知らせ | 蓮華 with にゃんこ達

ブランディングムービー | 会社案内 | 株式会社MARUWA

日本六古窯の一つ瀬戸市の陶芸家の家系から始まり、戦後間もない1946年に神戸芳郎さんが、陶磁器の製造販売を目的として設立された丸和合資会社が前身となり、高度成長期に電子部品用のニーズが高まる中、通信機器向け特殊磁器分野に進出。

今ではセラミック電子材料のグローバルニッチトップに君臨しているそうです。

本社は愛知県尾張旭市にあり、生産工場は岐阜県土岐、愛知県瀬戸、新潟県上越市、福島県いわき市、三春町、そしてマレーシアにあります。

また、日本に新たに工場を増設しており、通信用、車載用、半導体用と用途別に生産を分けているようです。

2025年3月期決算説明会

実はセラミック基盤の生産は、以下の工程で進むそうです。

セラミック基板とは?利用の用途や製造工程、価格についてわかりやすく解説  | 株式会社アローテックス

1. 材料の混合してスラリーを製造

酸化アルミニウム(Al₂O₃)や窒化アルミニウム(AlN)などの粉末に、バインダー(樹脂)・分散剤・溶媒を加えて混ぜ液状のスラリーを作る。

2. 成膜装置でスラリーをグリーンシートにする

3. グリーンシートの切断と穴あけ加工

4. 穴への導体補充と配線の形成

5. 積層して圧力を加えて焼成

6. 表面へのメッキ加工

この製造工程は陶磁器製造と同様のプロセスだそうで、MARUWAは金属や樹脂に比べて加工が難しいため、均一性や厳しい精度が必要な電子機器向けの安定した品質を量産できる技術を確立し、その各々の工程を知財で押さえているそうです。

その結果、高い参入障壁を築き、セラミック基盤では世界トップシェアの60%~70%を握っているそうです。

用途もベアリング、チップ抵抗器、電子回路製造、エンジンコンポーネント等熱伝導率や耐熱性、絶縁性を必要とするあらゆる製品に使われており、エンドユーザーも半導体、航空宇宙、防衛、自動車、家電、電子機器、医療など幅広い分野で使われているそうです。

また、営業利益率37%超と高く、営業キャッシュフローもしっかり黒字。

会社は中期目標となる1000億円を目指しているそうです。

(ちなみに無借金経営なんだそうです)

なお、柳下さんの説明によれば、MARUWAは、工程ごとの知財化戦略に加え、

①熱伝導率が得られにくいセラミック技術の中で、高純度窒化アルミニウム(AIN)を活用し約10倍の熱伝導率を達成する技術を活用し、放熱基板、LEDパッケージ用基板、半導体用基板、薄膜回路基板、パワー抵抗器用基板に向けた製品を製造。

②窒化ケイ素セラミック(Si3N4)は、2018年ブリジストンから高純度炭化ケイ素ファインセラミック事業を譲り受け、大電力を扱うハイブリッドや電気自動車、鉄道、産業機械のパワーモジュール用絶縁基盤を提供する

などで差別化を図っています。

更に、

③照明事業では、放熱性が10倍高い窒化アルミニウム基盤によるLED道路灯、トンネル灯の開発、車載向けヘッドライトのLED化に向け、窒化アルミニウム基盤の照明メーカーへの提供により、事業を拡大しているそうです。

私の家族のMARUWAへの投資は、ちょうど2年前でした。

最初に柳下さんから説明を受けたとき、未来に向けた幅広い事業分野へのセラミック基板提供の競争力の高さに魅力を感じ、直ぐに投資した記憶があります。

しかし、この2年間、思った感じで株価が伸びている感触はなく、改めて会社の業績も含め、柳下さんの講義を中心に見直してみましたが、改めて強い会社と感じました。

B to Bの素材メーカーで世間ではあまり目立たない企業ですが、良ければ、彼女の講義を聞いた上で、投資を検討してみては如何でしょうか。