ホーチキの紹介!-ストックビジネスの最骨頂

本日は火災報知機事業をメインとするホーチキを紹介します。

私はこの会社については、2024年6月に柳下裕紀さんから紹介頂きながら、本日まで投資していなかったことをちょっぴり後悔している企業です。

(当時はジャパンエレベーターと日立、レーザーテック、ローツエなどに目が行っていました。)

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この会社の設立は1918年。

東京市麹町区有楽町にて損害保険会社の出資により東京報知機株式会社設立とあります。

なお、今は警備保障会社、そして損保会社が大株主です。

個人投資家の皆様へ|IR情報|ホーチキ株式会社

なお、1920年には日本初の公衆火災報知器の開発、1988年には世界初の放水銃を開発と技術力に定評のある会社だそうです。

この火災報知器システムには、

①自動火災報知システムと

②住宅用火災警報器の市場があり、

ホーチキは、①建物内に感知器や発信機を設置し、火災発生をビル管理室等に設置する受信機で知らせるシステムとなるB to B市場に強く、日本の大規模市場で34%、中小規模市場で18%のシェアを持っているそうです。

ホーチキの事業特性として、新設で火災報知器を入れた後の保守事業、そして20年経った後のリニューアル事業が常に積みあがっていく点がストック型ビジネスとして注目されています。

以下は今年度の売上高の事業別割合を会社が発表しているものですが、保守事業で全体の20.9%の売上高となっています。この保守事業は消防法で定められており、設置後必ず付いてくる事業となります。

また、更に新設後20年経つと、火災報知機の更新時期となるため、そのリニューアル工事が出てきます。

新設工事の際には、ゼネコンの孫請け(電気設備会社が2次下請け)となるため、利益率が低い一方、リニューアル工事では、元請での施工となるため、利益率が大幅に良くなる傾向があるそうです。

今は、圧倒的に新設工事よりもリニューアル工事の比率が高く、会社としてもそちらに注力していくそうです。

以下は2026年予測の数値ですが、全体の売上高が火災報知器設備事業を中心に伸びていること、また、保守事業の利益率が24.5%と圧倒的に高いことが分かります。

PowerPoint プレゼンテーション

もう一つホーチキが力を入れているのが、海外事業展開です。

2012年にイギリスのケンテック株式会社買収後、海外展開を加速化しており、欧州、北米、アジアと主要地域をしっかりと攻めているのが見て取れます。

その為の施策として、商品領域のシステムまでの拡大、販売網拡大、生産SC体制の強靭化などを謳っています。

尚、投資家、柳下さんのこの会社のフランチャイズバリュー(他社に真似されない競争領域)の作り方として、

①センシング技術

火災発生感知器として、煙検知、熱検知につき、火災か否かの正しい識別ができ、更に40%超の小型化を実現したこと(特許保有件数1117件)、

②世界の主要規格となるアメリカ、EU,豪州規格にも適合している為、世界中で対応できること、

③消防設備士が2000名以上居り、建物の特徴に合わせた施工メンテナンス力といったエンジニアリング力を持つこと、

そして研究開発から、設計、施工、メンテナンス、リニューアル、コンサルまで対応する一貫した火災防災のソリューションを持つことで、顧客ロイヤリテイ―の囲い込みが出来ていることを挙げています。

会社の中長期戦略「GLOBAL VISION 2030」」もしっかりと公開しており、投資家に対しても分かりやすいです。

中期経営計画|経営方針|IR情報|ホーチキ株式会社

この3年間でも会社が稼いだ営業CFをしっかりと投資に使っていくことも明示。

一方、ROICなどを意識した経営を行うことも説明しており、更に面白い会社となっていきそうです。