本日は、黒田真行さん著作SunmarkPublishing出版「いつでも会社を辞められる自分になる」を紹介します。
黒田さん1988年はにリクルートに入社。
リクルートエージェントHRプラットフォーム事業部部長など歴任後、2014年にミドルシニア世代に特化した転職支援と企業向け採用支援を手掛けるルーセントドアーズを設立したそうです。
黒田さんのX https://x.com/damadama777
は私自身よく見ており、転職市場を良く知り、中高年の転職に関する発言に説得力があると感じていました。
今回のタイトルは刺激的ですが、私自身も47歳と正に今後の会社、そして自分の仕事人生をどうするか考える上で、参考になると思い、購入しました。
目次
第1章 35歳からの転職のリアル
第2章 「いつ辞めてもいい人」はこんな人
第3章 「自分」と「スキル」を見極める
第4章 「理想的な転身」をかなえるために
第5章 「雇われない」で生きていく
①ミドル以降の「転職のリスク」を察知せよ-「見たこともない「二極化」の時代がやってきた-「中途半端なホワイトカラー」がいちばん危ない。」
デジタル人材、M&Aなどの専門職、総合商社や工場自動化、半導体関連機器などの高収益企業に努める社員の年収が高水準で推移しているのに対して、一般的な事務職や収益力に課題を抱える企業の従業員の収入が伸び悩む。
グローバル競争下での企業間格差が、個人の収入にも影響を及ぼし、「中間層」あたりに位置していた大量の人たちの年収が下がり、中間層のポジションが次第に 下方化し始めている。
かつて高年収だった人たちが年収200,300万円台になり、非正規の時給の仕事、作業中心の仕事に就く人が増大。
一方、新商品サービスを生み出したり、データ分析するサイエンテイストなどのスペシャリスト人材が年収を上げる。
つまり中途半端なホワイトカラーがどんどん下方に押し流されるリスクがあるんだそうです。
例えば金融業界などは、従来の支店がどんどん閉鎖され、中小企業回りの営業や個人顧客向けの事務職が殆ど必要なくなる。
そうなると銀行から住宅、不動産、生命保険など個人向け新規開拓営業に転職する人も多数いるが、個人営業という業態の中で活躍し続ける人はそうは多くない。
また、M&A仲介業にコンサルタントとして転職するケースも急増しているが、競争が激烈で、途中で離脱してしまう実例も多い。
著者が銀行出身者や転職者のキャリア相談を受けると、多くの人が「せっかくの経験を活かして前職と同業界の銀行に行きたい」という答えに行きつく。
しかしそんな採用ニーズはもうなくなっている。
また、ホワイトカラーは、35歳を過ぎると転職のハードルが一気に高くなり、35歳から4歳ごとに求人数が半減すると考えた方が良いそうです。
実は管理職ではなく、プレイヤーとして転職する場合は35歳が一つの壁となる。
一方、40歳を超えると求人が半減、更に45歳、50歳を超えると更に断崖絶壁になる。
その3年前から準備することが大切だと黒田さんは言います。
間違いなく自分の会社がかかわるビジネスが斜陽に向かっていることが頭で分かっていても、長く会社に在籍していると、本人はずっとそこに浸かっていたいという気持ちが生まれてしまいがちとなる。
今30代前半の人はあと20年、30年と同じ業界で過ごして逃げ切るのは簡単ではない。
一方、ミドル世代の転職希望者の方々と話すと、「キャリアについて考え始めるタイミングが遅すぎる」
例えば58.59歳になって初めて60歳以降もバリバリ働ける会社はないかと考え始める人が珍しくない。
しかし、60歳になれば、一旦定年を迎え、65歳まで嘱託社員として雇用が延長になる。
こうなれば年収は半減近く、若しくはもっと落ち込むことも多くなる。
しかし、本人は、先輩の姿や会社の定年制度を調べておけば分かったはずの事実を知らないまま過ごしている。
実は40歳前半までの20年と40歳前半からの20年がまるっきり変わるものとなる。
会社のポジションのみならず、日々の過ごし方、心身面、家族、持つスキルなどの変化を著者は指しています。
更に「40歳」で周囲からの「見られ方」が一変する。
この年代からは現場第一線、若手とは言われず、管理職としてどれだけできるのか、組織を動かして結果を出していけるか、つまり将来の経営幹部候補として期待できる人物かどうかという目線で見られる。
また、年齢が上がるとともにポジションを得られる機会が減っていくという現実があり、多くの企業でキャリアのピークは45歳という現象が起こることになる。
そして45歳を過ぎると、とりわけ50歳以降は、キャリアの「オワコン化」との闘いになる可能性がある。
また、日本の企業の多くは、定年ギリギリまで前向きに頑張ってもらえるよう、淡い夢を抱かせ続ける仕組みになっている。
この会社に自分の未来はないと思ったら、ポジションを求めて転職するという選択も出来るかもしれない。
年を経るごとに求人の数が減ることを考えれば、会社を飛び出すという選択はできるだけ早い方がいい。
また、能力があったとしても、たまたま同じタイミングで同じような能力を持つ人材がたくさんいたら、上のポジションは望めないことも自覚すべきだと黒田さんは指摘します。
②採用が決まる人と決まらない人は「言語化」がまるで違う
どんな価値を生み出せるかという、自分が提供できる価値を言語化しておかなければいけない。
自分を雇ってくれたらこんな価値を生み出せるという価値証明ができない人は売れない。
採用が決まる人は、自分が入社すれば、どんな得があるのかを語れる。
③「いつ辞めてもいい人」はこんな人
会社をいますぐ辞めても問題ない人は、端的に言うと今の会社でも成果を上げて満足度の高い仕事をしている人なんだそうです。
35歳以降、40歳を過ぎていくと5年ごとに自分が対象となる求人が半減していく。そんな中でも40台以降も市場価値を高め続けている人の共通点は、
1.定量的な成果を生み出せること
転職先の事業や会社に対して、定量的な結果を生み出せる人であり、目に見える数字で表されるもので、業績や利益、顧客増などが上げられる。
また定量的な結果を生み出せること、定量的な結果を生み出すための要素は、KPIをしっかり説明出来る人は市場価値が高いと言われる結果になっているそうです。
2.採用市場で需要がある業界にいる
市場からの期待値が高い仕事領域を選んでいる人は、結果として市場価値も高くなるそうです。
3.周囲の力を借りて5馬力、10馬力に変えられる
自分の存在をレバレッジとして、結果を最大化できるかどうか。
自分の知識やスキルを活かして、多くの人を巻き込み、より大きな成果を出していける人。
35歳を切り替えポイントとして、自分単独で頑張るのではなく、チームや組織で戦うスタイルを意識していくことができるかが大事になってくる。
4.周囲を巻き込んで組織に好影響を与える
自分だけでこんな結果が出せるというプレイヤー的な視点ではなく、チームや組織に好影響を与えられるかという意識を強く持っている人。
5.経営に近い目線で事業の存在目的を考えられる
その事業にとっていかに正しい命題を設定できるか。
経営に近い目線で、事業が何をやるべきか。
今この会社は何を目標に置くべきかに対して、経営者に論理的にプレゼンテーションができる力を持っている人は、経営幹部として経営者から頼られるポジションに就きやすい
また、ミドル世代の中で転職がうまくいっている人を見渡すと、会社から与えられた目標は達成しつつも、それ以上に自分で定めた、はるかに高い目標に挑もうとする人が多い。
自分で目標をしっかり定め、そこに向かって走り続ける一心不乱さが一流の証だといえるそうです。
自らを厳しい環境に追い込もうとする「セルフブラック化」ができる、自分の成長にどん欲な人はそんな意識を持ち始めているそうです。
また、個人的には、実力があったり、周囲から信頼されたりしている人は、率先して新しい取組をしてみたり、たとえ人が嫌がるような仕事でも、やり方を工夫してやってみたりという印象があるそうです。
更に短期的に早く走ることができても、そのあとが続かないのでは、長い仕事人生うまくはいかない。
大事なことは、最大瞬間風速を狙ってとにかく「速く走る力」ではなく、「走り続ける力」、つまり110点をコツコツ続けていく。
それがやがて大きな力になっていくそうです。
更に自分のピークが今から3年後に来ると思い続けること。
また、自分よりプラスマイナス15歳の人脈を作っておくことで、仕事としては長続きしていく可能性が高い。
こうした縦長の人脈を作ることはただ仕事につながるかもしれないというだけではなく、世代の違う人の味方や考え方が自分の知見に幅を持たせてくれる。
そうした感覚を持っていれば、新しい関係性も作りやすいし、その感覚は間違いなく仕事にも転職にも活かせるそうです。
④「自分」と「スキル」を見極める
自分のスキルを考える際、その仕事の需要は今後「右肩上がりで需要は上がっていくのか。
右肩下がりで仕事の需要は減っていくのかを見極める必要がある。
長所や得意分野があったとしても、それはきちんと世の中からの需要があるのかという観点が重要となる。
銀行の経験、新聞記者の経験、アパレル業界の経験も、培ってきたスキルの中で横展開ができ、他業界で売れるスキルは沢山ある。
その付加価値を見つけて、伸びて行く産業に勇気をもって飛び込んでいくことは当然の生存戦略で、そこに「世の中の目線」を鍛えておくことの意味があるといってもいいそうです。
また、自分の提供価値を見極めて「自分は何屋です」「こういうことがやりたいんです」という自分の旗を立てている。
自分は何がしたいのか、どんな価値を創り出したいのか。
世の中にどう役立ちたいのか。
まずはそれを考え、決めること。
そうすれば仲間も集まってくるし、情報も集まってくる。
ちなみに、黒田さんは、なかなか厳しい状況にあるミドル転職をなんとかしたいということから、独立起業したそうです。
その結果、同じ思いを持つ人たちが次々と応援してくれたそうです。
⑤希少性を作ってくれる「自分ならではの価値」を意識できるか
自分のプロ性を自分の意思で極めたという自覚がないから、自分のスペシャルなキャリアというものに気づけない。
しかし転職に成功した実例をたくさんみてきた黒田さんからすると、経理もわかって営業もわかるという「掛け算のスキル」を持っていることの価値をもっと自覚すべきだといいます。
ある仕事で5年働けば、おおむね1万時間に達し、それなりにプロになっている。
その上で営業で1万時間の経験があれば、2つのスキルが自分ならではの価値に繋がる。
また、任せられていた役割の話と、その役割の中で生み出した価値の話は全く別で、今の仕事で成果を出し、その成果はいかにして生まれたかという再現性を説明する意味が出てくる。
つまり何故成果を出せたのかを言語化し、記録に残しておくことが大切だといいます。
また、自分は誰にどんな価値を提供できるのかを一つでも多く見つける。
「新しいお客様に」「長年のお客様に」「会社の中で」など誰にどんなタイミングで何をなぜ、どうやって役に立ったかを分解すれば、どんな価値があるから給料がもらえるかが見えてくるそうです。
⑥「雇われない」で生きていく「雇われない意識」が、最強の会社員を作る
これまで多くのミドル世代の転職を関わってきた経験から、いい転職をした方々は、みなさんどこか「いつでも会社を辞められる」という意識を持っていたそうです。
彼らにとって、会社を辞めることや転職することは、特に恐れるべきことではなく、それ以上に「自分」を大切に、キャリアに向き合っているように思えたそうです。
「自信」の背後に見えるのは、自分への信頼で、黒田さんの定義にいおると「株式会社じぶん」
つまり、自分を一つの会社と捉え、在籍している会社を「取引先」と見なして、この株式会社を経営していくという考え方だそうです。
現在の勤務先は取引先で、毎日得ている給与は、自分が提供した価値や成果に対する対価、つまり売上と考える。
給与は自動的に支払われるものではなく、自身の努力と能力によって獲得するものだと自覚している。
報酬をえるために、常に自分の能力を客観的に評価し、コストをかけてスキルアップに励む。
それが投資にあたる。
また、ミドル世代の転職相談の場において、他の会社に転職したとしても、将来が保証されているわけではない。
AIの本格導入が始まり、事務作業の多くがAIに置き換わり、経営者の視点からすれば、高級で人材を雇用し続ける必要性が薄れてきている。
従って、45歳以上の人間が今後のキャリアを考える上で、独立したプレイヤーとして自律していく選択肢を真剣に検討しておく必要性が非常に高まっているそうです。
アウトソーシングや派遣の活用はその一例だが、個人がその流れに乗る。
つまり一人を年間120万円、つまり月十万円でその役割の一部を担ってもらうことは可能。
であれば、月10万円、年間120万円の小分けされた仕事を10社から獲得できたら、年収1200万円に相当する。
年収1000万円で雇ってくれる会社を見つけることは容易ではなかったとしても、年120万円の仕事を10社から引き受ける方法もある。
そのためには、当事者として、「自分は誰にどんな価値を提供したいのか」はっきり言える。
そしてどんな競争相手と戦っていくかを意識し、どんな優位性を自分は発揮できるのか、どんな差別化ができるのかをしっかり描いておく。
また、業種×職種のプロとして、自分の業界や仕事の領域での課題や展望をしっかり語れる人は、プロとしての専門性を売れる可能性がある。
それは、同業他社に行ったとき、「御社のここが課題ですね」「ここはもっとこうしたら成長できるのではないでしょうか」と言える可能性がある。
⑦自分の所感
「会社の人事は自分では決められない。」
これが、自分が前の会社で感じたことでした。
今の会社でも同じように考えていますし、上司の人事評価に拘泥するサラリーマンにはなりたくない。
(実力勝負で、しっかり結果を出して評価される形を常に選んでいく)
その考え方で、自分のキャリアを作っていく。
会社が決めた人事が納得いかなかったら、別の道を探る。
この考え方、そしてそのための成果にこだわる姿勢など、大体今も意識していることが言語化されていると感じました。
是非本を読んでみてください。
